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小さな栄光  作者: ジュン
26/59

〜 シューター 〜


その呼ばれた方を羨み


敬意をもち


嫉妬した



下級生も入り順調にチームは育つ



顧問からも一目置かれるナンバー5


憧れの眼差し



僕をその場にとどまらせるには

十分すぎる要因


歩みを滞らせるにも十分だが…



また公式戦を目の前に迎え

チームの育成は続く



しかしまだまだハーフコート

バスケットも出来ないような

オフェンスに


マンツーマンも出来ない

ディフェンス力



先は長い



試合を目前にしてもチームの

成長は芳しくなかった



なんとなく勢い任せの速攻しかない

オフェンスはまだ仕方ないが


ディフェンスが一つ覚えの

2-1-2ゾーンしかできない


技術も体力もない苦渋の決断


マンツーマンも出来ないで

ゾーンが組めるか!


なんて意見は重々承知だ




久しぶりの公式戦


チームの完成度は言うまでもない



とにかく当たって砕けろだ



僕らの作戦は


とりあえずがんばって

ボールを持てば速攻を狙う


止まれば出来るだけリングに近い

とこでシュートをしていこう


ディフェンスは2-1-2ゾーンで

リバウンドを頑張ろう


これくらいが精一杯だが

何もないよりはマシだ




相手チームに高さは無く

アップを見る限りではとくに

目立った選手もいなかった



勝つという事を知らない僕らは

勝つぞ!

と、気合いを入れて挑んでも


どうすれば勝てるのか

知らないままに


なんとなくでビジョンすらない



それでも僕は淡い期待を抱いていた




そんな僕の期待は呆気なく壊れる




相手チームは僕の予想通り

高さもなく速さもなかった


こちらよりは戦術的能力が

僅かながら高かった


が、大きな差ではなく

なんとかなりそうなレベルだった




レベルの低いチーム同士の戦い



そのチーム力に差を着けたのは


ひとりのピュアシューターだった




シューターは僕らの覚束ない

ゾーンの外からミドルと

ロングシュートを連発してきた



とても素晴らしいシューターと

言えるほどのプレーヤーではないが


でも計画性の低いボール回しにすら

着いていけず穴ができ


相手の攻撃体勢を読めずに

振られまくりの僕らのゾーンは

無防備なサンドバッグだった



ハーフ制のゲーム


数回のタイムアウトや選手交代での

修正はチームとしての準備が

極端に少ないうちのチームでは


不可能に近かった



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