漫画 極東事変 一話 ネタバレあり
一巻まるまるやろうとすると、どえらい長文になりそうでした。
すいません、一話ってことでお願いしやすっ!
突然だけど、なんで日本が極東って呼ばれてるか知ってる?
俺、最近知ったんだけどさ。世界の位置関係ってイギリスを基準に考えるらしいんだよね。
イギリスを中心に世界地図を見ると日本は東の端。だから極東ってことらしい。んで、ついでに言うと中東はイギリスの東側、真ん中あたり、ってことらしいんだよね。
一応、これを知ってた方がこの作品は楽しめそうな予感がしたから言ってみたよ。
そんじゃ、はじめるね。
ざっくりあらすじ
第二次世界大戦後、GHQ占領下の日本で、日本軍に変異体という生体兵器に改造されてしまった人々とその生き残りを殲滅する任務を負ったGHQ治安衛生局の者たちの生き残りを賭けた闘争
登場人物
GHQ側
近衛 戦闘能力の高い復員兵
砕花 変異体の一人
変異体側
カヤ 変異体の一人 夫を進駐軍に殺された
玄森 名前は一話では不明、カヤたちを支援するユニット七三一という組織の一員として登場
名も無きカヤの仲間たち
三幕構成
設定
どしゃ降りの雨の中血溜まりの中で倒れている砕花
↓
砕花を拳銃で撃ったとおぼしき男の独り言「俺たちを始末するのにこんな子供を差し向けるなんて」
↓
目を開け立ち上がる砕花
↓
驚く男
↓
砕花「僕も七三一部隊に作られた生体兵器」
↓
男「ならばなぜ新政府やアメリカの肩を持つ?」
↓
砕花「僕も生き残るのに必死なんだよ」「だからさ」「同郷のよしみで死んでくれ」
丸形の大きな弾倉のつけられた珍しい拳銃を撃つ砕花と倒れる男
そして、扉画へ
で、ここまでで掴みはオッケーというかさ、事情が見えてくるよね。
なんかよくわかんないけど特別な肉体を持ち、普通に生きていくことが許されない者たちが、やむを得ず殺し合わなければならないってこと。
男は子供は殺したくなかったような口振りだし、砕花は生きていかなければならないと言ってるしね。決して好きで殺し合ってる人たちではない、悲しい背景がある物語っていう設定がわかった気がしたよ。
葛藤(対立)
扉画が終わると近衛が登場して、カヤとMPのもめ事に巻き込まれていく中で、近衛がMPを角材で殴り飛ばしてカヤを助ける。しかし、カヤの仲間達はMPを射殺して、近衛と揉める。そこでそれぞれの考え方の提示がある。
戦争は終わったという近衛。それに対してアメリカ人も旧体制の軍人も殺すというカヤの仲間達。そして、去りゆくカヤを背中から撃つ近衛。平然としているカヤたちから自分たちの境遇を聞かされる。そして、銃で撃たれそうになっているところへ砕花登場。銃撃戦が始まり、そのなかでそれぞれの気持ちや事情が明らかになっていく。
いろいろな価値観同士のぶつかりあいだよね。
まさに葛藤。
まさに対立。
解決
結果として砕花を追いつめたカヤ。しかし砕花が子供であると気が付いて殺せなくなってしまう。そして、逃げられたことで玄森に砕花を殺せと命じられ次に失敗したら殺すと脅されカヤは自殺を選ぶ。
一方、砕花は、戦争で家族を亡くし、巻き込まれたとはいえMPの殺害に関わってしまい行き場所のない近衛を自分の部下にすることを宣言して終わる。
まあ、解決したね。決してハッピーではないけどね。
解決1,今回のゲスト主人公ポジのカヤは、子供を殺すくらいならと自殺する。
夫の敵を取るため、生体実験されて変異体にされ、しかも戦争が終わったら殺処分されるということに抗っていた。しかし、いつかは変異体を殺処分をしようとしているGHQに雇われている、まだ子供の砕花の味方になろうとした結果。
2,砕花は、自分と同じ立場である変異体と殺し合う暮らしの中で近衛という信頼できそうな仲間を得る。
3,近衛は、追われる身になりそうな状況を砕花の部下になることでMP殺害の追求を免れることになる。
円環構造
最初のコマと最後のコマなんだけどさ。
最初のコマ
雨の中、血溜まりの中に瞳を閉じて倒れている。
最後のコマ
近衛に笑顔で「近衛 君は今日から僕の部下になるんだ」話しかけている。
死という絶対的な孤独を思わせる状態から、笑顔で仲間になることを誘っているということで、同じ砕花であるんだけど、状態が逆になっているよね。
数学的な図形で考えるとさ、円があってさ、それは孤独~連帯を表す円の中でさ、孤独という一点から真反対の位置の連帯という一点まで状態が移動したってことだよね。
うまく伝えられないけど、そんな風に思ったよ。
それじゃ、今日はここまで。
またねー。
読んでくれてありがとうございます。
漫画 極東事変の面白さは伝わりましたでしょうか。
では、また次の作品で。
少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。






