表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

プロローグ : 天国行きのバス亭で

モヤモヤ



モヤモヤ



モヤモヤ



モヤ



「あーっ!なんなんだよこの霧は!ちっとも前が見えねぇじゃねぇか!こんな所に本当にあんのか」



俺は文句を言いながら霧につつまれた方向に目を凝らす。ぬぬぬ、すると5mほど先に、縦に細長くて上に丸が乗っているものが見えてきた。



「お、あれじゃないか」



近寄ってみると目的の物体、体は縦に細長くて12 10 だとか数字が書いてある、そして頭には丸が乗っていて、名前が書いてある。丸にはこう書いてあった「地上乗り場」



そうバス停がそこにはあった。








~~~~~~‡天国行きのバス‡~~~~~~









え~っとどれどれ、次のバスの時間は、と。んー、まだ時間があるな、かといって携帯は圏外だし(当たり前か)暇つぶしできるものもないし、どうしようかな。とりあえずベンチに座るか。



「よっこらせ」



オッサンくせー、と自分で思いながらもベンチに腰をかける。すると既に先客がいることにきづいた。



30代後半くらいのスーツ姿のおじさん。背筋はピッと伸びていてとても姿勢がよく、オールバックの髪型がより精悍な雰囲気をかもしだしている。いかにも仕事ができそうな人だ。



「おじさんもバス待ってるんですか?」



普段の自分なら考えられないことだが、場の雰囲気に当てられたのか、お互い死んでいる、いわゆる死に友(?)っていう共感からから話しかけてみることにした。



 おじさんはこちらを一瞥して返事をしてくれる。



「そうだよ。もう随分待ってるんだけどね。タイミングが悪かったみたいなんだ」



「ふーん。よかったら少し話しませんか?あ、自己紹介が遅れましたけど俺、春原すのはら 大介だいすけって言います。」



「よろしく頼むよ、春原君。僕も少し待ち飽きたところなんだ。僕の名前は香川かがわ 文人ふみとだよ。」



「香川さんですね。わかりました。死に友としてよろしくお願いします」



「し、死に友?」



「そうです!もはや俺達は文字通り肉体を超えた関係なワケです!」



親指をビシッとガ上げて香川さんに向かって腕を掲げる。ついでにキラッと歯を光らせる。そう、やっぱ楽しくやらなくちゃね。いきなりのユーモアの利いたギャグで場を和まそうって算段さ。



だが困ったことに腕を掲げた先の香川さんはポカーンとしている。し、しまったいきなり滑ったか?!ジェネレーションギャップなのか?!それとも半ば下ネタなのがいけなかったか?!しかしこの世に下ネタが嫌いな男などいるはずがないだろう?!



 あまりに空気が静まり返ったので焦りだす。心の中でなんとか場をなごませようと、ギャグを考える。いけー!でろー!俺の22年のギャグの結晶よ!!と、頭をフル回転させていると、ポカーンとした表情だった香川さんはいきなり大きな声で笑い出した。



「あはははははは、そうだね。春原君ありがとう。君は面白い人だな。」



よ、よかったぁぁぁ。話しかけたもののつめたい雰囲気の中、会話が弾まないなんてことになったら会話がないほうがましだからな。結果オーライ!やはり下ネタは全世界の男共通のギャグだった。



「でしょー、もっとほめてくれていいですよ。まぁ、もう死んじまってこれ以上落ちようがないんですし、明るくいきましょう。」



「そ、そうだね」



香川さんは涙目で、まだプスプス笑っている。何かがツボに入ったようだ。



さぁて、そして息つく暇もなく新たな問題が浮上してくる。場が和んだのはいいものの、困ったことに

これといって話題がない。後先考えず話しかけたが、俺と香川さんの間で共通しそうな話題なぞ皆目検討もつかん。


政治?経済?ダメだ俺がまったくわからん、小○元総理がマージャンに強いことくらいしかわからん。今、確かナチスと打ってるんだよな。イカンイカン脱線した。とにかく何かないか。


そうやって俺が再びうなっていると。香川さんから話しかけてきた。



「君はどうしてここへ来たんだい?」



おお、そうだ!それだ!思わず感心した。そう、ここに居るということは皆、何かあって死んだということ。それつまり共通の話題に違いない!なんかズレてる気がするがそうだろう!流石、香川さん。大人の貫禄だぜ。



「ごめん。変なことを聞いてしまったね。」



感動して少し間を持たせてしまったのが誤解され気を使われる。俺はぶんぶんと手を振り慌ててフォローにはいる。



「いや!そんな事ないですよ。ただ、自分でも絞まらないなーって思う話で。それでもいいですか?」



「もちろん。なんだかここの雰囲気のせいか、そんな事が気になってね。」



確かに、この霧に包まれた空気は周りの情報が入ってこないせいか、否が応でも自分の状態のことを考えさせられる。そんな中に人が居ればこんな質問もしたくなるだろう。



「本当に絞まらない話なんですけどね…」



そういって頬をポリポリかきながら、話を始める俺であった。



初めまして。ねぎかぼちゃと申します。


初めての小説投稿で非常にドキドキしています。つたない文章ですが、大事な処女作なのでお付き合いいただけると幸いです。


ご感想、批評(厳しめ)、いつでもお待ちしております!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ