元魔王様とシキの従魔 1
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領主であるトゥーリの依頼を無事終わらせたジル達には、ギルド経由で報酬が支払われると聞いたので、ジルとシキはギルドを訪れていた。
「あ、ジルさん。依頼の件ですか?」
普段から対応してくれているミラの下に向かうと、早速報酬の件だと察してくれた。
「ああ、ここで貰えると聞いたのでな。」
「少し待っていて下さいね。」
ミラは報酬を取りに奥の部屋に消える。
そしてトレイの上に報酬を乗せて帰ってきたのだが、見るからに少なく感じた。
「お待たせしました。こちらが報酬です。」
トレイの上にはキラキラと光る少し大きな金貨が10枚乗っている。
「ん?これだけか?」
「これだけって…。」
ジルの反応にミラが言葉を失う。
まさかそんな反応をされるとは微塵も思っていなかった。
「ジル様!これは大金貨なのです!凄いお金なのです!」
ジルと違ってシキは驚いている。
これは金貨では無く大金貨と言う貨幣なのだが、この世界で暮らす期間が長いシキは知っていた。
「そう言われると少し大きいな。」
「焦りましたよ。まさかこれだけの大金貨を貰って、不満を言われたのかと思いました。」
単純にジルが知らなかっただけなのだと知ってミラは納得する。
「悪いな、大金貨と言うのを見たのは初めてだったのだ。」
魔王時代は貨幣すら使用した事が無かったので、認識して使い始めたのは転生後だ。
一枚の価値が高い大金貨を見る機会も無かったので仕方が無い。
「大金貨1枚は金貨10枚分なのです。ここには大金貨10枚あるので、金貨100枚分なのです。」
「その通りです。なので報酬は大金貨10枚の1000万Gですね。」
大金貨の価値をシキとミラが教えてくれる。
その金額を聞いて改めてジルは驚いた。
転生後に貰った中で一番高い報酬である。
「それはかなりの金額だな。」
「一握りの高ランク冒険者に払われる様な額なので、それ程今回の依頼に感謝しているのでしょう。」
本来これ程の依頼報酬を貰える者は限られている。
それに匹敵する程トゥーリのお礼の気持ちが込められていると言う事だ。
「そうか、思ったよりも多くて助かるな。」
「これだけあれば暫く安泰なのです。」
異世界通販のスキルに注ぎ込む気満々の二人からしたら、多ければ多い程嬉しいのである。
「そしてもう一つご報告があります。少し時間が掛かっていたのですが今回の事もあり、ジルさんのランクがDに昇格いたしました。」
ゴブリン集落掃討の時に上がった話しである。
新人冒険者に対して優遇し過ぎではないかと言う意見も一部あって、ギルドの上層部が少し揉めた結果遅くなったのだ。
実際にジルの事を見れば理解するとは思うが、話しだけでは理解し難い部分もあるだろう。
しかしギルドマスターやベテランギルド員の意見が決定打となってDランク昇格が決まったらしい。
「あまり嬉しそうではありませんね。」
ランクアップの報告を受けたジルは特に喜んだ表情をしていない。
「ランクが上がると面倒事が増えると聞いてな。」
高ランクの冒険者になると長期間の拘束や強制的な依頼が発生したりする。
それは自由気ままな人生を送るジルの望むところでは無い。
「例外もありますがそれは殆どCランクからですよ。それを踏まえてのDランクでもありますし。」
一応ジルの事を考えた結果のDランクであるらしい。
Cランクに上がらなければ自由度は今までと差程変わらない。
「そうか、ならばこれ以上上がらない様に依頼は控えるべきか。」
意欲的に依頼をしてしまうと直ぐにCランクに上げられてしまう可能性がある。
ジルとしてはずっとDランクで構わないのである。
「こちらとしては定期的に依頼を受けてほしいんですけどね。」
「資格剥奪されない程度には受けるつもりだ。」
一度剥奪されてしまうと、二度目の発行が更に面倒になると聞いた。
ランクアップした事による面倒事から逃げようと、わざと冒険者カードを剥奪されてランクを下げる様な行いは出来無い様になっているのだ。
「本音を言えばもっと受けてほしいんですが、強制は出来ませんし仕方ありませんか。何か依頼を受けていかれます?」
「いや、最近忙しかったからな。暫くゆっくりするつもりだ。」
働いた分しっかりと休息を取りつつ、やりたい事を自由にするのだ。
仕事や使命ばかりに追われる前世とは違うのである。
「確かにそうですね。しっかり休息なさって下さい。」
働き過ぎるのは逆に効率が悪かったりもする。
適度な休息は冒険者にも大事なのである。
「そのつもりだ。それと話しは変わるが、ミラに一つ頼み事があるんだが。」
ギルドによった理由は他にもあったのである。
「頼み事ですか?」
「ああ、これだ。」
ジルは無限倉庫からミスリル鉱石を取り出す。
以前ミラに見せた事もある、それなりに価値の高い鉱石だ。
「っ!ちょ、ちょっとジルさん、こんなところで出さないで下さいよ!」
ミラは小声で文句を言いながらミスリル鉱石を両腕で覆い隠す。
自分がその価値を教えたので希少性をよく理解している。
近くに人はいないが、酒場には食事をしている者もそれなりにいるので見られる可能性はある。
「一見すれば普通のと変わらないのだろ?そんなに警戒する事か?」
ミラもスキルを使わなければミスリル鉱石の純度までは分からなかった。
一々人の持ち込む物にスキルを使う物好きがいるとも思えない。
「それはそうですけど、目利きに長けた人や普段から鉱石を扱う人なら直ぐに分かりますよ。」
素材の売買を行う物や武具職人等は普段から鉱石を扱っているので、ある程度目が肥えているのだ。
そう言った者達には直ぐに分かってしまうらしい。
「成る程、そう言うものか。」
「それでこれがどうしたんですか?」
ミスリル鉱石を隠しつつ小声でミラが尋ねてくる。
「卸先を見つけてほしいのだ。今は金が幾らでも欲しい状況だからな。」
「今あんなに報酬を貰ったのにですか!?」
ジルの発言を聞いたミラは小声で驚いている。
大金貨10枚もの大金を得たのに更に金が欲しいなんて、一体何を買う気なのかと問い詰めたくなる。
「稼げる時に稼いでおきたいのだ。」
通常のミスリル鉱石よりも高値で売れるならば、無限倉庫内には沢山あるので幾らか買い取って欲しい。
異世界通販のスキルもあるので、金が増えれば出来る事も増えるのである。
ついでにミスリルを扱える店についても知りたいと思っていた。
理由は自分用の武器を作ってもらいたいのだ。
「いいんですか?こんな良質なミスリル鉱石は、もう手に入らないかもしれませんよ?」
手放すのは勿体無いとミラが言う。
ミラも受付嬢なのでギルドに持ち込まれる様々な物を見てきた。
その中には鉱石もあったので、このミスリル鉱石の希少性がよく分かる。
「構わん、まだ無限倉庫の中に大量に入っているしな。」
道端に転がる石感覚で拾っていた物なので大量に持っているのだ。
幾らでも買い取ってほしいくらいである。
「た、大量!これ程のミスリル鉱石が…。大量に…。」
「ミラ?」
ジルの言葉を受けたミラは呆然となってしまった。
顔の前で手を振るが反応が無い。
「報酬も受け取り、伝える事も伝えたし帰るとするか。」
ミラがいつまでも反応しないので諦めて放置して帰る事にした。
「いいのです?」
「そのうち正気に戻るだろう。」
ジルとシキは用事も済んだので、呆然としたミラを置いてギルドを後にした。
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