元魔王様と異世界の料理 4
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シキの選んだ鍋にリュカが油を注いでいくが、一度でそれなりの量を使う事に驚いていた。
当然使用する油の代金は後で払うと言っておく。
初めての調理法に少し緊張している様だが、シキがリュカの肩に乗りながら只々注意事項や指示を述べているので問題無いだろう。
「芋はここにある物を使う?」
「使った分の金は油と同じく払うからそれで頼む。」
使った分の金さえ払ってもらえればリュカも文句は無い。
「芋はしっかり水気を取ってほしいのです。」
「分かったわ。」
リュカが慣れた手付きで芋を洗い、水気を取ってから皮を剥いていく。
接客が殆どと言っても料理に関する基本的な事は手慣れている様だ。
「そしたら細く切ってほしいのです。」
リュカはシキの指示に従って、芋を二等分四等分と均一に細く切っていく。
「これくらいでどう?」
「もっとなのです。」
リュカが見せてきたのはそれなりに細く切られているが、フライドポテト用と考えるとまだ太い。
「もっと?こんなに芋を細く切った事無いから少し新鮮ね。」
芋を使う料理となると、スープの具材としてゴロッと大きめに切るか、蒸かし芋として殆どそのまま出す事が多く、細く切る機会が無い。
なのでサラダに使う野菜の様に細く切るとは思っていなかった。
「そしたら油に投入なのです。」
シキの言われた通りに細く切った芋を油の中に沈めていく。
少しすると中の芋が香ばしい色へと変化してきた。
「何か串とかないです?刺して揚げ具合を測りたいのです。」
「分かったわ。特に抵抗感無く刺さるわね。」
料理で使う串を使って言われた通りに芋に刺してみると串はスルッと芋に刺さった。
「だったら取り出して大丈夫なのです。」
香ばしい色へと変化した芋を油の中から取り出していく。
後で食べた時に油でギトギトにならない様に、油はしっかりと落とす。
「後はどうするの?」
油で揚げられた芋を前にリュカが尋ねる。
「味を付けたら終了なのです。」
「ほぉ、随分とシンプルなんだな。」
「え?もう終わりなの?揚げる料理ってシンプルなのね。」
リュカはこの後も何か工程があると思っていたのだろう。
こんなに早く料理が終わって驚いている。
「味付けは塩だったか?」
「そうなのです。リュカ、塩を上からまぶしてほしいのです。」
味付けとして塩をまぶせば、フライドポテトは完成だ。
シキとしては他にもケチャップやマヨネーズと言った調味料も欲しいと考えたが、この世界で生きてきて聞いた事が無い調味料だったので今回は我慢する。
追々そう言った物も作っていこうと密かに考えてはいた。
「え?塩?」
味付けとして塩を要求すると、何故かリュカは戸惑った様子になる。
「ん?切らしてるのか?」
その反応から女将が代わってくれた買い出しの中に塩も含まれていたのかと考える。
「そう言う訳じゃ無いけど、塩か〜。」
どうやら塩は切らしている訳では無さそうだ。
厨房にあるのだが何かに躊躇っている様子のリュカ。
ジルとシキは何に迷っているのか分からず首を傾げる。
「何を悩んでいるのです?」
「塩ってそれなりに高価だからさ、お母さんに一応聞いてみないと。」
リュカは勝手に使う事を躊躇っていたのだ。
理由は塩がそれなりに高価だからである。
調味料の中でも塩は比較的に安い部類だが、それでも簡単に手を出しづらいと思うくらいには値段が高い。
「あっ、うっかりしてたのです。」
「そう言われるとそうか。」
海に面した街であれば塩も安く手に入るのだが、セダンの街近辺は海に面していない。
遠くから運んでくるしかない物資程、輸送の大変さから値段は上がってしまうのだ。
「これ全体に掛かるとなるとそれなりに使うのよね?」
「そうなるのです。」
目の前には皿一杯に盛り付けられたフライドポテトがある。
全体に味を付けるとなると、高価な塩をそれなりに使用する事となってしまうだろう。
「まあ、取り敢えず塩を掛けてみてくれ。使った分は我が後で買ってこよう。」
高価とは言ってもジルの財力ならば購入は可能だ。
せっかく味付け前まで完成したのに、女将がくるまで待っていては冷めてしまう。
「まあ、それなら大丈夫かな。こんな感じ?」
ジルが買ってくれるならばと、リュカは塩が入った小さな壺を持ってきて指で摘んでパラパラと上からまぶしていく。
揚げたての芋に塩が付着した事により、芋がキラキラと光っているかの様である。
「完成なのです!早速食べてみるのです!」
正に本で見た通りの出来栄えとなったフライドポテトを前に、シキは待ち切れないと言った様子で言う。
「そうするか。リュカも遠慮しなくていいぞ。」
「やった!さすがジルさん!」
リュカが自分の休憩時間を使ってでも積極的に手伝う理由がこれだ。
ジルは作ってくれたお礼として、リュカにも分けてくれるのである。
初めて見る料理なので当然リュカも食べてみたいと思った。
ジルとリュカはフライドポテトを持つと一口でパクリと食べ、シキは皿の近くに降りて両手で持ち上げながら、小さな口で豪快にかぶりついた。
「美味い!」
「美味しいのです!」
異世界料理の再現は文句無しで、自然と口から言葉が出てくるくらい大満足の美味しさだった。
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