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【毎日更新】元魔王様の2度目の人生  作者: ゆーとちん
2章
16/1123

元魔王様と人族の街 7

評価やブックマーク等、して頂ければして頂ければして頂ければ〜!!!!!

 30分程時間を遡る。

ミラがアーマードベアの解体や査定を頼む為に演習場からいなくなり、ジルはミラに言われた通りにどの試験官にランク選定試験をしてもらうか考えていた。


「お前さん、ランク選定試験の希望者か?」


 立ち止まって考えていると、試験官の方から声が掛かった。

ジルよりも一回り程大きい獣人男性の試験官である。


 頭の上から熊耳を生やしており、肩には戦斧を担いでいる。

見た目の圧が凄いので、ジルと同じくランク選定試験を受けにきた者達は、目も合わせようとはしない。


「そうだ。」


「なら俺がやってやろうか?」


 試験官は冒険者側が選べるとミラが言っていたが、自分から提案するくらいはあるのだろう。

周りの様子を見る限り、暇を持て余しているのは一目瞭然だ。


「では頼むとしよう。」


 最後に獣人族と戦ったのは随分前の事である。

人族として転生した力も試しておきたいと言う気持ちもあり、一般的な獣人族の力を把握するついでに、自身の力の調整も行おうと思っていた。


 そして演習場に設置された魔道具で殺す心配は無いので、なるべく強い者を選ぼうと思っていたので断る理由も無い。


「ほう、ひ弱そうな見た目だが度胸はある様だ。」


 試験官は久々に戦えるのが嬉しいのか、ジルの返答に満足げである。


「武器は持ってないのか?貸し出しもしているぞ。」


 試験官が指差す方を見ると、様々な大きさや形の剣を始め、槍、斧、籠手、弓、杖、鎌と色々用意してある。

自分に合った武器もここで見つかるのかもしれない。


 無限倉庫の中には魔王時代に使った様々な武具が入っている。

だが中には今の時代や人族にとって危険な代物も含まれている可能性がある。


 まだ人族の世界に詳しくは無いので、調べ終わるまで前世の物は、なるべく出さない様に注意しなければならない。


「無手で十分だ。」


 身体能力も全力を出せば、魔物を倒せるくらいに高い事は分かっている。

アーマードベアの実力を知らないジルだが、それなりに戦える自信はあった。


「そうかい、死ぬ事は無くても怪我をすると痛いから気を付けな。先手は譲ってやる。」


 試験官が戦斧を構えつつ言う。

ジルの挑発とも言える発言に対して文句を言う事も無く、どれ程の人物かと見定める様な試験官の目になっている。


「先ずは軽く行くか。」


 ジルは地面を蹴って真っ直ぐに突っ込む。

そして一瞬で懐に潜り込み、腕を引き絞る。

この間試験官は全く動く事無くジルが立っていた場所を見ていた。


 単純にジルの動きが速過ぎて、目で追えていないだけであった。

一瞬で近付いたジルにも反応出来ていない。


「ふっ!」


 ジルはがら空きの試験官の胴体に掌底を叩き込む。

皮の防具にジルの手形が刻まれる程食い込んでいる。


「っ!?」


 突然腹部に痛みが走った試験官は、何事か分からず顔を痛みで歪ませる。

その直後、掌底の威力によって後方に吹き飛んでいき、石壁に激突して動きを止めた。


「ん?それなりに手を抜いた筈なのだが…。」


 ジルはまさかの光景に少し言葉を失う。

挨拶代わりに放った初撃で勝負が付くとは思っていなかったのだ。


 試験官の下に向かうと、白目を剥いて気絶していた。

ジルの掌底による攻撃が変換されて魔力を減らし、魔力切れを引き起こしている。


「これでは結果が聞けないな。」


「何々?うわー、君なにしたの?」


 どうしようか戸惑っていると、激突音を聞いた近くの試験官の一人が話し掛けてきてくれた。


「普通に攻撃しただけだ。」


「本当に?怪しいな。特殊な魔法道具でも使用したんじゃない?」


 本来ランク選定試験は冒険者となる者の技量を正確に測る試験である。

それによって適正ランクに分けられ、冒険者の依頼による死亡者を減らす目的がある。


 なので本人の実力を出す為の武具であれば問題無いが、道具の性能に頼って最初から高ランクを得ようと、魔法道具を使う行為は禁止なのだ。


「ならば代わりに試験官をやってくれ。」


 何やら疑われている様なので、無実を晴らす為に相手を頼む。

認めてくれれば誰であろうと構わない。


「いいよ、魔法道具を見る目は中々にあるしね。おーい、皆んな集まってくれ。」


 試験官が周りに声を掛けて、演習場の全ての試験官達が集まってくる。

戦っている間、ジルに怪しい動きが無いか監視させる為らしい。


「魔法道具を使っていないなら、見てもらっても構わないだろ?」


「別にいいぞ。」


 ジルとしては特に問題は無い。

魔法道具に頼っておらず、純粋な自分自身の力なのだ。


「なら早速始めようか。どこからでも掛かってくるといい。」


 ジルは一応先程の試験官が弱かった事を想定して、全く同じ動作を行った。

結果試験官は吹き飛んでいき、石壁に激突して気絶するところまで先程と全く同じである。


「馬鹿な!?」


「あり得ない…。」


「そんななりで、魔法道具も使わずに…。」


 周りの試験官達はザワザワと騒いでいる。

ジルも思った事だが人族から見て相当弱そうな見た目をしている事は確かな様だ。


「まだ疑うならば全員で掛かってこい。まとめて相手をしてやろう。」


 もはやどちらが挑む側か分からなくなってきたが、試験官達が納得するまで相手をするしかない。

警戒する様にそれぞれが武器を構えたのを確認して、ジルはその場で大きくジャンプする。


「どうやら身体能力は相当高いらしい。ならば集団戦と言う事もあるし、魔法も試しておくとしよう。ファイアアロー!」


 せっかくの機会なので、人族となった身体での魔法の使用感も確かめてみる事にした。

ジルは初級火魔法の一つを使用してみた。

すると空中に矢の形をした火が複数現れる。


「無詠唱魔法だと!?」


「新人冒険者じゃ無いのかよ!」


「な、なんて数…。」


 またもや試験官達はザワザワと騒いでいたが、ジルによって放たれた無数の火の矢によって、その声は悲鳴へと変わっていった。


 微かに悲鳴に混じって、「なんだこの威力は…。」と声を発した者もいたが、悲鳴に掻き消されて誰の耳にも届かなかった。


「残ったのは一人だけか。」


 ジルが着地すると、女性の試験官一人を残して全滅であった。

ファイアアローの魔法を受けて、皆んな魔力切れを起こしている。


 残った試験官も今目の前で起こった事を理解出来ず、「ファイアアローって上級魔法だったんだ、あははは。」と遠い目で現実逃避をしている。


「な、なんですかこれ!?」


 どうしたらいいのか迷っていると、聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきた。

閲覧ありがとうございました!

定期的に投稿していこうと考えているので、お暇なときにでもご覧になって頂ければ嬉しいです!!!

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