〜 球技大会 〜
バスケ部員の誇りをかけて
中学最後の球技大会は電車に乗って
区の体育館まで出向いて行われた
歴史ある大きな体育館で、
成人式からプロレスまで
いろんなイベントをする場所だ
その年の種目のひとつに
バスケットボールがあった
僕のクラスには、三年の始めに転校してきて
瞬く間に僕らバスケ部の層の薄くなった
インサイドのレギュラーを獲得した
オールラウンダーでもあるセンターがいる
8クラスもある学校で、
部員が二人もいるクラスは少ない
ひとクラスを3チームに分けて
三回戦し、合計得点で勝敗を決める
変則的なルール
一人が複数のチームでは出れない
必然的に部員をどの順番に入れるかが問題になる
一回戦の相手のクラスは
バスケ部のキャプテンがいる
そのキャプテンが俺は背の高い野球部のやつと
一緒に三組目に出るぞと宣言していた
確かに普通に考えれば終盤に
試合が決まる方が楽しい
勝つにはどうしたら…
僕はキャプテンとぶつかるよりも一組目での
スタートダッシュを提案した
僕はレギュラーのセンターと
一緒に序盤の勝負を挑んだ
せっかくレギュラーセンターと一緒に
一組目に出てはみたが、僕にレギュラーの
バスケは染みついてはいなかった
というより、ほとんど一緒にプレーを
したことがない
なかなかセンターを活かせずに、
そして未経験のチームメイトのミスを
減らすことも出来ない
それでも引退してからの成長や練習で、
僕は一応ではあるが部員とそうではない人との
違いができてきたみたいだ
立て続けに決めた連続スリーポイントは
片手で打ったものだった
試合は終盤にキャプテン組に逆転を許し
敗退したが、僕のスリーを喜んだのは
クラスの人達でなく
やはり他のクラスのバスケ部員だった
「もっと打てば良かったのに」
僕は返した
おかげでインサイドが空いたから
パスを入れる事に専念したんだ
ほんとのところは
連続スリーできつくなったマークに
シュートはおろか何も出来なかった
僕は昔も今もひねくれものだ