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【毎日更新】元魔王様の2度目の人生  作者: ゆーとちん
14章
113/1146

元魔王様と孤児院の貧困事情 8

評価やブックマーク等、して頂ければして頂ければして頂ければ〜!!!!!

 殺意とまではいかないが、明らかな敵意が自分の後ろから感じられたので振り向く。

すると冒険者の装いをした男が、全身を魔装した状態で自分目掛けて爆走してくるのが目に映る。


 盗賊かと思える程に怖い顔付きをしており目付きも悪い。

一瞬で距離を詰めてきたその男は、柄が鎖で繋がれた両刃斧を両手に持っており、その片方を振るって突然攻撃してきた。


「いきなり攻撃とは危ない奴だ。」


 突然の攻撃だったがジルは瞬時に右手を魔装して、素手で両刃斧を受け止めた。

それなりの衝撃が手に伝わってくるが怪我をする程では無い。


「っ!?」


 男はまさか自分の両刃斧を素手で受け止められるとは思っておらず、目を大きく見開いて驚愕している。


「ちっ!」


 舌打ちをしつつ続けてもう片方の両刃斧を振るってくる。

状況がイマイチよく分からないが、敵意を持って攻撃してくるのならば反撃しても文句を言われる筋合いは無いと考える。

そしてジルは空いている左手を魔装して迎え撃とうとした。


「アレン止めなさい!」


 すると近くにいたアキネスが声を荒げた。

アレンとはジルに攻撃してきている者の名前の様だ。

突然始まった戦闘に驚き、アキネスは動くのが遅れた。


 アキネスの声を聞いてアレンと呼ばれた男は、ジルに迫っていた両刃斧を止める。

一応アレンが攻撃を止めたので、ジルも様子を見る意味で左手は動かしていない。


「何故止めやがる!また金目当ての人攫いとかだろうが!誰も渡しはしねえ!」


 アキネスに向かってアレンが吠える様に言う。

どうやら人攫いか何かと勘違いされているらしい。


「違います!この方は違うんです!」


「アレン、突然なんて事を!武器を下ろしなさい!」


 アキネスが必死に否定していると、この状況を見た神父も小走りで近付いてきて、アレンを叱る様に言う。


「そう言う事だ。勘違いしているが、我はお前が口にした様な輩では無い。」


 ジルもアキネスや神父の言葉に続く様に勘違いだと告げる。


「…いつもの連中とは無関係なのか?」


 アキネスや神父、そしてジルの言葉を受けてアレンは武器を下ろした。

敵意も無くなったのでジルも魔装を解除する。


「そうです。それどころか、ジル殿は我々に食べ物を恵んで下さった恩人です。」


 神父の言葉を受けてアレンは驚き周りを見回す。

今は突然の戦闘行為で皆が手を止めてしまっているが、子供達の手にはシチューの入った皿がある。

どうやらカッとなったアレンは周りが見えていなかった様だ。


「…悪かったな、いきなり攻撃しちまって。勘違いした様だ。」


 状況を理解したアレンはバツが悪そうに謝罪した、

口調は荒っぽいが表情や声からは申し訳無さが伝わってくるので反省している様である。


「ジル殿、本当にアレンが申し訳無い事をした。」


 アレンに続いて神父やシスター達も頭を下げてくる。


「驚いたが勘違いは解けたんだし気にするな。」


 ジルは怪我をした訳でも無いので気にしてはいない。

突然それなりに強い攻撃が飛んできたので多少驚いただけである。


「…そう言ってくれんのはありがてえが、俺の気がすまねえ。一発殴れ。」


 そう言ってアレンは自分の顔を指差す。

勘違いとは言え攻撃したケジメを付けるつもりなのだ。


「我が気にするなと言っている。それにそんな事をしても意味は無い。」


 無抵抗の者を殴る様な趣味は無い。

それに特に気にする程の害を受けた訳でも無い。


「…分かった。こいつは貸しだ。何か別の形で返させてもらう。」


 アレンはそう言って無理矢理納得した様だ。

別の形であっても先程の詫びを入れるつもりらしい。


「まあ、それで気がすむのならそうすればいい。それよりもアレンと言ったな?話しを聞くにお前はここの関係者なのだろう?」


 先程のアキネスや神父の口ぶりから知り合いなのは明らかである。


「ああ、元だがな。」


「ジル様、昨日お話しした巣立っていった者達の一人です。アレンは冒険者をしているんです。」


 アキネスがアレンについて紹介してくれる。

成長した事で孤児院を卒業した者の一人らしい。


「成る程、それなりに強いのも頷ける。」


 格好から冒険者だろうとは予想出来た。

だがこんなに強い冒険者は、転生してから初めて出会ったかもしれない。


「アレン、今日も孤児院にお金を渡しにきてくれたのか?」


「ああ、俺がここにくる理由はそれくらいしかねえだろ。」


 神父の問い掛けにアレンは頷く。

そして懐から一つの袋を取り出して渡した。

ジャラジャラと音を立てており、それなりに重そうな袋である。


 チラッと中身が見えたが、大量の銀貨と少しの小金貨が見えた。

冒険者として稼いだ金なのだろうが中々の金額である。


「いつもすまないな。」


 神父はお礼を言って両手で大事そうに袋を受け取る。

文字通り自分達が生きていく為に必要なお金なので、元孤児であるアレンから受け取るとしても、はっきりとした敬意が感じられた。

閲覧ありがとうございました!

定期的に投稿していこうと考えているので、お暇なときにでもご覧になって頂ければ嬉しいです!!!

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