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第13話 元魔王、初収録に参加する

今日は俺のプロデビューだ。昼から金シャチテレビでの収録に参加する事になった。

これは専務が決めて来た初仕事だから失敗は許されない。


社長はトークの勉強をさせてからデビューをさせたかったらしいが、テレビ局の方が許してくれなかったらしい。


「ところで、今日の社長は元気が無いな」

「あっ、あぁ~ 先日の絵ね。椿君が壊した絵。あれ、やっぱり贋作だったようショックを受けてるんだよ」

「だから言ったろ。偽物だと」

「そ…そうだね。だから今日はそっとしておいてあげて……」

「了解した」


そろそろ事務所を出る時間だが社長には挨拶をしないで専務と一緒に金シャチテレビに向かった。


駐車場に止めると裏口にある業者受付と言う窓口で入館手続きをすると入館証と書かれたプレートを首から下げるように言われ中にはいった。


専務に付いて行くと椿サザン様と書かれた部屋があった。楽屋と言うらしい。収録が終わるまでここが俺の控室になるそうだ。


荷物を置くと、と言っても今日の為に作られた衣装だそうだ。俺が来ている服では見栄えが悪いそうで強制的に作られたものだが、それを置くとあいさつ回りに行くから着いて来いと言われ部屋から出る。


俺の様な個人名が書かれた部屋も有れば出演者とだけ書かれた部屋をすべて回り挨拶をするらしい。初めに来たのは司会を務める所どころさんの楽屋。


専務がドアをノックすると返事がありドアを開ける。


「お休みの所を失礼します。リバーサイドプロノーションの川岸と申します。本日はうちの新人でマジシャンの椿サザンがお世話にまりますのでどうかよろしくお願いを致します」

「椿サザンです。よろしくお願い致します」

「新人さんなのね。頑張ってよ。今日はよろしくね。何か困ったことが有ったら力になるから何でも気楽に言ってね」

「ありがとうございます。処さんにそう言って頂けると心強いです。なにせ初のテレビ収録なので粗相をしました時はご寛容にお願いをします」

「そう。初めての収録なのね。良いよ良いよ。初めてで失敗しない人なんていないから気にしなくて良いよ。俺がちゃんとフォローするから安心してね」

「重ね重ねありがとうございます。それでは他の方にもご挨拶をしてきますのでこれで失礼をします」

「はいはい。また後でね」


こんな調子で全部の楽屋を回り、挨拶だけで疲れて来た。

それから個人リハ・全体リハと進みやっと収録本番を迎えた。


今日、俺が使う魔法は瞬間移動と修復。瞬間移動は先日社長たちに見せたのと同じで他の出演者にガラスのコップを伏せてもらい、その中にコインをどんどん入れて行く。コインも局が用意した物を使う事になっている。専務が言うにはどのマジシャンもやらない試みらしい。次の復元は司会者である処どころさんが所持する高価な時計をお笑い芸人さんが金槌で壊し、それを復元すると言うもの。どちらも専務が見ているから売り込んだとか。

所さんに打診をしたら初めは相当拒否られたが、失敗をした時は局が弁償をすることで話が折り合っていたとはっ収録が始まってから初めて知ることになる。


収録は順調に俺的には行ったと思う。ただ、いろいろ突っ込まれてしどろもどろになった事だけ教えておこう。


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