「ユカリを溺愛する男」
次の日、学校終わりに僕はサナエちゃんになにかしてあげられないかと思いバイトを探した。だがどれも似たり寄ったりで人が嫌がるような仕事は募集されていなかった。特殊清掃員や死体洗い、下水道掃除や実験体と言った特殊なバイトを探すもこのご時世見つからないもんなんだな……
「カイト君、お仕事探してるの?」
仕方なくユカリちゃんのバイト先の喫茶店でコーヒーを一口含む。そんな僕が見ている求人誌にユカリちゃんは目を向けた。
「うん、でもなぁ……僕に似合うバイトが無くて……」
「異世界でお金稼げばいいんじゃないの?」
「検討したけど一人だと割りに合わない事が多いからね、ユイちゃんみたいに自己完結してる人なら稼げると思うけど僕は戦士の中でも剣術に長けてる方だから多勢に無勢は厳しいのさ」
無駄に死にたくもないし薬品で金が飛ぶのは最早マイナスになりそうだ。
「う~ん・・・だったらスイカズラ(ここで)働く?」
ユカリちゃんは机をトントンとつつく。確かに一番マシかもしれない。
「特殊な仕事の方が時給高いのがな……」
「スイカズラだって頑張れば沢山稼げるよ!それに私達と一緒だからきっとより仕事がスムーズになるかもしれないし、皆可愛いよ♪」
た、確かに……ユカリちゃんが既に在籍している!しかもユイちゃん達の家族は言うなれば美少女喫茶店、エインデだって何故かそうそう合わないしある意味天国なのでは?
「ゆいゆいだって人手に困ってるしなんなら私が話を持ち込もうか?」
「そ、それは流石に…………でも僕何も知らないけど……大丈夫かな?」
その言葉にユカリちゃんは健気に笑った。
「あはは♪私も最初はそんなだったよ?でも今はこうしてメニュー名や仕事の大変さや厳しさと楽しさだって分かるよ♪看板娘にされた時は苛立ったけど今は気にしてないかな?」
ユカリちゃんにもそんなことがあるんだ、彼女なら怒らないで溜めてしまうタイプだと思っていたけど言うときは言うもんだな。
ユカリは是非一緒働こうと目を輝かすと耳元に近寄って囁いた。
「こう言ったらなんだけど……女の子は美少女だらけだよ♪ゆいゆいだって可愛いし頼りになるからきっと楽しくなるよ♪」
ユカリちゃんの甘いボイスにドキンと胸を打つ、確かに幻影守衛騎士団の女の子は美少女だらけ、おまけにユカリちゃんも美少女、もっと仲良くなれるかもしれない。こんな可愛い制服を着た純粋な瞳にお願いされたら断る男などいないだろう。
「私は可愛くないけどさ、他が可愛いからカイト君も仲良くなれる人がいると思うよ♪」
目の前に仲良くなりたい女の子がいることだ受けるだけ受けてみようか??
「で、でもさ僕……履歴書とか書けないよ?」
「そこはゆいゆいが上手くやってくれるよ!もしかして入ってくれるの!?」
期待の眼差しに僕はノーとは言えなかった。ユカリちゃんは嬉しそうに微笑んだ、天使か?
「待っててね~!ゆいゆいに話してくるから~!」
そしてユカリちゃんは疾風の如くユイちゃんの元へ駆け出した。元気なユカリちゃんもまた可愛い。そんな彼女を見送ると僕はコーヒーを飲み干した。