表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/31

第10話 元魔王、社長の前で魔法を披露する

専務は「ここで待っていてください」と言うと再び社長室に入って行った。と思ったら直ぐに俺も呼び戻された。


「ごめんさないね。用事はスマホだけじゃなかったわ。あなたのマジックがどこまでできるのか確認したかったのよ。ここで何でも良いからやって見せて頂戴」


そう言う事か。社長も俺の魔法が見たかったのか……。ではとっておきの物をお見せしよう。


「社長の好きなものは何ですか?」

「お金よ」

「わかりました」


俺は社長の目の前で手を合わせるせ「召喚!」

大きく手を広げると社長の目の前に山の様な札束が現れたのだった。


「ちょっと、何これ…… 全部本物じゃない! どこから出したの?」


ふふん~ 驚いているね。俺の魔法ではこんなの朝飯前の夕飯後だ。


「あなた、こんなにもお金を持っていてどうして漫喫暮らしだったのよ」

「社長、いくら本物でも小道具に使っている物は大事ですから」

「それでも限度ってあるでしょ。これ、いくらあるのよ~~」

「落ち着いてください。椿君、他にも見せてくれないかな。出来れば普通のマジックらしいものを」


普通のマジックってどんなのだ?? 聞くか……


「例えばどんなものだ?」

「そうですね、例えばここに在るコップにコインを入れるとか、トランプのカードを当てるとかさ」

「なんだ、そんな事で良いのか」

「準備が居るなら少し時間を取るよ」

「時間など要らん。簡単にできるぞ」


俺は空間収納から小銭を取り出すと、コップの上からコインを入れた。


「「ブハハハハ~~~~~~~」」

「あなた、ギャグも出来るのね~」

「それ、俺にでも出来るわ~」


何処がおかしいのかさっぱりわからん。コップにコインを入れろと言われたから入れただけなのに……


「意表を突かれたわ~。今度はちゃんと見せてね」

「ちゃんとと言うと??」

「ほら、コップの横からとか底から貫通させて入れるとか有るでしょ?」


あぁ~ 普通に入れるなという事か。それならそうと言ってくれたら良いのに……


俺は小銭を数枚取り出すとコップを逆さにテーブルに置き、あらゆる方向からコインを入れて行った。単にコインを瞬間移動させるだけだから。魔族なら子供にだって出来る。


「「…………」」


用意したコインが無くなったからもう良いかと二人を見ると目が皿のようになっていた。


「ねぇ、こんな数をいつの間に仕込んだの?」

「それより、ふつうは色付きの5円とか10円は使いませんよ……」

「椿君、これのネタを教えてくれないかしら?」

「ネタって何だ?」

「仕込みよ。予めこうなるように準備をしていたんでしょ?」

「何もして無いぞ」

「「…………」」

「どうかしたか」

「い…いえ、じゃ~他のコップでも同じことが出来る?」

「できるぞ」


そう言うと社長は別のコップを持ってきて同じように伏せてテーブルに置いた。


「いま私が用意してそのまま置いたからネタを仕込む間がなかったわよね。この状態でも出来ると言うの?」


疑うように聞いてくる社長の目の前で次々にコインを入れてやった。と言うか、移してやった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ