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にいと☆プリンセス  作者: 青梅次郎
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第四章 夏の戦にいざ参らん!!

「でゅふふふ…。もう松尾氏ったら…そんな~…いやいや松尾氏こそ…。でゅふふっふふっ…」


…以前のシリアスモードからこんにちは、斉藤和白です。


只今、俺は彼女、絹織紫小里の部屋で絶賛むかつき中でございます。


夏休みまであと三日…というのに今週の宿題の提出をしてない上にずーっとパソコンと会話しているのだ。


宿題を手渡したら即その日にやり終える彼女なのに様子が変だ。


先週のこともあって手がつかないのか…と思い込んでいた俺だったがそうじゃないかもしれない。


チラッと彼女のパソコンの画面を覗いたが、その画面は俺でも知ってるチュイッターという、コンパクト化したメールみたいな、リアタイーリアルタイムーで相手と会話したり、自分の作品を展示して皆に見てもらったりと多種多様性のある便利なアプリだ。


そう、彼女が、あの彼女が、だ。


他の人とチュイッターのやり取りをしていたのだ。


しかも松尾という、いかにも男っぽい名前…。


嫉妬とともに焦りの感情も出て体から冷や汗が止まらない。


彼女に聞くも「…どうせ興味ないだろうからいいでござる」と言われてしまった…。


今さっき彼女がトイレに行ったのでこっそりその画面を見た。


すると「夏コミ」と書いてあるチュイッターにお気に入り登録してあり、他にもそれに出場?する人のチュイッターを大量にお気に入りに追加してある…。


「ぎゃああああああああああ!!!」


「うわあああああああああああああ!!!」


後ろからの奇声に思わずビビった俺。


猛ダッシュで俺の前に来ると強くパソコンを閉じた。


「ぷ、ぷぷぷぷぷプライバシーのししし侵害でござるぞおおおおお!!!!」


キエーッと猿のように啼き喚く彼女を哀れな目で俺は見つめる。


「な、何でござるかその目はーッ!!!!」


「いや、うざいなあって」


「うざ…!!!」


わなわなと俺の胸の近くで震える彼女。


そういや久々だなあこんなに至近距離で会話するのも。


俺が少しほくそ笑んでいるとそれをみてむっとなった絹織は俺から離れて、


「とにかく!その日はワイにとってとぉーーっても!!大切な日なのでござる!!邪魔しないでいただきたい!!」



 うがーっ!と俺に歯向かい、パソコンの方を向いて再び閉じたのを開いてカタカタ何かを打ち込み始める。


 …てかタイピング早すぎだろ!!何て打ってんのか全然分からん…。


「で、その日ってのは何があんの?」


「…………」


「お~いしおりさ~ん、教えてくださいませんか~」


「…………」


「…………」


 こうやってしら切らせばすむと思ってやがるな……。


 俺はどうしてもその日について知りたかったのである手段を下した。


 ガン無視してくる彼女に背後からゆっくり近づいて…。


 ぐわし!!!


「!!!????」


 彼女の両脇腹を掴み、そして…


 こちょこちょ…


「!!?ちょ…やめ…!!」


 こちょこちょこちょ…


「きゃはははははははッ!!やひ!!やうひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!」


 とある手段、それはこちょこちょ大作戦。


 彼女をくすぐらせて体力を消耗させ、限界になったら吐かす、というガキのような低能な作戦。

 

 彼女がくすぐりに耐性があれば失敗していたこの作戦だったが、うまくいったようで安心した。


「ひゃらあああああ!!もうむ、りいいいいいいいあびゃびゃびゃびゃひゅひゅっ!!!」


「おう?ここか?ここがいいのか?」


「ひゃはははははははは!!だめだめだめ~!!!」


 たまに可愛い声を出すかと思いきやよくわからん奇声を上げたりして少し面白い。


 絹織は脇を閉めて必死に抵抗するも俺の手の動きは止まらない。


「ひい…ひい…もう…じんじゃううう…」


 息が途切れ途切れになっている絹織の姿を見て、少しこうふ…いや、やめておこう。


 くすぐりを止め、椅子を回転させて俺の方を向かせる。


 そこには顔を紅潮させて口からよだれがだらしなく垂れているいやらしい彼女がいた。


 …まあそうさせたのは紛れもない俺だけども。


 すこし距離を離れるように数歩後ろに下がり、両頬を強く引っ叩き、理性を保たせる。


 そしてその距離感のまま彼女に問いかける。


「では話してもらおうか…」


「このっ、へんたいにゃろうめえ…」


 へろへろになった絹織は呂律も回らず俺を睨みつける。


「いい加減にしろよ!もうこれ以上俺をおかしくさせないでくれ!」


 理性を保てなくなるという意味で。


「逆ギレかよぉ…」


~*~


「「夏コミ」ーーー。そう、それは我らにとって戦場そのものを指す。皆剣を手にし、求めるエデンに向かい、そのエデンにある幻の宝を手に入れるため、死にものぐるいで駆け出す!!その宝を手に入れる為には剣を差し出さなければならない。己と一身であったそれを差し出す勇気のあるものだけが手にすることを許されるのだ」


「…つまり、夏コミっていうイベントがあって、それの出し物…漫画とか?を買う為に死にものぐるいで金を差し出すってことだろ。もうちっと分かりやすく言えよ」


「ハッ!!主……ワイにしか解読することの出来ない古の言の葉をなぜ解読できた!?」


 古の言の葉…ねえ…。


 相手に伝わりづらいのは自覚してたのかい。


「こんだけ付き合ってりゃそれなりに分かる。それに事前に調べといたからな」


 俺はスポーツバックから二枚程のA四ぐらいの用紙にコピーした紙を出す。


 そこにはネットから引き出したページが写っていた。


「ぬう…そこまでして夏コミに興味がおありでござるとは…」


 予想外でござる、としみじみと頷き、では、とパソコンに視線を移す。


「では、主のその熱い思いに応えようではないか!」


 ガガガガガガ…


 どこからか機械音が鳴り、何事かと辺りを見渡す。


 すると、パソコンの隣に置いてあるスキャナーから紙が出てきた。


 ああ、印刷したのか…。


「それは当日の任務表でござる」


 俺は印刷したものに目を通す…が…


「…これ全部周るの?」


「そうでござるが?」


 いやそんなキョトン顔されても困る…可愛いけど…。


「「ごち!うっさ」枠、「侵撃の巨人」枠、「まろ☆マギ」枠、「けーおっ!」枠、「俺には幼なじみなんてウンチャラカンチャラ」枠…全部ワイにとっては必要不可欠な作品でござる!!」


「最後のやつが曖昧だったがほんとにそんな作品名なのか?」


「正式名称でござる。略して俺ウン!」


「なんか嫌な略称だな!」


「大丈夫でござる!当日は松尾氏と協力していくつもりでござったので」


 あっ出た、松尾氏。


「誰なんだよそいつ」


 むすっとして彼女に聞く。


「松尾氏はワイがこの世界に虜になって以来の数少ない萌えヲタ同盟でござる!幾度かコミケに同行して頂いてるでござるよ」


 ニコニコしながら話すものだから俺の嫉妬心はさらに増大していく。


 …まあ松尾って名前だけで男と確定するのは早すぎる気もするけどさ…。


「……ちなみにその松尾氏は男?女?」



女でありますように!女でありますように!



必死に祈りながら俺は彼女の答えを待つ。





「松尾氏?三十路近くのおじさんでござるぞ」


「やめよう!会うのは!」


 彼女の答えを聞いたとともに、つい遮り気味に言ってしまった。


 いやでもしょうがないと俺は思う。だって男は男でも三十歳近くのおっさんと買い物なんて…!!


 親戚ならまだしも、チャットでやりとりしただけの関係だぞ!?


 そんなの、出会い系でこの後ラブホに向かうおっさんと女子高生みたいなもんじゃねえか!!


 どうあがいてもそういう絵面になるよ!!あぶねえよ!!


「は?なんで?」


「おかしいだろ!三十歳のおっさんと行くなんて!!絶対ヤラしいこと考えてるってその松尾氏!!」


「確かにいつも山のように十八禁の本を買いあさりはするからスケベではありますな」


「お前…」


 呆れて言葉が出なくなってしまった…。


 目の前でそんな光景見たのなら逃げるだろ普通…。


「でも大丈夫でござる。松尾氏はワイと同じ二次元の女の子しか興味ないでござるからな!」


 得意げに彼女は話すが俺はますますハラハラ度が増していく。


「…よかったわ、このことを事前に、しかも同行することが出来て」


「おう!二回目の夏コミ!楽しみでござるな!」


「ああ…ちゃんと用心しとけよ…」


「ういっしゅ!!」


 …人の気も知らねえで嬉しそうにはしゃぐ絹織を見てはー、とため息をつく。


 まあ兎にも角にもだ。


 彼女が松尾という男と訪れる、夏コミというイベントに同行の許可が下りた今。


 その日まで万全の準備をしておかんといけないな。


~*~


「主、太った?」


 少し大きめのリュックサックを背負った絹織が俺に放った第一声がこれ。


「……ただの筋トレの成果だよ馬鹿やろう」


 この日の為にいつも以上に筋トレメニューを増やした結果、多少ではあるが筋肉の量が増えてしまい…。


 服もデブ専用のものじゃないと入らなくなるくらい肩幅が広がってしまい、少し後悔している始末。


 そんな落ち込んでいる俺と対象に目を輝かせている絹織。


 パーカーにジーパンの質素な服装かと予想していたが完璧に裏切られ、白いフリルを施したワンピースに太めのジーパンを履いており、サンダルに髪型はおさげでほんのりメイクをして、麦わら帽子も被って…完璧コーディネートじゃねえか…。


「…お前、意外とオシャレするんだな」


「まあな!身だしなみぐらいはしっかりしないと」


 俺達は今とある駅のホームにいた。


 ここから夏コミの現場まで電車で行き、他公共交通を使いながら目的地に行くことになる。


 現時刻は始発時間の朝五時半頃。こんな早いのに駅は人ごみでいっぱいだ。


 こんな早朝な集合時刻だが、俺は早起きは慣れている。


 この時間頃にジョギングしているので目は冴えてる方だ。


「てっきり遅刻してくるかと思ったでござる」


「はっ、ただの運動馬鹿じゃねえってこった、見直したか?」


「早起きは三文の得というでござろう。出来て当たり前のことでござる。いい気にならないでほしいでござる」


 ふいっと電車の乗り口の方を向き、俺から視線を離す。


 なんとでもいいやがれ。さっきまで俺は落ち込んでいたが、手にした自分のスマホを見て気分が高揚した。


 あれから三ヶ月少しして、やっと彼女のラインを知ることが出来たのだ。


 今のところはイベントに関することしか話してないが、これを機に彼女との距離が縮まれば、と思う。


「あ、そうだ」


「うん?」


「斉藤殿は何持って来たでござるか?」


 後ろを覗くように俺に質問する彼女に対し、ああ、と俺は察して答える。


「リュックサックに大きめの紙袋六つ、あとお前から貰った金を小銭百円玉に崩して持ってくる。飲み物は事前に持ってくること、館内は飲食禁止だから飲んじゃだめ。あとスケッチブック、込み具合で少なければ頼む。…ぐらいか」


「うぬ!ちゃんと言う通りにしてきたでござるな~!結構結構!」


 満足そうに彼女は頷く。


 カンカンカンカン…


「お!来たでござるな」


「そういや松尾氏はまだこないのか?」


「ああ。松尾氏は現場の近くに住んでいるから先に並んでもらってるでござる。まあ割り込み禁止だからワイらはワイらで別行動になるでござる。のちに交流することになる感じでござるな」


「ふうん…」


 なるほど、しばらくは彼と接触することはないのか。

 

 少し安心した俺だが、油断大敵だ。


 気を緩めたら今までの苦労(筋トレ)が水の泡だ。


 うっし!と気合いを入れて電車の中へ足を踏み入れ、俺達は戦場へ向かう。


~*~


 水の泡になってしまった…。


 彼女はあの後イベントの現場に着き、二人で先が見えない長蛇の列に何時間も並んでたのだが、その行列が解かれたとき、彼女は人ごみの中をかき分けてどこかへと消えてしまった。


「いやいや行動力ありすぎだろ…、その行動力をもっと他のことに活かせよ…!」


 テレン


 ふと、騒がしながらも聞こえたラインの着信音が聞こえスマホを手にする。


[ワイのことは気にしないでノシ勝利品を獲得していくのだ!!(`・ω・’)キリッ]


 …相変わらず顔文字可愛いな…。


 じゃなくて!!


[お前が心配。合流しよう]


 と俺は返信し合流を試みるも…。


[んな!なんと女々しいヤツめ!ここは戦場ぞ!!甘ったれるな!!(#`ω’)ムキー!!]


 …怒られてしまった…。


 …仕方ない、彼に合流しないことを願って買い物するとするか…。


 …あれ?前にもこんなことがあったような…。






 あれから三時間が経過し、あいつからラインが届く。


 購入した品数を教えろとのことだった。

 

 買った本の数を教えるとなんと彼女が購入した数と合わせると全部クリアしたらしい。


 ということで出入り口の近くの広場で合流することに。


 

 すると…


「「でゅふふふふふふふふ…」」


 両手にたくさんの紙袋を持ち、リュックサックにいくつものポスター的な巻いてあるものが刺さっている人物が二人、不吉な笑みを浮かべながらこちらに近づいてくる…。


「でゅふふ…きぬたんやったでござるな~。全項目完全制覇するなんてさすがでござる」


「いやいや松尾氏こそ~、事前に先回りしてくれたおかげで効率よく購入することが出来たでござる!」


「「でゅふふふふふ…」」

 

 そう、歩いてやってきたのはきぬたんこと絹織と、その隣にいる明らかに小汚いおっさんの松尾氏。


 松尾氏の外見のインパクトにも驚いたが、それよりもかなり彼女と親しげに接していることに嫉妬心を通り越して、憧れ的な感情が浮き出てきた。


 うぐぐぐ…羨ましい…すごく羨ましい…。


 絹織をきぬたんとかあだ名で呼べたり、彼女にすごく信頼されたりしていて…俺と全く真逆で…。


「あ、斉藤殿」


 少しトーンを下げて俺の名を呼ぶ絹織。


「ん?どうしたでござるか?肩が震えているでござるぞ?」


「……ほっといてくれないか…」


~*~


 あの後も帰りの駅前でずっと彼と楽しそうに絹織はだべっていて、電車が来るまでずっとずっと無我夢中に語り合っていた。


 そして一週間後に松尾さんは仕事の休みがあるのでその日に打ち上げでもしようと提案してくれることに。


 とはいえ、相手はかなり年食ったおっさんだ。


 警戒心は怠らないようにしないと…。


 待ち合わせ場所として近くの駅前で松尾さんを待つことに。


「…本当に大丈夫なのか?ましてやあんなおっさんと…」


「ったく…その話し何回目でござるか…。本当斉藤殿は乙女チックな野郎でござるなー。もしかしてカマでござるか?」


「ちげーよ!俺はお前を心配してんの!」


「まーたそういう言い訳してー…。わかってるでござる!松尾氏は二次元しか興味ないから貞操は奪われないでござるよ。安心なされ」


「気持ち悪いこと言うな!!」


 …と二人で変な会話をしていると目の前に小さな灰色の軽自動車が止まった。


 ウイーー…と車の窓が開き、あのおっさん…松尾さんがひょっこり顔を出してニコニコしながら俺達に声をかける。


「おっまたせ~!愛しの同士達よ~!!」


 乗って乗って~と軽い感じで誘ってくる。


「松尾氏~!待ってたぜよ~!!」


 ぜよ?


 そういいながら躊躇なく彼の車のドアを開ける…しかも助手席…。


「ボーイフレンド君も乗ってくれたまえ!」


「…ああ…はい」


 …取残された俺は仕方なく松尾さんの車に乗る。


「松尾氏~!!あそこに行きたいぜよ!!」


 ぜよ?


「ん?あああそこね~!了解なり~!!」


 …なんだ、このデートみたいなやり取りは…。


 しかも俺はそれを後部座席でおとなしく聞いている…。


「いや~それにしても松尾氏!!先日のアレ!!」


「アレ?」


「アレアレ!ほらあの…『三紀ちゃんずるいですわ!』の…」


「あ~!!はいはい!!あれはずるい!あんなとこでそんな台詞はもう…」


「「萌え~るしかないでござるな!!」」


 シンクロしたー!!


 そして案の定何話してるのか一つも分からねえ!!


「やっぱあの二人は…出来てるでござるな…」


「ですな~!もうあの夫婦は誰しもが認める、誰も割り入ることが出来ない!」


 ああ、なんかアニメのカップルの話しをしてるのか。


 まあ、ドラマでも恋愛ものでキャーキャー言ったりするもんな。


 あんな感じか?


「男なんていらない!二人の世界がそう物語ってるでござったな!!」




……………ん?




男 な ん て い ら な い ?





「ちょっと待った!!」


「ん?どうした斉藤殿」


「なんださっきから黙って聞いてりゃ…その二人ってのは…どっちとも…」


「おんにゃのこでござるぞ」


 ???????


 俺は踏み入れたことのない敷地に入ってしまった感じがして否めなかった。


「は?女同士で?」


「…まさか斉藤殿…。百合もしらないのでござるか?」


「ゆり?花の名前だろ」


 はあ~っとため息をつきがっかりしている様が後ろ姿からはっきり分かった。


「まあまあきぬたん。世の中百合を知らない人がいてもおかしくないですぞ。むしろ教えて上げたらどうでござろうか」


 …松尾さんにフォローされてしまった…。


「…まあ、斉藤殿はこの世界には全く無知であることは承知していたが…ここまでとは知らず…申し訳ない」


「いいえ…むしろ知らなくてすいません…」


 …なんで俺謝ってんだ…。


「百合、まあ同性愛と近いものでござる。レズビアンとはまた違うものでござるが、微笑ましいものでござる…」


とうっとりして宙を見る絹織。

 

「斉藤殿は腐女子をご存知で?」


「ああ、テレビで何度か見たことがあるな。アニメとか漫画キャラの男同士の恋愛ものが好きなやつのことだろ?」


「………」


 絹織は少し蔑んだ目で俺を見つめる。


 え?何で?俺変なこと言った?


「…やっぱ斉藤殿はそっちの気が…」


「なんでそーなるんだよ!」


「男同士の恋愛をボーイズラブ、略称BLビーエル、別名薔薇とも呼ばれている。そしてBLを好む者を腐女子、百合、別名ガールズラブ、略称GLジーエルを好む者を萌え豚と呼ばれている、キリッ!」


 松尾さんは自信満々で演説してるが…キリッ!とか自分で言うなや…


 そしてこいつも詳しいな!!


「そして…我らはその萌え豚に当たるのであーる!!」


「ふはははははははははは!!」


 なにわろてんねん。


「まあ両者とも元からそういう関係じゃないものをそういう関係に見て萌えたりするのが多い」


「えっそれって作った人に迷惑かけないか?」


「まあ一部の過激派は自分勝手に暴れまくってその作品を汚すこともあるでござるが…たまにそういう狙った描写もあるからなあ」


…………。


と、まあこんな感じで俺にとって身にもならない知識を得たのであった。



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