元魔王様とセダンの大商会 5
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領主のトゥーリとの依頼についての話し合いが行われた翌日、普段通りに過ごしていてくれればいいと言われていたので、宿屋の部屋でシキと一緒にのんびりしていた。
「ジルさん、今大丈夫?」
リュカが少し困った様にノックをして尋ねてきた。
「ああ、何か用か?」
「えっと、ジルさんにお客さんなんだけど…。」
リュカは少し歯切れの悪い様子で言う。
一先ず下で待ってもらっていると言う事なので向かってみると、先日借金の取り立てに来た四人がいた。
「なんだ、また我にやられにきたのか?」
「ふざけんじゃねえ!てめえのせいでどんだけ治療費が掛かったと思ってやがる!」
先日ジルにデコピンで吹き飛ばされた男が言う。
相当腫れ上がっていたので、綺麗に治っているところを見ると魔法による治療だろう。
「文句は自分の行いを改めてから言うんだな。」
ジルはシキを怯えさせられたので吹き飛ばしただけだ。
大事な仲間に危害を加えられそうになったので、文句を言われる筋合いは無い。
「けっ、気に入らねえ野郎だ。」
「リーダー、ムカつくのも分かりますが要件を伝えませんと。」
付き従っている一人がイライラしているリーダーを宥める様に言う。
「分あってるよ。ちっ、何故モンド様はよりにもよってこんな奴を、ほらよ。」
そう言ってリーダーの男は封筒を渡してきた。
受け取って開けてみると、ジルと契約した精霊を屋敷に招待したいと言った内容が書かれていた。
「ふむ、今直ぐに訪ねてこいか。随分と急で上から目線な呼び付けだな。」
口ではそう言っておくが、トゥーリから聞いていたので直ぐにでも行く事は出来る。
「俺は封筒を渡すまでが仕事だ。てめえがどうしようと知った事じゃねえが、モンド様の命令に叛くとどうなるかくらいは分かるだろう?」
ジル達がビーク商会や関係者達と売買を行えなくしている事について言っているのだろう。
状況は変わっておらずジル達は街で買い物が出来無いままである。
「既に被害を受けて苦しい状況だろうしな。モンド様からの救いの手だと思った方がいいぜ。」
無限倉庫や異世界通販のおかげで特に困ってはいないのだが、トゥーリからの依頼もあるし断る訳にはいかない。
「分かった、従うとしよう。」
「だったら付いて来い。」
ジルとシキは男達に付き従って宿屋を出る。
女将とリュカは心配そうにしていたが、軽く事情は話しているので大丈夫だろう。
黙って歩いていると、街中の人達から哀れむ様な視線を感じる。
その中にはジル達との売買を断ったビーク商会関係者達もおり、目を合わせない様にしている。
自分達の身を守るだけで精一杯なのだと感じられた。
「まるでこれから酷い目に合うみたいな雰囲気だな。」
「最近の商会のやり口は知られているのです。勘違いするのも仕方が無いのです。」
リュカ以外にも平民の若い娘達を、借金を理由に奴隷落ちさせ様としている。
そんな噂であれば広まるのも直ぐであろう。
「ん?」
「どうしたのです?」
歩きながら突然後ろを気にし出したジルを見てシキが尋ねる。
振り返っても特に何かある訳でも無い。
「…。なんでもなさそうだ。」
「?」
シキがジルの様子に首を捻っていると、周りの建物と比べて一際大きな屋敷が見えてきた。
ギラギラと装飾されている箇所もあり、金持ち特有の趣味の悪さが際立っている。
「そこの門番に封筒を見せろ。そうすりゃ中に通してくれる。」
それだけ言って四人組は来た道を戻っていった。
初めて会った時の様に使いっ走り的な立ち位置なのだろう。
「止まれ、通行証を見せろ。」
門番が槍で門を塞ぎながら言ってくる。
強面門番の二人組が威圧してくるので、普通の者ならば怖くて逃げ出していそうだ。
「この封筒でいいんだよな?」
「うむ、確かに。案内する、付いて来い。」
門番の一人が封筒を開けて確認し終わると、門の中に通されて屋敷の中に案内される。
さすがはセダン一の商会を経営する者の屋敷、メイドや執事の量が多い。
だがそれを上回る程に冒険者や傭兵の姿が見える。
自分のしている行いがどう言うものか理解している様で、屋敷の守りは相当手厚い。
「ここだ、少し待っていろ。モンド様はお楽しみの最中の様だ。」
門番の言葉の通り、中からは女性の荒い息遣いや声が扉の外にまで聞こえてきている。
直ぐに来いと呼び付けておいて待たせるとは、扉を蹴り破ってやろうかと一瞬思ったが、その衝撃で万が一にも殺してしまう可能性を考え思い止まった。
トゥーリはモンドを捕縛したいのであって、直ぐに殺すつもりは無いらしい。
簡単に始末出来るがそれは領主であるトゥーリに任せるとする。
「モンド様、例の冒険者を連れて参りました。」
中の声が静かになったタイミングで、門番が豪華な扉をノックして中に呼び掛ける。
「少し待て。」
そう言われて5分程経ち、中へ通される事を許された。
中にはでっぷりと贅肉を付けた男、現商会長のモンドとメイドが数名控えている。
メイドに椅子を勧められたので、モンドの対面に座る。
「お前がジルとか言う冒険者か。」
ジルの事を値踏みする様に見ながら商会長であるモンドが言う。
「そうだ。何か用か?」
「ふん、口の聞き方がなってないガキだな。」
そうは言われても目の前の男からは害しか受けていないので、敬う気持ちは皆無である。
「単刀直入に言ってやる。貴様がスキルに収納している高価な物とその精霊を差し出せ。」
モンドはいやらしい笑みを浮かべながらジルに向かって言い放った。
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