小説 異世界誕生2006 ネタバレあり
小説 異世界誕生2006について、ネタバレありでお話ししながら小説を書くヒントを考えます
はいっ! というわけでですね、ネタバレありの感想をはっじめるよー。ってなわけでネタバレいやな人はブラバっちゃってくださ~い。
では残った人にはこの言葉を贈ろう。
三幕構成と円環構造。
って、知ってた? すごいね、さすがだね、いやマジで。
俺、五年くらい小説書いてんのに知ったの最近なもんだから言いたくってしょうがない時期まっさかり。一応、知らない人のために簡単に説明すると物語っていうのは大体三つの部分からできてるよってことね。
で、円環構造ってのは、いろいろあるらしいんだけど、とりあえず、俺がここで言う円環構造を説明するね。
円環構造とは?
物語を通して物語世界で起きた変化をわかりやすくするために、物語の最初と最後に同じ物を別の視点で描いたり、同じことが起きても違う結果が出たということを描くんだって。
三幕構成とは?
物語は、設定、葛藤、解決と三つの部分に分けられるということなんだ。まあ、人によって設定を発端と言ったり、葛藤を対決と言ったり、多少言葉の違いはあるみたいなんだけど。
まあ、始まりがあって、やるべきことやって、結果がでる、という風に俺はとらえてみたよ。
で、この考え方。どうやら、プロ、素人問わず物語を考える上ですごく役立つ考え方らしいのね。だから、俺が味わった作品がその考え方と比べてどうか? っていう視点で語っていくね。んじゃ、まずはネタバレありであらすじね。
ネタバレありのあらすじ
交通事故で息子タカシを亡くした主婦、嶋田フミエがタカシの部屋にあった小説の設定資料などを元に、タカシの代わりに小説を書き始める。その小説の内容はタカシが異世界転生し、そこで勇者として、フミエをモデルにした女騎士と仲良く助け合いながら、魔王を倒す冒険の旅を行うという物語であった。そして、その小説執筆の過程でフミエが息子に対して思っていた本音や家族の本当の関係性を認め、受け入れ、やがて小説を完結させる。
このことがフミエの娘でありタカシの妹であるチカの立場から描かれた物語。
オレ流にまとめてみるとこんな感じだったんだよね。
で、まずは小説の目次を書いてそれが三幕構成のどこにあたるか考えていくね
目次
プロローグ
第一話 母フミエと、異世界転生
第二話 母フミエと、もとトラック運転手
第三話 母フミエと、ハム入りポテトサラダ
第四話 母フミエと、どこかの会社の休憩時間
第五話 母フミエと、おやつのマドレーヌ
第六話 母フミエと、誰も来ない部屋
第七話 母フミエと、半月後のおだやかな日々
第八話 母フミエと、誰も知らない仮面のだれか
第九話 母フミエと、一七日に起こること
第一〇話 母フミエと、一年と一ヶ月前に生まれた魔物
第十一話 母フミエと、電子の海の向こう側
第十二話 母フミエと、炎上する掲示板
第十三話 母フミエと、罪深い話
第十四話 母フミエと、ある一ヶ月後の朝
第十五話 母フミエと、罪の告白
第十六話 母フミエと、信じられないほど意外な味方
第十七話 母フミエと、ゲートの女神
エピローグ
・・・・・・って、母フミエが過ぎるわっ!
打ち込むの大変だったぜ。でも、作者も大変だったろうけどそこまでして目次にこれだけ母フミエって書いた理由があるんだろうね。俺の推測は、娘チカ目線なんだろうな、ということ。その効果としては母を中心にこの物語世界が回ってるっていうことが伝わりやすい気がするんだけどどうかな?
で、この作品における円環構造っていうのを確認しておくね。俺が感じたのはプロローグとエピローグ。
プロローグは本当にタカシが異世界で冒険していることを前提としたフミエがタカシにあてて書いた手紙。
エピローグは本当にタカシが異世界で冒険し魔王を倒した描写とフミエの小説のラスト「タカシは異世界で今も元気に暮らしています」という一行の文。
息子を亡くして息子が別の世界で生きていると信じ込んでしまった精神のバランスを欠いた母が書いたと思わせる手紙、からの、か~ら~の、実は息子が別の世界で生きており、魔王と戦い勝利したという描写。
同一人物の変化ではなかったけど読者が認識する物語上の事実をひっくり返す効果がある、って思ったよ。
あと三幕構成の方ね。
俺の感覚では設定がプロローグから七話、葛藤が八話から十三話、解決が十四話からエピローグっていう感じだった。
内容に踏み込むと、またどえらく長くなっちゃうから目次だけで話してみるね。
第八話のサブタイトルの「誰も知らない仮面のだれか」って、これから何かが起こる予感がするじゃない? えっ! しない? あら、あら、でも俺はしちゃったんだ。しかも それから割と物騒な言葉がサブタイトルに並んでるし。ここが葛藤ポジでいいんじゃね? って思いました。
で、七話までのタイトルは食べ物の名前だったり普通の名詞って感じのが多いんだけどさ、ここまでが設定だったら、それぞれの用語の物語上での意味なんかの説明しているって捉えたらなるほど感が出てくる気がするんだよねぇ。
で、十四話からサブタイトルには、朝、告白、味方、女神とかなんとなくポジティブな印象の言葉が入ってるから、解決ポジ。ってことにしました。俺の中では。
はい、結論。
小説のプロット考えるときは、この目次みたいに言葉の持つ印象から考えていくってやり方もいいかもねっ!
ってなわけで、今日はここまで。
じゃあ、またね。
読んでくださってありがとうございました。