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小さな栄光  作者: ジュン
23/59

〜 悪の巣窟 〜


気が付くとそこは


まるでブラウン管の中


夏休み



僕は急激な環境の変化に

天狗になり、バスケへの

情熱も薄れていた



僕は家庭の事情と嘘をつき

夏休みの練習をほとんど休んだ




夏休みも終わり新学期が始まる



練習は休みの日なのに

バスケ部全員に集合がかかった



学校近くの公園


全員が集まるとこんなにいたのか、

と思うくらい大勢の部員が集まった



キャプテンが話すには、

夏休みの練習の参加率が悪すぎる


ということだった



とても良い指摘だとは思ったが、部の状況や

自分ら先輩たちの取り組みかたからいって


わざわざ集合してまで言うことかな



もっと真面目に練習したり、

それなりの目標があればわかるけど



第一これだけの人数がいて、

顔は知ってるけど体育館で見たこと

ないやつもいる



そんな部活で何が集合なのかな




そんな複雑な心境の僕など

気にもせずに話は進む




こんな事じゃいけない


とか



気合い入れて行くぞ


とか




気に入らないなら辞めてもいいとも


そう言われて帰るやつもいないし、

そんな雰囲気じゃない




そして予想していた

イベントが始まった


先輩方が

並んでいる部員達を

端っこからぶっ飛ばしていく



気合いを入れるイベントだ



そしてお約束の台詞


やりたくてやるんじゃない


他の先輩が言う


他はこんなもんじゃ済まない

お前らは恵まれている





僕はどうでもよかった


結束深まるチームであれば

それもいいがそうでもない


これはただの出来の悪い学校のイベントだ




僕は目立たないし、おとなしい


でも歩んできた道は疑問に満ち

安息より反発を産み出す日々だった



どこにぶつけていいかも

わからない憤りを抱える日々


僕の日常は葛藤や

不安との戦いだった


見せかけの安定を嘆く

もの達に囲まれていた




少し慣れていたのかもしれない



僕が気付いたとき


ここは日常からこぼれ落ちた

もの達の溜まり場だった




僕は思った


同じ中学に通い、同じ

バスケ部でがんばってきたならば


どんなに不安でも、自分の歩く道に

光を見い出せたはず



こんなことしなくても、

きっと繋がっていれた



もちろんみんながバスケに

燃えて頑張ったかはわからない


でもきっと違った道が

見えていたかもしれない




僕はここで足掻いている人達を

他人とは思えなかった




試合のこと


練習のこと


絶望という言葉が

似合うかもしれない…



…グッドプレーヤーならば





僕はちょっと天狗になっていたのかな


そこがはきだめの底辺ならば



ここはまぎれもなく、僕の居場所のはずだ



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