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映画さよならテレビ ネタバレあり

タイトル さよならテレビ


客の入り 平日の昼間で10人くらい。白髪のおじいさんやおばあさんが半々くらいでみんな一人で見に来てたよ。


これは東海テレビがつくった自社の報道部に取材したドキュメンタリー映画だよ。で、東海テレビ局は3つの役割を果たしていると思ってるんだって。社会見学でやってきた小中学生にも言っていたのがこれだよ。

それがこれ。

一、事件事故を伝える

一、権力の監視

一、弱者への寄り添い

だから、この映画もこれができているかってことを確かめるように作られていると感じたよ。それじゃ始めるね。


まずはプログラムの引用します。

「薄っぺらいメディアリテラシーは、もうたくさん。テレビの今を活写する。」

引用終わり。


プログラムによるとテレビ業界の他社の人はこんなの自分たちの会社では作らせてもらえない、って驚いていたらしいよ。



愛知県名古屋市に本社を置くテレビ局の東海テレビが自社の報道部を1年7ヶ月取材して制作されたドキュメンタリー映画。なお東海テレビはこのようなドキュメンタリー映画をさよならテレビを含めて12作制作していてテレビ業界で高い評価を得ているらしい。


 プロデューサーは東海テレビの監督は東海テレビの正社員のひじ方宏史(土偏に点がつくひじという漢字だけど変換ができないからひらがな) ドキュメンタリー映画の監督としては三作目で監督として評価が高いみたい。



最初に言っておくね。


俺はテレビ局の人に対してこう思っています。


 中にはまじめでいい人もいるのかもしれないけど、俺がたまたま関わったテレビ番組を創る人たち何人かは赤の他人の俺が言うことを聞くのを当たり前だと感じているっぽいし、約束守んなかったし、いろいろ事情はあるんだろうけど、やな感じの奴らだなあ。

 しかも、テレビ局の社員って平均年収1000万越えてるらしいし。


ってね。


 そんな俺がテレビ局が創ったドキュメンタリー映画をお金を払って観てきたもんだから調子コいて上から目線でいろいろ言うかも。

 

 だって、ほら、俺、年収一千万なんて稼げない俺が、自腹で交通費払って、映画代払ってみてるんだから。

って、これじゃ、自腹で観たってことを売りにしてる映画の評論を放送する人たちみたいだね


 自腹で映画観るなんて、映画館に行くために交通費払うなんて、放送業界以外の世間じゃ当たり前のことなのにね。


 っていう、いくつかの俺のひがみ根性が重なって、最初っから批判的なのまるだしな感じになるかもなので話半分に聞いてね。


「薄っぺらいメディアリテラシーは、もうたくさん。テレビの今を活写する。」


 これに対してもこう思う。


 プログラムにこの文章を書いたのが誰かは明記されてなんですけどぉ、文責とらないでリテラシー語れちゃうんだぁ・・・・・・ふぅん。ま、プログラムの編集は東風という法人みたいだからそのなかの人だろうし、個人ではなく法人として責任を持つってことなんだろうけどさあ、うーん・・・・・・


 はい、軽めのルサンチマン発現させたところで周辺情報の説明してイキたいと思いまぁす。(ごめん、これは俺が時代に取り残されてるってことなんだけど、大手動画投稿サイトの一部の動画投稿者が言う「なになにしていきたいと思います」って言葉に対して「なになにしたいと思います」とか「なになにします」って言い方でいいだろっ!って思っちゃうの。おじさんだから。まあ、俺もリアルで使ってるけど。環境に適応しないと生きてないよねーって感じで)


 そんな俺がこれを書いているってことを踏まえて読んでね。


それじゃ一言でまとめてみるね

「ドキュメンタリーとは制作者の意図が反映されているものですよ、ということを観客に伝える意図を持った映像」


で、俺の感想を先に書いちゃうね。


「そんなことはわかっています。テレビ局の今を活写するというなら、報道部だけではなく営業部や人事部、経理部とかほかの部にも密着してくださいよ。


自社商品の生産工程だけを見せられても、お金の流れと人の流れがわからない状態でテレビ局の今って活写できるんですか? 


あ、あと、社屋を守る警備員の人とかにも密着お願いします。危険に曝されている人たちの方が切羽詰まって、いろいろ考えてらっしゃるんじゃないですか?」


ま、内容に関しての感想はこんな感じ。だけどね。さすが巧いよ。テレビ局の今なんだけど3人の働く男の物語として見せるんだわ。で、意図はあるんだけど、それぞれの状況で現れる男たちの表情が本当にリアル。まあ、演技ではないんだろうけどね。それを編集でつなぎ合わせて見事な物語が作られてる。


そこはほんとにみならいたい。じゃ、内容に入るよ。


で、どんな映像かっていうと大きくわけて4つあるんだ。


1,東海テレビの報道部の部屋にカメラとマイクをセットしてそれが記録した映像。

(ただし、これは報道部の人たちから反対を受けて制約が設けられる。一部の議論の様子と制約の内容は作品内で公開されているよ)


2,東海テレビ局報道部の男性アナウンサーの様子とインタビュー映像


3,東海テレビ局報道部のベテラン契約社員の様子とインタビュー映像


4,東海テレビ局報道部の新人派遣社員の様子とインタビュー映像


で、俺なりに感じた、彼らに与えられた設定と物語を簡単に説明するよ。


アナウンサー(役割は事件事故を伝える)

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不適切なテロップの表示で東海テレビが批判されたときにその番組の司会をつとめていたことで批判の矢面に立たされた人物。そこから、極度の慎重派になり、決められたことしか喋りたくないと明言するようになる。


物語

そんなさなか会社の方針で会社の顔として、視聴率において他社を抜くために大型新番組の司会として抜擢される。しかし、視聴率は上がらず、その期待に応えることなく番組を降板させられ、一コーナーの進行係りとなるがそこで、失敗を含めて自分らしさを取り戻す奮闘を始める。


でね、その過程で人間らしさを表現するために、失敗もするロボットを研究している博士のところに取材したりとからしてて、「そっか、失敗も大切なんだぁ」みたいな独り言言ってたりとかね。


なるほどねえって感じ。


じゃあ、次。


ベテラン契約社員(役割は権力を監視する)

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通称Z案件(記事)と呼ばれる会社が広告主のために制作する記事や番組の担当者、なおZ記事とは、ぜひやってほしい、のZEHIからそう呼ばれている。そして、そんな記事を書いてることにどう思うのか? という問いに答える。「私は元々経済誌でこういうことやってましたからね。仕事ですからなんとも思いませんよ」


物語

時間が経過していく中で、このベテラン契約社員が過去に自分で地方新聞を立ち上げたほどのジャーナリスト気質の人間だったことが明らかになる。そして、ベテラン契約社員はマンション建設反対の運動をしている人物が逮捕されて、起訴された件について独自に調べていたことが明かされ、その人物のために記事を書く。そして、無事に無実となった人物を再会し握手を交わす。


ただし、彼は監督に問う。あの握手のシーンは監督のお膳立てで実現したものだと。


あと、ちょっと話変わるけど、歴史に残るような基本的な考え方の違う政治家同士の握手のシーンとかも広告代理店とかが演出してたりするっていう都市伝説を聞いたことがあるよ。


ほい、最期

新人派遣社員(役割は弱者に寄り添う、というときの弱者)

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国の働きかた改革という方針の一環で残業時間を減らすように命じられた報道部。派遣会社を通じて一年ほど番組制作に携わった新人を採用する。


しかし現れた彼は、スーツを着ているけどもサイズが合っていないのかYシャツもネクタイも身につけるのになれていないのが一目でわかる状態で現れた。寝癖のついた半端に伸びた刈り上げ頭がさらに彼の幼さを強調する。着任のあいさつも照れ笑いを浮かべながら覇気の感じられない挨拶をすますと所在なげ佇むような青年だった。


そして、彼は取材者の顔を出したくないという意向を確認していなかったとして怒られているときに、他の人のせいにして、それが耳に入った当人から事実を突きつけられて叱責されるなど能力が低いだけではなく人間性も幼い。


物語


カメラは彼の自宅入る。布団が敷きっぱなしで、散らかっており、モニターにはアイドルのライブビデオが流されており、そのモニターの前には美少女フィギュアが並んでいる。彼が地下アイドルのファンであることが明かされる。そして、地下アイドルのライブで普段は見せない生き生きとした彼の姿。握手会のときに彼は応援しているアイドルに告げる。「いつか一緒にテレビの仕事をできたらいいね」


そして、彼は告白する。取材対象の意向は確認したが反応が曖昧だった。だから派遣社員という境遇でいつ契約を切られるかわからない不安から、結果を出そうと焦って自分の中で了承をとったことにしてしまったと。


だが彼は適正がないとして契約を打ち切られてしまう。


それでもあきらめず、ほかのテレビ局で働き始めた彼の姿があった。



ってこんな感じで、これらの映像が入れ替わり立ち替わり流れてくる。で全体の円環構成はこんな感じ。


最初のシーン

デスクという立場の人が電話越しに相手を叱り飛ばしている。


最後のシーンっていうかネタばらしだよね。

映像は全体が暗くなった状態で、そのデスクの人が監督と談笑している音声が聞こえてくる。

「いやぁー、お互い役者だよなぁ、あっはっはっは」


あとね、これもその台詞の少し前だったと思うんだけど監督の声が聞こえる。

「時系列を変えてもいいかなって思ってるんですよ」


まあ、最後のシーンでネタばらしして、これは意図がある映像ですよっていうのをわかりやすく伝えようとしているって感じたよ。


そのほかにネタばらし的映像で印象的だったのが一つ。

 

 中盤あたりで新人の派遣社員が金に困って局内の誰かにお金の無心をするっていう映像があって、カメラは陰に隠れて撮っている感じで、その新人が金を受け取る姿は映るんだけどだれが金を渡してるかはわからないようにしてるのね。

 

 で、終盤にその映像が再度映って、金を貸した人物の顔が映し出されるんだけどそれはこの作品の監督だったっていうオチね。

 

 ほかにも契約社員が「カメラが存在するって言うのは現実ではありえないでしょ? フレームに囲まれているものは現実と言えるんですか? 現実はもっと広いでしょ?」的なことをカメラ目線で問うていたりね。


報道っていうものが意図を持って創られているって言うのはよくわかったし、それを現役のテレビ局が公にしたっていうことは日本のテレビ業界の歴史の中で、大きな意義があるとも思う。


だけど、業界に関係ない俺みたいなおっさんでもそんなことはわかっていたよ。次は金の動きや入社や退社の人の動きを観てみたいと思ったよ。


事件事故を伝えるのも、権力の監視も、弱者に寄り添うのもお金や人がいないとできないんだから。それにいろいろな賞をもらっているみたいで、それはすごいことだと思うけど、賞をあげられる立場ってのも権力なんじゃないの?


ってことで、おしまい。

読んでいただきありがとうございました。

少しの間でしたけどなろうから離れていた時期は心穏やかでした。

これで最期にするかもしれません。

まあ、昔ほど物語が思い浮かばないと言う感じです。

小説を書くということ自体からも卒業かもなあ、と思っていたりします。

また、自然と書きたくなるようになるまで待とうかなって感じです。


それではみなさま、お元気で。

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