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小さな栄光  作者: ジュン
31/59

〜 スクールライフ 〜


何もかもがつまらなかったり


他愛のないことに楽しさを感じたり



大事なものを簡単に壊したり


大切なものを見つけたり



それは青天の霹靂



適当な時間に学校に着き

授業を受けて帰る


週に何回かはそのあとバスケの練習


そして帰る



そんな感じで日々をただ消化していた



この頃も練習に出ると僕にはまだ

別メニューが待っていた


入れる感じなら入りなさいと

言われても自分では判断出来ず


入っては、やはりダメの繰り返し


見学歴は長いが自分で決めて勝手に

練習復帰するのは僕にとって

難しい仕事だった



僕は練習を休みがちになった




放課後の時間が増えた


バスケ以外にこれといった

趣味もない僕には使いきれない

ほどの時間だった



自然と帰宅部のみんなについて行き

暇潰しに加わることが増えていった



多く行ったところは

駅近くのゲームセンター


ゲームをするしないにかかわらず

たむろしていた


自転車通学の僕にとってその駅は

自宅と逆方向にあった



そこは溜まり場と言うのに

相応しいひどい場所だった


もめ事のない日はほとんどなく

学生服と煙草の煙りと暴力だけが

そこにはあった


そんな場所は意外にも居心地がよかった



どこで手に入れたのか


何台かのゲームのカギを僕らは持っていて

たいていの場合僕らはお金を使わずに

ゲームをしていた



バスケットマンの端くれの僕は


煙草は吸わなかった



まぁバイトをしていなかったから

小遣いが足りなかっただけだが




そのゲームセンターには


お金でメダルを借りて、ポーカーや

麻雀、競馬などのゲームで当たると

メダルが増えて、それでまた遊べる

メダルゲームなるものもあった


高額配当を獲得すると祝福の

メロディがゲーム機から流れる


そのメロディが聞こえると僕らは

よくやった、と褒めて手を出した


知り合い、見知らぬ人も関係なく


そして分け前をもらって

またゲームをした


メダルを巻き上げられた少年の

多くはまた懲りもせずに顔を出す


そこでハバをきかせてる僕らに

少しでも取り入ることが

嬉しいのだろう



もちろん僕もたくさんのメダルを

ゲットしたならみんなに還元した




その頃は少し道を間違えていたの

かもしれない


地元では厄介なダメブランドの

学生服が僕の第二の

ユニフォームだった



駅近くに食べ放題のピザ屋があって

たまに食べに行った


昼間の時間帯などは制服姿の

学生が多くいた


人数も多いと次のピザが焼けたとき

少しの行列が出来て順にもらう


僕らはその列に並んばずに

焼きたてのピザを食べることがあった

僕らのユニフォームは

パスポート代わりだった


目当てのピザが焼ければ

最前列まで行き

何も言わずにピザをよそった



いざこざがなかったわけではない


いや、むしろ僕は望んでいたのかもしれない



そんなことをステイタスに

している自分がその頃は

恥ずかしいとは思わなかった


別にカッコ良さをはき違えて

いた訳じゃない


くだらないということは気付いていた


でもこうでもしないと

自分の存在価値を

見い出すことが出来なかった


バスケ部での存在理由を、

期待に答えることにしてしまった僕は


満足出来る結果を出せず

自分を見失ったような気がして

自分の周りの環境すべてに

責任を向けた



もちろんこの頃も

僕の手は人を殴ったりもした



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