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小さな栄光  作者: ジュン
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〜 出会い 〜

転機

僕は中学校に入学した



近くに大きな団地などがあり、生徒数が多く

ひと学年で10以上のクラスがあった


僕のクラスの担任の先生は

若い女性の先生で優しそうだった


小学校もまぁまぁ大きかったので、

知ってる顔も多く心配事とかもあまりなかった


また適当で快適な自分勝手な生活が

始まろうとしていた




小学校から中学校へ内申書相当のものが送られる


この事は当時は秘密の事で、後年僕が大人になり

人生の一代イベントの時にそれまで

疎遠だった先生に頼みたいことができ

再会する事が決まった時に母親がふと


あんたは先生には本当にお世話になったんだから

そういえばねこんなことあったんだよ



中学校では、その内申書を元に先生達が新入生の

クラス編成を会議していた

その中で欲しい生徒を選んだり、

受け持ちたくない生徒をはじいたりしていた


もちろん義務教育の中、こんな事は親の耳には

あまり入ってはいけない内容だと思う


そして進級時のクラス替えでさえ、

成績などに左右される事なく

決められた担任のクラスに

割り振られるような生徒がいる


そう、僕だ





僕の内申書はとても見られたものではなかった


まるで恨みでも詰まってるかの如く酷かった


たしかに相当迷惑をかけた小学校の先生に

恨まれるふしは多分にある


自然と会議は優秀な子供を誰が見るか、

落ちこぼれを誰が面倒見るかに焦点が絞られた


その時点で僕はかなりの有名人だ


僕を誰が引き受けるかで難航する会議で、

そのどうしょもない生徒は

私が受け持ちますと言ったのが

僕の一年の担任その人だ






紡ぎ糸は運命の螺旋を重ね合わせる



その先生はこの春に卒業した兄を

受け持っていた先生だった







自分がどうしょもない内容の報告書で

まだ顔を合わせもしていない先生方を

悩ませた事など知らない僕は、

親の言う「あの先生バスケを教えてるから、

バスケ部に入りなさい」という言葉を

深く考えずに承諾した



サッカーへの情熱もそれほどなく、

キツければやめればいいという軽い考えで



そう、その先生はうちの親の大変さを理解し、

兄を送り出したあとに僕を迎え入れた


できの悪い生徒ほど可愛いもの

その可愛い教え子のどうしょもない弟までも

面倒を見るために自分のクラスへ、

そして親が言わなければ無理矢理バスケ部に

入れられたのかもしれない


兄の卒業の時は偶然でも僕の入学では必然だった



すでに恩師だ



当時僕は偶然とも必然とも考えることもなく、

その必然の中やったこともない部活を

始める事になった




僕はバスケ部に入部した






僕は自分の人生を方向付け、

自分の意志で歩く今でさえも

多大な影響を与えている

バスケを僕に教えてくれた

恩師と呼ぶに相応しい人に出会う事ができた



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