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龍運  作者: 星凪 怜
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龍の国

この国では、魔法使いは、一般市民より格が高い。


その魔法使いになるために、男子は13歳になると、魔法使いになる修行に出る。

しかし、魔法使いになるためには、生まれ持った力も必要となる。

その力があるかどうかは、13歳にならないと、魔法使いでさえ分からない。


しかし、この国では、力が無くても、13歳になると修行に出る。

そうして、魔法使いになれなかった者は、普通の暮らしをし

魔法使いになれた者、弟子になれた者は、 15歳になるのを待つ。


この国では、15歳から大人として扱われる。

特に魔法使いや弟子になっている者は、王宮や、貴族、町の支配者の下で働くことが出来る。


仕事は、主を災難から守ることや、占い。


家族から魔法使いを出した家は、皆から羨ましがられ、生活も安定する。


『うちのバカ息子、魔法使いになれずに帰ってきたんだよ。

どこかに職はないもんかねえ』

『うちは、この店を継がせるよ』

『そういや、宿屋の三男坊、魔法使いになったらしいよ』

『大したもんだねえ。宿屋の用心棒に出来るじゃないか』


ここは、城下町。


靴屋の長男が、修行に出ようとしていた。

『頑張れよ』

父親が、息子を抱き締める。

『お前に龍運がある事を祈る』


母親も息子を抱き締めて言う。

『お前は体格が良いから、必ず弟子にしてもらえるよ。龍運を』


『判っています。必ず魔法使いになって戻ってきます』


靴屋の息子は、真新しい服に身を包み、馬に乗り、旅立った。


『龍運』

この国では、相手の無事や幸せを願う時に使う言葉。


そうして、この国は、龍に護られている国。

龍は王を選び、王は龍を神のように崇める。


15歳から大人。

龍も、15歳の魔法使いから、次の王を撰ぶ。


だから、ただの魔法使いになる修行なのではない。

王になれるかもしれないチャンスを得るのだ。


しかし、龍の選別は厳しい。

人柄、王としての器、魔力を見る。

選別されずに、逆ギレして龍に襲いかかり、食べられてしまった男子もいた。



靴屋の息子を見ていた女の子がいた。

『いいな~私も魔法使いになりたい』

女の子がつぶやくと、隣にいた年上の男性が、女の子に言った。

『魔法使いは男だけ。女の魔法使いは、魔女って言って、悪魔の仲間なんだぜ。

第一、女に魔力があるわけない』

女の子は、顔を真っ赤にして言い返す。

『昔は、女の魔法使いがいた。って、おじいちゃん言ってたもん』

『あの、じじいの話なんて、おとぎ話だよ』


『お兄ちゃんのバカ!もう、帰る』

『おい、まだ買い物済んでないだろ!』

兄と呼ばれた男性は、走る女の子の後ろ姿に叫んだ。

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