元魔王様とセダンの大商会 4
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次の日、ジルはギルドを再び訪れた。
昨日ミラに領主に連絡をしておくので、明日また来てほしいと言われたからだ。
領主ともなれば忙しそうなイメージだが、昨日の今日で時間を作ってもらえるとは、暇で無いのならその依頼が最も優先される様な状況なのだろう。
「ジルさん、お待ちしてました。こちらへどうぞ。」
ギルドに入るや否やミラに連れられて応接室の様な部屋に通される。
「失礼します、件の冒険者をお連れしました。」
「うむ、入ってくれ。」
ミラが扉の中に向かって言葉を掛けると中から返事が返ってくる。
「失礼致します。」
ミラに続いて中に入ると、ソファーに可愛らしい見た目の女の子が一人座っていた。
気品溢れる見た目からは育ちの良さが窺える。
「なんだこの子供は。領主はどこだ?」
応接室の中には目の前の子供以外に人はいない。
「ちょっ!?ジルさん!?」
「いきなり失礼だなお前さん。私がその領主だよ。」
慌てるミラを制しながらソファーに座っている子供が名乗る。
「冗談と言う訳では無いらしいな。」
ミラの方を見るとジルが失言をしないか心配して緊張している様子だ。
万能鑑定のスキルで見てみたが、年齢はまだ10歳であった。
「私の街で暮らすなら知っておいてほしいんだけどね。これでも一応最年少で領主をしている、才女で知られているんだよ?」
10歳で領主をしているのであれば、目の前の女の子は正に天才と言ってもいい部類だろう。
「我は最近街に来たばかりなのだ。」
まだ人族に転生して日が浅いジルには知らない事が沢山ある。
こんな小さな子供が領主だなんて考えるのは難しいだろう。
「ジルさん!もう少し言葉使いを!」
「気にしなくていいよ。冒険者に一々マナーを求めるのも面倒だからね。それに成る程、だから依頼候補に選ばれた訳か。」
ミラはジルの言葉使いを気にしていたが、当の本人は問題無い様だ。
そもそも冒険者は平民出の者が大半なので、トゥーリが言う様に言葉使いがしっかりしている方が稀なのだ。
「受けるかはまだ決めていないがな。」
「受けてもらえる様に善処しようじゃないか。こちらも少し状況が悪いからね。」
それから依頼の内容を領主のトゥーリが語ってくれた。
簡単に言えば領主側に付いて、ビーク商会の商会長であるモンド失脚に協力してほしいと言う内容だ。
理由は単純で、モンドが親の築き上げた商会を利用して、権力の悪用を企てている事が分かったからだ。
セダン一の大商会と言う事もあり、勢力も領主と同じかそれ以上にもなるらしい。
このままでは領主の勢力が取り込まれるのも時間の問題の様だ。
そして金に物を言わせて周りを黙らせ、無理矢理婚姻を結ばれて街を乗っ取られる可能性すらあるらしい。
前商会長が亡くなったと言う話しが広まってから、その計画が水面下で爆速で行われているのだ。
阻止しなければセダンの街が滅茶苦茶になってしまう。
「その前商会長だが、やはり殺された可能性が高いのか?」
「確実だろうね、動きがあまりにも早過ぎる。前もってしっかりと計画していたんだろうね。」
シキの言った通り予想は的中していた。
どうやら本当に商会の乗っ取り計画の様である。
「やはり面倒事だったか。」
「面倒の一言で片付けてほしくはないね。私の最悪の結末は、あのオーク男との婚姻なんだから。」
面倒事に溜め息を吐くジルを見て、トゥーリは更に深い溜め息を吐く。
聡明な彼女には欲深く自分の事しか考えていない様な者と婚姻して領主を奪われれば、この街が終わってしまう事が分かっている。
そして何よりもモンドと言う男は生理的に受け付け無い。
若く容姿の良い女を見つけるといやらしい視線を常に向けている様な男であり、正に女の敵と言った者だ。
「そっちを見た事は無いが、子供に手を出すのか?」
トゥーリは大人びた発言をする子だが、まだ10歳の子供である。
結婚をするにはまだ少し早い年齢である。
「形だけでも手に入れれば構わないんだろうね。既に平民の娘が何人か、借金を盾に脅されてるから私に身体は求めて無いだろう。」
トゥーリに求められている物は肩書きだけで、身体は自分が選んだ別の娘達に求めているのだ。
「見逃していていいのか?」
「うーん、借金をしていたのは本当の事だから、モンドを一方的には責めるに責めづらいと言うのが現状だね。当然このまま見過ごすつもりも無いんだけど、それは君の返答で大きく変わってくるだろうね。」
モンドに制裁を与えたくても難しい状況が、ジルの返答次第で覆るとでも言いたそうである。
「一応聞いておくが、何をさせられる予定なんだ?」
「簡単に言えば少し暴れて敵勢力を減らしてもらおうと考えているよ。君の実力の高さは聞いているからね。」
そう言ってトゥーリはミラを指差す。
ミラの方を見るとジルに向かって手を合わせて頭を下げて謝っていた。
勝手に実力を話した事を怒られるとでも思ったのかもしれない。
確かに目立ちたくは無いが、ランク選定試験の段階で多くの者に見られているので今更である。
「我の事は知られている。中には通してもらえないと思うぞ?」
外から攻撃してもいいが当然建物も壊れる事になり、周りの建物にまで被害が及ぶ可能性もある。
「それはこちらで情報操作しておくよ。近日中にモンドから招待される事になると思うよ。」
お膳立ては任せろとトゥーリが引き受ける。
何かしら作戦があるのかもしれない。
「その時に中で暴れればいいのか?」
「そう言う事!強い人達を引き受けてくれれば、私の勢力も自由に動きやすいと思うからね。」
ジルが暴れるどさくさに紛れてトゥーリの勢力を向かわせるらしい。
ある程度敵を減らしてくれれば領主の勢力だけでも太刀打ち出来る様になる。
そして直接悪事の形跡を集め、裏が取れ次第捕縛する。
モンドさえ捕らえてしまえば、領主の権限で商会はどうとでも出来るのだ。
「ふむ、領主に恩を売っておくのもありか。」
「そう言う事は面と向かって言わないでほしいけどね。」
領主は一先ずジルが依頼を受けてくれた事にホッとするのだった。
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