第21話 元魔王、日本中に存在を知られる?
読者の方からの助言を頂き、所どころさんの漢字を変更しました。
【旧】所 →【新】処
翌日、朝10時にテレビ局に入った。11時から打ち合わせをすることになっているからかなり早い局入りだが、司会の処さんをはじめ共演者に挨拶に回るとなるともしかしたら時間が足りないかも知れないが、あまり早くても共演者が来ていなければ意味が無い。とても難しい判断を専務さんはしているようだ。
とにかく早めに入って来る人来る人順に挨拶をして行けば良いだろうと専務さんは言っていた。
司会処さんは既に来ているようで既に打ち合わせの打ち合わせをしているようで打ち合わせの場所で会うまで挨拶は出来なかったが、他の共演者には粗方あいさつが出来たので良しとしよう。
「処さんから聞いたんだけど、出演者のリクエストを聞いてそれを瞬時に出してくれるマジックを見せてくれるんだって?」
「希望であれば」
「じゃ~今日はそれで行こうか。で、仕込んであるリストを見せてくれないかな。そこから選ばせるからさ」
「そんなのは無い。勝手に言ってくれたらそれで良い」
「……本当に大丈夫なの? ちなみに今出来る? 心配だからさ、今やって見せてよ」
「では、何を出せばいい?」
「そうだね…… 富士山とかどうだ」
富士山? 富士山ってあの新幹線から見た山のことか?
「出してもいいが、この部屋には入らないのではないか?」
「えっ、本物を出すつもりだったの??」
「それが希望では無かったか?」
「いやいや、さすがに山は無理でしょう」
「そうか、ではこれならどうだ」
俺は部屋の壁に富士山を投影してやった。これならリアルタイムの富士山が見えるだろう
「えっ、これどうやって映してるの?」
「企業秘密です」
「どう? 無いものを出す。今日はこれで行こうよ」
ここで処さんが決定を促してきた。
「わかりました。リスト無しでリクエストした物を出してくださいよ」
「了解した」
こうして進行リハサールをしながらカメラテストや照明・音響の調整も終え、いよいよ本番を迎える事になった。リハ前に聞いたことだが今日は生放送らしい。これは専務さんも聞いてなかったようで俺より慌てていた。どうやら所さんが俺のマジックは生じゃないとCGと疑われるからとプロデューサーに進言して実現したらしいが、ライブはいつもの事なので気にならない。
放送が始まり、いよいよ俺の出番だ。
登場は処さんに言われていたように紹介をした瞬間に隣に出る事になっていたからカメラは引き気味で映すと聞いたからきっとインパクトを与える事が出来るだろう。
「さて、次は俺が名古屋の番組で出会って驚いたマジシャンを紹介しようかな。椿サザン君です。こんにちは。久しぶりだね」
「こんにちは。名古屋以来ですね」
「昨日会ったじゃん」
「そうでした? ご飯しか覚えてませんでした」
「いいよいいよ。椿君はボケも出来るんだね。ところで、いつからここに座ってたの?」
「紹介されたから出てきました」
「本当に? えっ、みんなは見てた? 本当に今出て来たの?」
「急に現れよったぞ」
「そうそう」
「湧いて出よったわ」
共演者が次々に騒ぎ出す。
「テレビの前の皆さんもご覧になりましたか? 椿君今のは何?」
「テレポート。瞬間移動ですね」
こうして俺は全国デビューを果たした?




