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22.弱点の探し方


 俺は≪状態分析≫を活用して、新たな検証を行うためにダンジョンに繰り出した。


 検証の内容は、各モンスターに“弱点”が存在するかを確認することだ。

 昇級試験では、ライフバリアの弱点を突くことで格上のグリムドールを倒すことができた。もし、他モンスターでも同じことができるなら、これからずっと効率的にモンスターを倒すことが可能になる。

 今回≪状態分析≫がレベルアップして、ダメージ量を図りやすくなったので、その検証がかなりやりやすくなった。

 

 迷宮を進んでいくと、すぐにモンスターと遭遇する。二足歩行するトカゲのモンスター、リザードマンだ。


「≪状態分析≫」


 俺がスキルを使うと、リザードマンの上に「100/100」という数値が現れた。


 このリザードマンはレベル2の≪ライフバリア≫を習得しているようだ。


 リザードマンは勢いよく斬りかかってくるが、俺はそれを軽くいなして、カウンターの斬撃を食らわせる。


「ッ!?」


 リザードマンの腕を切り裂くと、その場所に5という数字がポップしてすぐに消えた。見ると、リザードマンの頭上のBPは5減少している。

 

 やっぱり≪魔眼≫の力は便利だ。対グリムドール戦では、いちいちステータス画面を開かなければどれだけダメージを与えたかわからなかったが、今は瞬時にそれがわかる。


「はッ!」


 今度は返す刀で、今度は胸を斬る。 

 やはり与えたダメージ量は5。


 と、リザードマンが反撃しようと振りかぶってきたが、俺はそれを受け流して、背中に回り込む。


「こっちはどうだ?」


 背中を斬りつけると、今度は10という数字が浮かんでくる。

 今までの倍。


 ここが弱点っぽい……!


 仮説を検証するため、さらに同じ個所に斬撃を放つ。

 今度もやはり10ポイントのダメージを与えることができた。


 やっぱりだ!!


 ≪ライフバリア≫は全身を守ってくれる。頭を斬ろうが、心臓を突こうが、BPが残っている限り、どこを斬ろうがダメージ量は一定だ。

 だが、どこかにある≪ライフバリア≫の“弱点”を叩けばより多くのダメージを与えることができる。つまり弱点が分かれば「常にクリティカルヒットを出す」ことも可能になるのだ。


「グァアッ!」


 俺は新たな発見を前に一人ワクワクしていたが、それを遮るように、先ほどからやられっぱなしのリザードマンが苛立ちのうなり声をあげた。


「悪い、お前はもういいわ」


 目の前のこいつは既にどこが弱点がわかったので、これ以上のろのろ戦う必要はない。


「≪ダブルスラント≫!」


 俺の最上級スキルを弱点である背中に打ち込む。


「ギィ――ッ!!」


 断末魔を上げ、リザードマンは地面に倒れこんだ。


「さて……」


 とりあえず目の前のリザードマンには“弱点”があることがわかった。

 次の問題は、この全ての個体に共通して弱点があるのか。

 もしそうなら、個体ごとで同じ場所に弱点があるのか。

 このあたりを検証していこう。


 † 


 それから俺はダンジョンで様々なモンスターと戦いながら、それぞれの個体で弱点があるのか、あるならそれはどこにあるのかを調べていった。


 その結果、いくつかのことがわかった。

 

 まず、どのモンスターでも基本的には“弱点”があるということだ。20種類ほどのモンスターと戦って確認したので、おそらく例外はあまりないだろう。


 ただし、その弱点の場所は個体ごとに違うということもわかった。例え、同じリザードマンでも、弱点の場所はバラバラで、戦う前からその場所はわからない。

 

 つまり効率よくモンスターを倒すためには、早い段階で相手の弱点を探る方法を見つけないといけないということだ。

 

「なら……やっぱりこのスキルが必要だな」


 俺は習得可能なスキルの一覧の中から、あるスキルを選び、スキルポイントを注ぎ込む。


------------------------------


スキルポイント2を≪アイスニードル・レイン≫に割り振りました。


保有SPスキルポイント:2


◇保有スキル一覧


技能分析Lv 3

状態分析Lv 3

ライフバリアLv 1

剣士の誇りLv 3

シャープラッシュLv 1

マジックアローLv 1

アイスアローLv 1

アイスニードル・レイン Lv 1 ← New!

狩人の捌きLv 1

ダブルスラントLv 3


------------------------------


 ≪アイスニードル・レイン≫は、まさに相手の弱点を探すのにピッタリの技だ。

 一度の発動で、20本以上の細い矢を相手に広範囲に放つことができる。これで相手の体中を少しずつ攻撃することで、どこが弱点なのかを効率よく探ることができるというわけだ。

 これですぐに相手の弱点を探すことができるようになったはずだ。



「よし、明日からどんどん格上の相手を倒しまくるぞ!!」



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