最終面接【ゲラゲラコンテスト2】
場所:面接会場
役 面接官:ツッコミ→ツ
受験者:ボケ→ボ
ツ「ではこれで、最終面接を終了します。結果は合否問わず郵送で通知いたします。
はい。ありがとうございました。
いかがですか部長、今年の受験者は。
はい。まったく。どれも特徴のない子ばかりで。
ええ社長。おっしゃる通りで。やはり個性ある人材が必要ですね。次の受験者ですか。えーっと」
ピラ
ツ「あぁ個性はなさそうですね。前回までは、真面目そうなので通過させました。
はい、個性を出させる方向で」
ノック
ツ「おや、来たようですね。どうぞお入りください」
ボ「○大学、ボ、ボケと申します。ほ本日はよろしくお願いします!」
ツ「人事課のツッコミです。こちら人事部長、あちらが社長です。よろしく。今日は緊張せず、リラックスして臨んでくださいね」
ボ「ははい! ありがとうございます」
ツ「(んー。真面目なんだよなー。リラックスさせて個性出させなきゃ)志望動機は前回聞いたけれどー、当社を受けたきっかけはあったのかな?」
ボ「はい、姉が勝手に応募していましてー」
ツ「どっかのアイドルグループみてぇだねぇ」
ボ「ももちろん、興味があった業種だったので、受験させていただきました」
ツ「なるほどねぇ(やっぱ固いぞ。個性はー)」
ピラ
ツ「お、軽音部でバンドリーダーやってたんだ!」
ボ「はい。仲間に助けられながら、なんとか横浜アリーナまでやっていけました!」
ツ「横アリ!? そこまで行ったの? いやすごい。バンド名は何だったの?」
ボ「ロリータです」
ツ「あそうなんだ。えらいパンクなのやってたんだねぇ」
ボ「はい。メンバー皆子ども好きだったので。デュフふ」
ツ「子ども好きの意味が気になるねぇ。まぁいいや、バンドでライブやってたなら、自己紹介とかやってみせてよ!」
ボ「え、えぇ。でも、あまり面接の場にふさわしくないかと思うのですが」
ツ「いいよいいよ。今日は最終面接だから、フランクな面も見てみたいんだ」
ボ「そうですか。それではFOOOOO!(立ち上がり体反らし)
ロリコンのみんなー! 今日はロリータのライブに来てくれてありがと―う! 俺のイカれたバンドメンバーを紹介するぜー!」
ツ「あロリコン呼ばわりなんだ。怒られない?」
ボ「まずはギターのトシ! 全部黒ずくめで、顔も見えねぇって後ろは思ってるんだろ?」
ツ「忍者みてーだねぇ」
ボ「実はこれ体中を墨で塗ってるだけの、クレイジーな衣装なんだぜー!」
ツ「衣装じゃないよね。全裸だよね」
ボ「最前列はトシの顔も、トシのトシも見えてるはずだぜ!」
ツ「トシのトシって何? ナニ?」
ボ「全裸に葉っぱ一枚の俺が言えた柄じゃねーが、狂ったファッションしてんだろー?」
ツ「あお前も全裸なんだ」
ボ「続いてベースのケーン!」
ツ「あ、ちょっと待って。時間も限られてるから、他は飛ばしてボケ君の紹介してもらっていい?」
ボ「え……?」
ツ「信じられないって顔してるー。俺には何の力もない、自分の信頼する仲間さえ紹介できない、何て俺は無力なんだ。の顔してるー」
ボ「つぅぎはベースのケン!」
ツ「あ、やるんだ。いいよかわいそうだし」
ボ「こいつオフの日はいつもプールだ! 俺らの地元のプールに来りゃ、水の上を歩くケンの姿を見れるぜ!」
ツ「忍者みてーだねぇ。泳げよ」
ボ「続いてードラムごにょ」
ツ「ん?」
ボ「最期に俺だぁぁあ! SAY BOOKE!! SAY BOOKE!!」
ツ「あれドラムは? ドラムとはうまくいってなかったのかな?」
ボ「課長! SAY BOOKE!!」
ツ「え振るの? ぼーけ。これ悪口言ってるみたいなんだけど」
ボ「部長! 社長! SAY BOOKE!!」
ツ「いやそこはさすがに振るなよ! 部長も社長も、やらなくていいですから!」
ボ「そう! 俺がボケだぁぁあ!」
ツ「……」
ボ「あ、こんな感じでやってましたー」
ツ「え、えらくはっちゃけてるねぇ」
ボ「はい。昔ファンの方に、ユーライブでは全力でクレイジーになりなよとアドバイスされたので」
ツ「どっかのアイドルグループみてぇだねぇ。
(ため息)あのねぇ。君が最初言ったけど、これ面接なんだよね。フランクにとは言ったけど。私はいいとして、部長や社長にその馴れ馴れしさは、社会人としてないんじゃないの?」
ボ「す、すみません……!」
ツ「へ、部長構わない? 社長むしろ嬉しいって何言ってるんですか?」
「え部長ロリータ大好き? 社長ロリコン? マジで何言ってんだあんた」
ボ「あ、いつもライブ来ていただいてありがとうございますー」
ツ「えライブとか行ってんの? ちょいちょい入る二人揃っての有給って、もしかして
ライブ行ってた?」
ツ「ユー採用決定!? いいんですかこんな奴! ってかアドバイスしたのお前かよ!」
ボ「あのー、そろそろ次の人の面接時間も」
ツ「あー、もう帰っていいよ! 合否は郵送で送るから! なんとか不採用にしてやるから!」
ボ「では拙者、これにてドロンさせていただきます」
ツ「それは忍者みてぇじゃねーよ!」