「凱旋と夢」
「ぜぇ……ぜぇ…………か、勝ったわ……」
この場所はよく人が集まるせいで専業主婦だらけの戦争で生きて帰れる者はそういない、だが私は勝った!凱旋しユカリちゃん達の所に戻ると……ユイも同じものを持ってる。
「は?」
しかも無傷で、この女ついに尻尾を見せたか!?
「アンタ……身体を売るなんてズルよ!!店員が男だからって!!」
「え??えぇ!?何の話!?お姉さんはただ横が空いてたから取っただけだよ!?」
「そんなことある訳ないでしょ!!」
胸ぐらに掴み掛かりブンブン揺らす、それでも白状しないから更に振り回す。
「サナエちゃんストーップ!ストーップ!!」
カイトに押さえつけられて我に戻りユイは完全に目が回っていた。手を離す所でユカリちゃんが戻ってきた。
「ゆいゆい~!!??」
へなへなになっているユイに絶句しながらユカリちゃんはあわあわとどうしようかと迷っている。
サナエは無理矢理振り回した事を申し訳なく思ってカイトとユカリに外で冷やすと伝え一旦外に出ることにした。
「こいつ・・・私よりもデカイ乳ぶら下げてるくせに軽いのはおかしいでしょ・・・」
私なんて皆からも言われたわよ【重い】って。
乙女に失礼過ぎるわよ……唯一ユイだけには【軽い】って言われたことだけは嬉しかったけどお世辞で言ってくれただけなのよね。
小さくお礼を耳元で囁き少し離れた場所の公園のベンチに寝かせることにした。
☆★☆★
「んん~サナエちゃん?」
自販機で買って来たアイスココアを頭に冷やしてやること数分ユイはすぐに目を覚ました。
「やっと起き――――――― 」
「ほわあぁぁぁぁ!!」
いきなりの絶叫に耳が死ぬところだった。けろっとした表情で起き上がりアクロバティックな動きで私の目の前に立つ。
「膝枕!?子ども!?ご褒美か何かなの!?」
「仕方な (サナエちゃんのムチムチな太腿に!?)私だって悪いと思っ (サナエちゃんありがとう♪お姉さんやっぱりサナエ大好き♪) ・・・・あのね………… (きゃー!!家族の愛かな!?お姉さんの気持ちが伝わったのかな!?) あ~んもう!!!煩いわよ!!起きるなり滅茶苦茶マシンガントークするな!!」
また怒鳴ってしまった鶴の一声によりユイは冷静さを取り戻してくれた。こいつは子供と大人の対応に温度差が激しいとプレアから聞いたけどこんなに違うと思わなかったわ。
「ごめんね♪お姉さん子供なら誰でも興奮しちゃうの~」
冷静と言うか元がこんな奴だから興奮すると犯罪の臭いしかしない。
「全く……もう動ける?」
「勿論♪よいしょっと……あわわ」
起き上がるとまだ頭がくらくらしてるのかバランスを崩して私と抱き合ってしまった。
「ちょ、は、離れなさいよ!?」
抱き合うと顔が近くてまじまじとユイの顔を見てしまった。優しくて仄かに香る甘い匂い、物腰柔らかくて離したくない身体。瞳は大きく子供のような顔つきだが豊満なバストとむっちりとした体型で大人を演出している。頬と頬を合わせるとスベスベで滑らかな唇が合わせようとユイは迫ってくる。
「や、やめ!」
嫌なのにどうして離れられない、完璧な女なんて嫌いなのに……ぎゅっと抱き締められてるのか身体が火照ってるのか全身が熱い、ユイの世界に飲まれて……溺れて……甘くて柔らかくて唇が……
重なった。
「んん!!!」
駄目駄目駄目駄目!!やめて!私で遊ばないで!!ファーストキスはアイツにあげたかったのに!!こんな巨乳エロ女に奪われるなんて嘘よ!!でも…………嬉しい。
惚け薬を飲まされたような恍惚感、口の中に広がる甘くて優しい液体が絡み付き止まらない。誰か助けて……
ユイの虜となってしまった私はもう……戻れなくなっていた。




