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【毎日更新】元魔王様の2度目の人生  作者: ゆーとちん
2章
15/1123

元魔王様と人族の街 6

評価やブックマーク等、して頂ければして頂ければして頂ければ〜!!!!!

 転生した翌日、ジルは清々しい朝を迎えていた。

と言うのも魔王時代から数えて、実に数百年ぶりに睡眠を取ったからである。


 魔王として強くなる事に重きを置いていた頃、三代欲求等も時間の無駄と切り捨て、取らなくても問題無い様なスキルを入手したりもしていた。

なので久々に眠ったのだが、おかげで身体の調子がとても良い状態である。


「さすがにこの身体では、無理も効かなそうだしな。」


 今世では思うがままに自由に生きられるので、無理な生き方をする必要も無いのだ。

宿で出される朝食を美味しく頂いて、大満足のままギルドに向かった。


 昨日は遅い時間帯と言う事もあり、仮冒険者カードを貰っただけの状態だ。

なので今日は正式な冒険者カードを受け取って身分証とする為に、ランク選定試験を受けに朝早くからギルドに足を運んでいるのだ。


「随分と混んでいるな。」


 冒険者達の朝は早い。

依頼は早い者勝ちなので、朝早くからギルドで依頼を受ける者は多い。


 更に朝早くから出発しなければ依頼が長引き、街の門が閉まるまでに帰ってこられず、野宿しなければならなくなったりもする。


 なのでギルドは朝と夕方がとても混む時間帯なのだ。

受付も全て長蛇の列を作っているので、並ばずにある程度少なくなるまで酒場で時間を潰す事にした。


 果汁水に舌鼓を打っていると、並んでいた冒険者も少なくなってきた。

受付嬢達も毎朝の事なので対応に慣れてはいるのだろうが、やっと一息付けると言った様子だ。


「ジルさん、おはようございます。お待ちしてました。」


 受付に向かうと昨日と同じ受付嬢のミラが対応してくれた。


「ああ、早速試験か?」


「その前にアーマードベアをお預かりしてもいいですか?解体と査定に少し時間が掛かりますが、試験中には終わると思いますので。」


 ギルド職員の解体員や査定員の作業が終わらなければ、取り引きも出来無いので同時に行う方が効率が良い。


「分かった。」


「ではこちらにどうぞ。」


 ミラに案内されてギルドの中を移動する。

通路を抜けた先には巨大な倉庫があり、至る所で現在進行形で解体や査定が行われている。


「ここに出して下さい。」


 ミラが空いている作業机を指差す。

指定された場所に無限倉庫から取り出したアーマードベアを置く。


 身体だけで頭は無いのかと聞かれたが、倒す際に粉砕してしまったので無いと答えると、少し残念そうな雰囲気が伝わってくる。

もしかすると頭部に貴重な素材があったのかもしれない。


「収納系スキルは便利でいいですよね。それも最上位互換ともなれば、荷運びだけで食べていけそうですね。」


 周りに人はいないが配慮してミラが小声で言う。


「最上位互換?」


「ご存知無かったですか?収納系スキルにも幾つか種類があって、収納出来る量が違うんです。」


 ジルの所持している無限倉庫は、際限無く物を出し入れする事が出来るスキルである。

収納系スキルの中では最も優れたスキルなのだ。


「成る程、確かに便利なのは否定しない。」


 魔王時代にも無限倉庫のスキルには世話になった。

そして中に魔王時代の物が大量に入っている状態で転生してしまったので、出しどころには注意が必要な物も多かったりする。


「私も受付嬢として様々な方を見てきましたが、数える程度しかいませんでした。悪用される可能性もありますから、冒険者カードは無闇に見せない方がいいですよ。」


 無限に物を入れて運べるとなれば、行商人からすれば喉から手が出る程欲しいスキルである。

知れ渡れば騒ぎになる可能性もあるのだ。


「分かっている。」


 神々にも注意されたので、充分気を付けるつもりだ。


「ではランク選定試験の場所に案内しますね。」


 ミラに連れられて倉庫の隣りである屋外に向かう。

そこは広々とした演習場となっており、冒険者やギルドの試験官が複数見える。


「こちらです。丁度ジルさんと同じくランク選定試験を受けている方がいますね。」


 いかにも駆け出しと言った身なりの少年が、強面の試験官と剣で結び合っている。

と言っても完全に試験官に遊ばれている様な状態である。


 一生懸命に試験官目掛けて打ち込んでいるので、少年の方は肩で息をしているのだが、試験官は全く呼吸が乱れていない。


「試験官は複数いますので、空いている者にランク選定試験をしてもらって下さい。皆さんの戦闘技術を見て、ランクの評価をしてくれます。」


「分かった。」


 試験官は男女や種族も異なり、様々な武器も持っているので、相性も冒険者側が選べるらしい。

有利な状況であっても駆け出しの新人にベテランの試験官達が遅れをとる事は無いと言う。


 演習場に設置されている魔法道具についても説明があった。

魔法道具の効果によって致命傷となる攻撃は魔力を削る様に変換されるらしい。

なので死者を出す心配が無く、思う存分戦える様だ。


「では私は解体と査定の手続きをしてきますね。」


 ミラはジルを残して倉庫に向かった。

解体員と査定員にアーマードベアの作業を頼み、自分は受付の仕事に戻るのだ。


 受付嬢は冒険者の対応以外にも書類仕事等もあるのでそれなりに忙しいのだ。

手続きを終わらせて残っている事務仕事をしていると時間があっという間に経過する。


「ミラさん、査定終わったよ。」


「ご苦労様です。」


 仕事に集中していると査定員に呼び掛けられて、査定結果が書かれた紙を受け取る。

ジルの倒したアーマードベアの査定内容が書かれた紙である。


「さすが高ランクの魔物ね。頭部が無くても大金だわ。」


 受け取った紙を見ながら呟く。


「ってあれ?ジルさんは?」


 既に30分近く経っているのにジルの姿が見えない。

ランク選定試験は数分で終わるので、倉庫か自分のところに報告に来ていてもいい筈である。


 まだ演習場にいて他の冒険者の戦い方でも見ているのかと思い、査定額の紙を持ったまま演習場に向かう。


「な、なんですかこれ!?」


 演習場に着いて目の前の光景を見た瞬間に、ミラは叫ばずにはいられなかった。

何故か死屍累々と言った様子で地面に沢山の試験官達が倒れていたのだ。


 演習場にいた冒険者達は試験官の様にならない為なのか、端っこに固まっていた。

そして唯一倒れていない女性の試験官も、地面にへたり込んで何かを呟きながら現実逃避をしていた。

その女性試験官の前に立っているのはジルだ。


「ミラか、丁度良い。ランクは誰に聞けばいいのだ?」


 間違い無くこの現状を引き起こした人物であるジルが、ミラの絶叫に気付き振り向いて尋ねてきた。

閲覧ありがとうございました!

定期的に投稿していこうと考えているので、お暇なときにでもご覧になって頂ければ嬉しいです!!!

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