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6話

 俺達4人の腹も膨れて、そろそろお開きだと思い始めた時、食堂の入り口の扉がゆっくりと開く。扉の先から長いお髭が特徴の大臣が現れる。昨日の今日だ、香織の姿を確認すると僅かに怯えた表情を浮かべていたが、仕事も大事な様で気丈に口を開きだしたのだ。


「お食事中失礼致します。勇者様達の今後のスケジュールについてお話しさせて頂きます。突然、知らない世界につれてこられた色々戸惑っておられるでしょうし、本日は一日自由時間とさして頂きます。金銭も僅かばかりですが、お渡しさせて頂きますので城下町へと出られるのも良いでしょう。そして明日から我が軍で一番の実力を持つ、わがザンガール王国軍所属のゴーガ将軍と一緒にダンジョンへ行ってもらいます。やはり実力をつけるには実践が一番と言う事なので」


大臣が俺達にそう伝えた後に、扉から筋肉がとんでも無い事なっている男性が現れた。オールバックで真っ赤な髪が特徴的なゴリマッチョだ。俺も筋肉に憧れていた時期もありなんとも羨ましい限りだと思ってしまう。


「俺が、ゴーガだ! 俺の役割はお前達を一人前の戦士へと鍛え上げてやる事だ! お前たちを最高の兵士にしてやる感謝しろ」


不遜な物言いだが、あの見た目なら何となくだが許されるような気がする。ゴリマッチョがなよなよしててもイメージぶち壊しだしな。そう思いながら俺は紹介の間、ずっとモリモリと目の前の肉を食い続ける。戦う力の無い俺には到底関係の無い話だとこの時はそう思っていたからだ。自己紹介が終わるとゴーガ将軍は勇者達の教育プランを長々と話し始めてしまった。俺は付き合ってられないと思い話半分でその言葉を聞いていたのだ


「……話は以上だ。明日に向けて本日は英気を養っておけよ! それは解散だ」


 やっと話が終わったか。将軍にもなると話がなるのかな? と考えていると大臣が革の袋に入ったお金を一人ずつに渡していったのだ。どうやら俺の分もあるようだ。それはそうだろう俺だけ区別してしまえば香織がどうなるのか分かったものでは無いからだ。中を開けると金貨が50枚ほど入っていたのである。この世界の相場は分からないが、王が出す支援金と言う事だけあってなかなか豪勢である。


 さて自由を手に入れたんだ今日は俺のやりたい事をやりつくしてやる。俺は召喚された時に渡された金をどさくさに紛れてガメていたのと今の金でちょっとした小金持ちになってるんだろうと思いながら。部屋から飛び出したのである。そう俺にはやる事がいっぱいなんだ。


そして俺は自由時間を満喫していると、アッと言う間に一日が過ぎてしまった。そして例の誘惑の待つ部屋へと帰っていくのであった。


「お帰り! もぅ、折角の自由時間なんだから一緒に過ごそうよ!」


香織はプリプリして俺の帰りを出迎えてくれた。ネグリジェと言うものだろうか? どこか彼女は俺を誘惑する気マンマンの衣装で待ち構えていたのであった。恐るべし肉食系女子と思いながら俺は口を開く。


「一日くらい良いだろ。偶には一人になりたい時もあるさ」


今日はもう疲れた……香織の話を適当に流して、いつもの定位置であるソファーへとダイブしてふっかふかを満喫しながらそのまま俺の夜は過ぎて行ったのである……

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