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廃人と美少女と幼馴染と俺。  作者: 匿名わかめ
2/2

episode2 天使の微笑

笑顔って、怖い。

どうしよう、どうしよう?どうしよー!!

待って、めっちゃ可愛い。

なにこれ。フラグ?フラグなの?フラグだったら、もうすぐフラグ回収班が到着してフラグ回収されちゃうんだけど。なにそれ嫌。待って、俺、三年間まともに会話してない。現在の俺のコミュ力知りたい?

やめとけ。

でもとりあえず出ないとな…家、間違ったのかもしれないし。

ひきこもりは決心した!

ついに!

通話ボタンを!

押すことを!


「はっ…はぁいぃぃぃ…」


( ^ω^)

あー死にたい。死にたい死にたい死にたい。なにが、はっ…はぁいぃぃぃ…だよ…なんだよ俺…ああ…。落ち込む俺に構わず画面越しの彼女は喋り始めた。


「上原夕生さんですか?」


上原夕生。かんばるゆう。

彼女が口にしたその名前は間違いなく俺の名前だ。

まあ、同じ学校だし、不登校でも名簿には名前が載っているらしいからそれでも見たんだろう。だが。しかし。

どうして俺の家に来た?

さっさと退学手続きしろって?めんどくせえな。

偏差値最低の高校にだけ入って、一日も行ってない訳だから、退学になって当然だ。でも、手続きをしてないから、退学、と決まっている訳でもない。中途半端である。にしても、こんな美少女が、こんな偏差値最低の馬鹿校にいるなんてなあ…不思議なこともあるもんだな、うんうん。


「聞こえていますか?」


びっくりしたあ。返答してなかったんだった。

俺は急いで喉の調子を整えて通話ボタンを押した。


「あ…えと…は…はいぃ…」


うん、ましかな(笑)

俺のふにゃふにゃ日本語を聞いても顔色一つ変えずに彼女は喋り出す。


「私、上原夕生さんと同じクラスの、神楽真昼と言います。今日は、あなたにお話があってお尋ねしました。」


お話?退学手続きじゃなくて?ん?よくわからん。

ということは、家に入れるのか?

いや、待て待て待て待て。俺はひきこもりだ。ぼさぼさヘアーだ。服装もだらしない。それだけじゃない。俺は男だ。しかも相手は知らない女子高生。

知らない男の家に、知らない女子高生を入れていいものか。

駄目ですね。

部屋は散らかっていない方だとは思うけど、問題はそれ以外にも山積みだ。

仕方ないがここは帰ってもらおう。


「突然押しかけて申し訳ないのですが、よろしければ玄関にてお話をさせていただけないでしょうか?」


何回も言うってことは大事なことなのかな。さっきから5分ぐらい待たせてるし、玄関にだけでも入れた方がいいか…

もうこの際俺はひきこもりらしく、この格好でいいじゃないか。気持ち悪がられようと、俺には関係ないしな。

再び通話ボタンを押す。


「あ…はいぃ…」


頼りないふにゃふにゃ日本語で応答した後、廊下を走る。(走るような距離もないが)少しだけ前髪を整えて、深呼吸をして、人を三回書いて飲み込んで、また深呼吸をして、玄関のドアを開ける。

光がさして眩しい。

目が眩む。


「初めまして。上原夕生さん」


今日は太陽が強く照りつけている。この眩しさは尋常じゃない。でも、それは太陽の所為だけではなかった。

神楽真昼、彼女の後ろからもまた、神々しい光がさしていた。俺がきょとんとしていると、彼女は天使の微笑を見せて、


「私、神楽真昼は本日より、上原夕生、あなたを学校に連れて行く係に任命されました。なので上原さん、制服にお着替えになられてください。」


ニコッ。

俺は反射的にドアを思いっきり閉めた。否、閉めようとした。微笑んだ彼女が閉めようとしたドアを持って閉められないように抵抗していたので。

閉めることができなかったのだが。

微笑みを崩さず、彼女は続けた。


「か弱い美少女を前にドアを閉めようとするなど、礼儀がありませんね。上原さん?」


いや、全然か弱くないんですけど。むしろドアは徐々に開いてるんですけど。非力なひきこもりにこの仕打ちかよ( ^ω^)

力ではどうしようもないことに気づいたので、俺は必死に喋った。


「い、今更…学校…なん…て…!!」

「困ります。来ていただかないと」


俺が無駄な抵抗をした所為か、彼女は微笑みながら、ドアをこじ開ける力を倍ぐらいにしたので、ドアがミシミシと音を立て始めた。やばい。外れる。本気でこのドアこじ開けるつもりだ。やめて。これ以上力を入れられたらまじでぶっ壊れる。留め具がゆるくなってきている。

ドアを壊したら修理を頼まないといけないし、そうなったら金かかるし、修理しに来る人と喋らなきゃいけないし。全てを考慮して。

ドアから手を離した。その瞬間、ドアが、彼女の凄まじい力によってどおおおおおんと開いた。今までで類を見ない程に開いた。そして今までで類を見ない程高速で閉まった。

彼女は既に玄関に居た。


「お話を聞いていただけるようですね」


と、彼女は話を続けた。

俺は汗だくだけどね。彼女は汗一つかいてないけどね。力量の差が半端じゃねえ。


「よし、じゃあもうかたっくるしい敬語は不要だね、うー疲れたあ」


(^ω^ )

キャラかよ。言えよ。なんで敬語だったんだよ。

多少びっくりしていた俺を通り過ぎて、家の中に進、え?

ちょま。

なんで勝手に上がり込んでんだ!?おい待て!その部屋は!!

なんて言えるはずもなく。

彼女は俺の部屋のドアノブに手をかけた。

不定期更新になります▂▅▇█▓▒░('ω')░▒▓█▇▅▂

レアドロこいよおおおお▂▅▇█▓▒░('ω')░▒▓█▇▅▂

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