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転生したら悪役令嬢になって断罪されそうになっても、魔法が最強すぎて王子様に面白い女認定される!  作者: 雪見クレープ
第1部 転生したら悪役令嬢になって断罪されそうになっても、魔法が最強すぎて王子様に面白い女認定される!
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第18話 物語中盤だけど、隠しボスがいるダンジョンに突入しちゃおう

(ここは、私がゲームで攻略したダンジョンだ……)


 もちろん、みんなには言わないけれど。私はゲームの知識を生かして、この遺跡を慎重に進んでいく。


「中は危険な仕掛けや魔物が潜んでいるかもしれない。気を引き締めていこう」


 カイル様が私たちに指示を出し、5人で遺跡の入り口へと足を踏み入れた。


 古代遺跡の中は薄暗く、ひんやりとした空気が漂っている。モフリが周囲を照らしながら、私は前を進んでいった。石造りの壁には古代文字が彫られていて、魔法の力で封印されている場所がいくつもある。


「これは……どういった封印だろうか」


 エリオット先生が壁に刻まれた文字を読み取ろうとしていた。


 ――あ、これゲームで見たことある! ここにはたしか、罠が仕掛けられているはず……!


「エリオット先生、気をつけてください! その文字は……封印を解くと、罠が発動するタイプかもしれません」


 私は急いでエリオット先生を止めた。ゲームでプレイしていた時、うっかり触れてしまうと罠が発動してパーティ全員がダメージを受けるシーンがあったのを思い出す。エリオット先生は少し驚いたように私を見つめた。


「なるほど……封印に触れない方が良さそうですね。リリアナ様、助かりました」

「いえ、なんとなく……嫌な予感がしただけです」


 私は少し照れくさそうに答えた。――いやいや、実際は全部ゲームの知識なんだけど!


「おい、そんなに難しく考えなくても、俺が突っ込めば大体なんとかなるだろ?」


 シモンが笑いながら大剣を肩に担いで、堂々と前に進もうとしている。


「シモン、あまり無茶を言うな。俺たちはチームなんだから、慎重に進まなければ」


 カイル様が冷静に言う。シモンは肩をすくめて笑ったけれど、その言葉に納得したのか、大人しく後ろについてくれた。――うん、シモンの頼りになるところもいいけど、ここは無茶をしないでほしいよね。


「リリアナ、先導をお願いします。あなたの魔力が頼りですもの」


 クラリスも私に優しく声をかけてくれる。彼女の冷静な判断力と、私を信じてくれるその姿勢はうれしい。けど、ここの隠しボスと戦えるほど魔法力が成長していないのが若干の不安。


「うん、私もみんなを守りたいから、がんばるね」


 私はモフリに魔力を送りながら、遺跡の奥へと進んでいく。


 遺跡をしばらく進んでいると、突然、天井が低くなり、狭い通路へと繋がっていた。石造りの壁の両脇には、魔力を感じさせる古い装置が並んでいる。


(この場所、たしか……!)


 私はすぐに記憶を辿った。ここはゲームの中でも出てきた場所だ。この遺跡には複数の仕掛けがあるエリアで、敵の魔物が出現するポイントもいくつかあったはず。


「気をつけて。前方には強力な魔物がいるかもしれません」


 私は慎重に助言した。もちろん、これもゲームの知識からだけど、私の予想通り、道の奥から不気味な音が聞こえてきた。


 ガゴガゴガゴ……!


「何か来るぞ!」


 カイル様が剣を構えて警戒する。その瞬間、暗闇の中から巨大な石像のような魔物が現れた。――出た! ゲームで見た「ストーンガーディアン」だ!


「これは……遺跡を守る魔物か。リリアナ、君の魔法で奴を弱らせてくれ! 僕が切り込む!」


 カイル様が冷静に指示を出し、私はすぐにモフリに魔力を注ぎ込んだ。物理防御が高い魔物だけど、魔法は有効だったはず――。


「モフリ、いけぇぇぇ!」


 モフリは炎を纏って突進し、ストーンガーディアンに飛びかかった。炎が石の表面を焼きつけ、魔物は苦しそうに動きを鈍らせる。


「行くぞ、シモン!」

「はいよ、お任せだ!」


 カイル様とシモンが豪快に剣を振り下ろし、エリオット先生が魔法で援護する。二人の攻撃が同時に命中し、ストーンガーディアンは一気に崩れ落ちた。


「やった……! 倒せた!」


 私はほっと息をつき、モフリを撫でながら笑顔がこぼれる。


「ふぅ、さすがだな。リリアナ、君の魔法がなければもっと苦戦していただろう」


 カイル様が微笑みながら私に声をかける。――褒められるのは嬉しいけど、みんなに経験を積んでもらうために、私、ちょっと手を抜いてるんだよね、そこはごめんなさい。


「い、いえ、皆さんのおかげです……!」


 私はなるべく考えが顔に出ないように答えた。


「おいおい、もっと自信持てよ。リリアナがいなかったら、俺らの剣も効かないぜ」


 シモンがにやりと笑いながら言う。私、うまくサポート役は出来てるみたい。


「リリアナ、さすがです! ですが、皆さん、まだ遺跡の奥には何かが潜んでいるようです。気を緩めずに進みましょう」


 クラリスが冷静に警告してくれる。彼女の言葉に背中を押されるように、私は気を引き締め直した。


「うん、みんな、気をつけて進もう」


 そう、古代遺跡の中でもここはまだ中盤。もっと奥に進めば、さらに強力な敵が待ち構えているはずだ。


 遺跡の奥へ進むにつれて、空気がますます重くなっていった。石の床には古代の魔法陣が描かれていて、強い魔力が周囲に漂っている。


「これは……魔力の濃度が増しているな」


 エリオット先生が少し驚いたように言う。彼もこの異常な魔力の流れに気づいているようだ。


 ――ここだ。たしか、ゲームではこの先に……。


「みんな、気をつけてください。この先に……何か、大きな力を感じます」


 私は警告しながら、内心でドキドキしていた。ゲームの通りなら、この先には……。まだ口には出せないけど、隠しボスがいる。


「分かった、君を信じるよ。気を抜かずに進もう」


 カイル様が真剣な顔で構え、私たちは遺跡の最奥部へと足を進めた。


 ――この先は、ゲームではここで激しい戦闘があったけど、現実ではどうなるんだろう……。なにがあってもみんなを守らなきゃ……!

読んでいただきありがとうございます!


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今後ともよろしくお願いします。

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