元魔王様と一流の鍛治師 4
評価やブックマーク等、して頂ければして頂ければして頂ければ〜!!!!!
それ程ジルの持っていたミスリル鉱石は、ダナンにとって珍しい物なのである。
「他にもスキルに収納してあるが、どれくらい買い取れる?」
ジルとしては多く買い取ってもらえるに越した事は無い。
邪魔な石ころ感覚で収納していた物が大金を生み出してくれて、前世の自分に感謝である。
「わしが買い取れるのは、せいぜい数個と言ったところだ。とてもこんな鉱石を大量に買える手持ちは無い。」
元々ダナンはミラが持っていた一つだけしか無いと思っていた。
なので完全に予想外の在庫数である。
「ちなみになんで買い取りたいんだ?」
「鍛治師ならば誰でも良い素材を試したいと思うだろう。それは長年生きてきたわしも同じだ。」
エルダードワーフは始祖の血を色濃く受け継ぐ純血種なので、通常のドワーフよりも長生きである。
そんなダナンでもこれ程の鉱石に出会える機会はそうそう無いので、この機会を逃したく無いと言う気持ちだった。
「今までこれくらいのミスリル鉱石は見た事が無いのです?」
昔の魔国フュデスであれば、それこそ道端の石ころの様に大量に取れた筈だ。
今は魔王がいなくなったので取れる数は激減したが、昔は大量に取れたのでその分出回っていた筈である。
「無いな。わしが長年国に篭っていたからかもしれんがな。他の国で取れたのなら、わしの国まで流れない可能性もある。」
ドワーフの住む国は元々鉱山資源が豊富な国である。
多種多様な鉱石が取れる鉱山が沢山あり、わざわざ他の国から取り寄せる必要が無いのだ。
まさかそんな自国をも上回る鉱石が取れる国があるとは誰も思うまい。
「ふむ、我のもう二つの目的の為にも取り引きはしたいところだ。その為に鍛治の腕でドワーフを疑うつもりは無いが、何か自分で打った物は持っているか?」
相手は普通のドワーフでは無くエルダードワーフだ。
腕が良いのは前提として、どれくらいの代物なのか最初に確認しておきたい。
「ナイフならあるぞ。」
そう言ってご信用のナイフなのか、懐から出して見せてくれる。
鉄製だが業物と言って間違い無い代物だ。
万能鑑定でも確認したので間違い無いだろう。
鑑定持ちのミラも小さく息を飲んでいる様だし、密かに使って確認したのだろう。
さすがはエルダードワーフ作の武器、その辺の物とは格が違う。
「充分だ。我も是非取り引きさせてもらいたい。」
ダナンの腕前は疑う必要も無いくらい素晴らしい。
安心して頼み事を出来るというものだ。
「もう二つの目的とはなんだ?」
「一つはミスリル鉱石を使って武器を打ってほしい。」
前に異世界通販のスキルを使って、勇者の話していた異国の武器である刀を取り寄せた。
使い心地も良くて気に入っていたのだが、戦闘中にジルの魔法に耐えられずに折れてしまった。
腕の良い職人に出会える機会があれば武器製作を頼もうとずっと考えていた。
魔王時代に作った武具は性能が高過ぎて普段使いは難しいので、性能の良い一般的な武具を作ってほしいのである。
「え、エルダードワーフに武器の依頼をするなんて…。」
「そんなの国家規模の出来事なのです。」
ジルの発言を聞いたミラとシキが、恐れ多いと言った様子で身を寄せ合いながら呟いている。
この二人はその頼みの凄さを理解しているのだ。
ジルは知らない事だが、エルダードワーフへの注文となると、王族、貴族のトップクラス、世界にも名を轟かせる猛者達と言ったレベルの者達がする事なのだ。
そんな簡単に受けてもらえる事では無い。
「本来ならこんな形では受けんのだが、それは小僧の条件次第だな。」
ダナンもさすがに断るだろうとミラとシキは思っていたのだが、不敵に笑いながら条件次第と言い返してきた。
これはかなり異常な出来事であり、ミラとシキは驚愕である。
「報酬はこのミスリル鉱石だ。」
そう言ってジルは机の上に置かれたミスリル鉱石を指差す。
おそらくダナンも一個や二個では無く、纏まった数で欲しい筈だ。
「分かってるじゃないか、報酬としては充分だ。あとは小僧の実力だな。わしが打つのは部屋に飾る装飾品では無く、戦いに使う武器だ。実力の無い奴に作るつもりは無い。」
これはダナンの信念なのである。
自分の作った武器が使われずに、飾られるだけの装飾品で終わるなんて許せない。
なので例え王座や貴族に依頼されても、使う相手が気に食わなければ仕事を受ける事は無い。
エルダードワーフは客を選ぶ仕事人なのである。
「どうやって証明すればいいんだ?」
ジルとしては実力を見せて、納得して良い物を作ってもらいたいので、ダナンが何を言ってきても文句は無い。
「今から移動して実力を見せてもらってもいいが、わしも早くミスリル鉱石に取り掛かりたい。そこで確かな情報を持っている者に聞くとしよう。」
そう言ってダナンはミラの方を見る。
今から演習場に移動して誰かとの模擬戦を見る時間すら惜しい。
一刻も早くミスリルを持ち帰って加工したいと言った様子だ。
依頼を受けた冒険者についてならば、本人達を除けば一番詳しいのは受付嬢だ。
冒険者の成果や依頼達成率を把握しており、確かな実力を知っているだろう。
「え、私ですか?」
急に注目を集めたミラが自分を指差しながら、驚いた様に聞き返した。
閲覧ありがとうございました!
定期的に投稿していこうと考えているので、お暇なときにでもご覧になって頂ければ嬉しいです!!!




