元魔王様とシキの従魔 3
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様々な種類のスライムが羅列されている欄の一つにシキが選んだスライムの情報が書かれていた。
「無限に進化するスライムか。」
名前はエボリューションスライムと言って進化するスライムと言う意味だ。
魔物を吸収させれば自身の力へと変え、無限に進化して強くなるそうだ。
「これならば値段もお手頃で、後に強力な護衛になる筈なのです。」
際限無く進化し続けるとすれば、スライムと言えどジルを超える可能性も秘めている。
「ふむ、スライムの中では少し高い程度か。名前のわりに安い理由はなんだ?」
説明文を詳しく見てみると、初期段階が信じられないくらい弱いらしい。
それこそ普通のスライムにも劣る程の弱さだ。
死んでしまえば当然それで終わりなので、初期段階から死にやすいエボリューションスライムの値段は安く設定されている様だ。
「成る程、スライムだけで育て様としても序盤にかなり苦労すると言う事か。」
一定の強さを得るまではテイマーがエボリューションスライムを守りながら魔物を与える必要がありそうだ。
「でもジル様がいれば問題無さそうなのです。」
シキに戦闘能力が無いので自動的にジルが魔物狩りをする事になるが、その程度の事は問題無い。
「説明を見ている限りではそうだな。このスライムにするか。」
「はいなのです!」
見た目も載っているのだが、一見すれば普通のスライムにしか見えないので、特殊なスライムだと見破れる者はいないだろう。
「魔物は購入者に絶対服従となる。シキが購入してくれ。」
「ジル様に従わなくていいのです?」
シキの主人は昔からジルである。
周りもそう言う者ばかりだったので、主人の選択が可能であるなら従魔であろうと自分が主人でいいのかと思った。
「仲間ならある程度は融通が利くんじゃないか?それにシキに従っていた方が、手足の様に使えて便利だろう?」
シキは手乗りサイズの小さな身体なので日常生活でも不便な部分は多い筈だ。
スライムはある程度身体を自由に変化させたり出来る魔物なので、何かと役に立つかもしれない。
「ジル様、ありがとうなのです!」
シキはお礼を言って購入する。
すると目の前にシキより少し大きいサイズのスライムが現れた。
プルプルと揺れており敵意は全く感じない。
「実に弱そうなスライムだな。」
「確かに育てるのは難しそうなのです。」
二人は見た感想を素直に述べる。
スライムの中でも更に最弱と言っても、魔物である事には変わりない。
しかし目の前のスライムは魔物らしさをまるで感じさせない。
巨大な水滴がプルプル揺れているだけかの様である。
一応本当に魔物なのか万能鑑定を使って視る。
しっかりと名前はエボリューションスライムとなっており、スキルを一つだけ所持していた。
変化吸収と言うスキルで、魔物の死体を吸収する事が出来、覚えていたスキルをランダムに取得する効果があった。
この変化吸収が無限に強くなれる事に繋がるスキルだろう。
「エボリューションスライム、購入画面に書いていた通りと見てよさそうだな。シキ、従魔登録には名前が必要だぞ。」
テイマーが決めた名前を魔物が受け入れる事で、初めて主従の繋がりが出来るのだ。
「なんでもいいのです?」
「自分の護衛なんだ、好きに付けるといい。」
このスライムの主人はシキであってジルでは無い。
護衛の命名権はシキにある。
「決めたのです!君の名前はライムなのです!これから宜しくなのです!」
そう言ってシキが嬉しそうに小さな手を差し出す。
するとライムはプルプルと揺れながら近付き、シキの手を身体で包み込んだ。
これがスライム流の握手なのだろう。
ライムが名前を受け入れたので従魔登録が完了し、万能鑑定で視てみるとしっかりシキの従魔となっていた。
「おー、ムニョムニョしてて気持ちいいのです。うわっ!」
シキがライムに包まれた手を握ったり広げたりして感触を楽しんでいると、ライムがシキに抱き付くかの様に近付いてきた。
突然の事にシキは倒れ、ライムに覆い被されてしまった。
「大丈夫か?」
ジルがライムを摘み上げてシキを助けてやる。
「ふぅ、危うく従魔に圧死させられるところだったのです。」
急死に一生を得たと言わんばかりの表情で呟く。
最弱のスライムであるライムにあっさり殺されそうになるシキもまた最弱の精霊と言えよう。
今ここにおそらく世界で一番弱い、最弱コンビが生まれた瞬間である。
「ライム、シキの近くにいる時は注意するですよ。」
ライムはプルプルと揺れており、了承した様な雰囲気を感じる。
そして申し訳無さからか、若干落ち込んでいそうである。
「そしてこちらがシキのご主人様のジル様なのです。ライムも自分の主人の様に接しないと駄目なのですよ。」
その言葉にもプルプルと揺れて了承した様な雰囲気が伝わってくる。
「ほう、しっかり理解している様だな。」
ジルも指を出してみるとシキと同じく身体が包み込んでくる。
スライムと戯れた事なんて無かったので、ふにょふにょした感触がなんとも不思議である。
「しかしこのままだと魔物と出会えば直ぐに死んでしまいそうだな。」
なんせジルがうっかり踏んでしまっただけでも死にそうな程弱そうなのだ。
魔物と戦う前に日常生活のちょっとした事で命を落としそうである。
「だ、駄目なのです!ライムは絶対に死なせないのです!」
「そうならない為に早速強化が必要だな。」
何か手頃な素材がないか無限倉庫の中を探す。
こんな事ならば全て売却してしまったゴブリンの素材を少しくらい残しておけばよかったと後悔した。
「うーむ、…ドラゴンの素材ならばあるがどうする?」
「いきなりそんな素材を吸収させるのは怖いのです。」
ドラゴンの素材を吸収するのは反対の様だ。
確かにエボリューションスライムの初期段階で世界一の素材とも言えるドラゴンの素材を吸収させるなんて事は想定されていないだろう。
ライムが吸収している最中に爆発でもしてしまったら目も当てられない。
最初なのだから慎重にやるべきだ。
「確かにな。ならばこれに頼るとするか。」
シキの仕分けで封印行きとなっていた一冊の本を無限倉庫から取り出した。
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