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馴染みある景色

作者: 網笠せい

 ふと目が覚めると、西宮北口駅の辺りだった。

 私は電車に揺られている。梅田から阪急電鉄神戸線に乗って、三宮駅に向かっていた。

 車窓の向こうには洗練された印象のショッピングモールがある。たしか、西宮ガーデンズと言ったか。阪急西宮スタジアムのあった辺りだ。

 以前は繁華街のようなごみごみとした一角だったのに、今ではすっかりイルミネーションの似合う街並みになった。

 西宮北口駅に到着するとたくさんの人が電車から降り、多くの人が乗り込んできた。

 上品な小豆色の車体が見える。駅のホームは普通列車や特急に乗り換える人々が行き来して、混雑している。

 発車ベルが鳴って、電車が揺れた。イルミネーションの似合う街並みがだんだん遠のいていく。

 ふくらはぎの裏が少し暑かった。暖房が効いている。私はほんの少し足の位置をずらした。すっかり座席で眠りこけていた。

 次の駅で停車すると、大きな川が窓の向こうに見えた。夙川だ。冬はひんやりと底冷えする景色に見えるけれど、春になれば満開の桜が咲く。

 電車が動き出すと、車窓を区切る電線がしなるように上下する。住宅地に差し掛かった。

 一階が駐車場になっているタイプの戸建てがいくつか並んでいる。私はまだわずかに眠気の残る目をこすって、窓の向こうの景色をながめた。

 岡本駅で停まったあと、電車は高架線路を走り出す。神戸三宮に到着した。

 ゆっくりと立ち上がって、駅構内を歩く。改札を出た先は少し複雑になっていて、あまり電車に乗らない私はいつも戸惑う。少し歩くと、パンを焼くいい香りがしてきた。

 寒空の下に出て、私はぶるりと身震いをした。冬用のコートを着てきたけれど、ひんやりとした空気が染み込んでくる。


 ──そういえば、この辺りの高架下に靴屋さんがあったな。


 そっと目を伏せて、一度足を止める。

 冬の空気はどこか澄んでいる。私は大きく息を吸うと、三宮の街を歩き出した。

・参考資料

阪急電鉄 / Wikipedia

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