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幻影道 第三巻   作者: SAKI
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「喫茶店大掃除・休止 」

「それでね~ノアちゃんが凄く可愛くてさ~元々可愛いのに~♪」


びしょ濡れの水着が見えているセクシーなユカリちゃんは木陰の気に一緒に座り込んで談笑する。

こんなに沢山お喋りするユカリちゃんは初めて見た。家族の事を本当に好きなんだろうな。特によくお話が出てくるのはユイちゃん、ノアちゃんにそれにユウガ。ユウガに至っては友達以上の関係性を持っているらしいが別に付き合ってるとかそういう訳じゃない、どちらかと言うと親友に近くて恋愛対象とは見ていないらしい。


そもそもユカリちゃんは恋愛とか恋沙汰には全く興味が無い。そのせいで変な勘違いを受けていることもあるが彼女は特に意識していない。

なのにこんなにも可愛くて優しい女の子だから罪だと思う。


「そろそろ仕事に戻る?」


僕の顔色を見てユカリちゃんは申し訳なさそうに謝った。


「えっ、えっと……」


真剣に聞きすぎたか?そう思っていると苦笑する。


「私ってつまんない女・・・だよね?もっと楽しいお話が出来れば良いんだけど人生が空っぽ過ぎて何も思い出せないや♪ごめんね……」


「そ、そんなこと無いよ!ユカリちゃんは優しくて可愛い!回りはよく見てるし皆の事を考えて――― 」


少しだけ熱くなってしまった。言葉を言い終わる前に笑われた。


「ありがとう、こんな私でもお世辞を言ってくれるのは嬉しいよ」


お世辞じゃないと言いたかったがユカリちゃんから突き放されたような感覚を覚えて言葉が詰まってしまった。


「あ~あ、私もゆいゆいみたいに美人だったらな~」


ユカリちゃんは立ち上がりお尻を叩き作業へ戻ろうと足を進める。


「待ってユカリちゃん!!」


僕は心頭滅却しこれだけは伝えたいと半ば暴走して肩を掴み身体を向かせる。


「な、なに!?」


予想外の行動に困惑するユカリちゃんに一言だけ告げた。


「可愛いよ」


お世辞じゃないと伝えたかった、それが伝わったかは分からない、手を離すと慌てて振り返り歩きだした。


「あ、ありがと……」


頬が微かに赤く照れた表情で聞こえた言葉は僕の心に響いていつまでも誇張し続けた。


☆★☆★ 更に二時間後


漸く一段落が着いて喫茶店へと戻る、するとそこには悲鳴と怒号が響いていた。


「こら~!!ユカリちゃん待ちなさい!!」


「誤解なの~!!許して~!!」


なんとユイちゃんもびしょ濡れになっていた。

プレアちゃんに事情を聞くとユカリちゃんが復讐しようとホースをプレアちゃん目掛けて放った所偶然ユイちゃんが通り掛かり今の状態となっている。虎視眈々と計画を練っていたユカリちゃんは予想外の出来事に驚愕して逃げ回っている。


「なんか楽しそー」


「そ、そうかな??」


どうみても襲われて窮地に陥っているような……あ、捕まった。


「お姉さんに勝てると思わないことね!お仕置きよ!」


「ごめんなさ~い!!」


ユカリちゃんの復讐は無事失敗に終わり、全身こちょこちょの刑となってユイちゃんのおもちゃと化していた。

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