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24 アシャの友達

お久しぶりの、こっそり更新。


登場人物紹介を削除しているため、話数が変わりません。

不親切仕様申し訳ありません……


 結局、二人でやろうと約束していたクエストがあって、それができるのが朝時間帯だけだから、と言って断りました。

 また組もうと、フレンド交換しましたよ! 全然知らない人とは初フレンドです!


「危なかったー……」


「もー、気を付けてよ」


 知らない人と組むのは、もっと『檻』に慣れてからです。何せ戦闘不可の移動不可ですからね。どう立ち回るのが一番いいのか、まだわかりません。


「うーん、すぐにフィールド出ようと思ってたけど、これじゃ出られないな。朝時間帯のクエストしてみる?」


「あ、あるんだ本当に」


「パーティーで受ける繰り返し不可の一回キリのヤツね。それとも逆に……私の友達に会ってみる?」


「!!」


 アシャの友達。私たちをこのゲームにきたきっかけの人。


「うん、会ってみたい! 前の時は、一人でクエストしてみようとしてたから、やめたんだっけ」


「それでゲットしたものが大きすぎる」


 アシャは、友達にいつでも呼べと言われているからと、すぐに連絡をとりました。お友達さんたちは、『王都・イツリマ』を拠点にしているのですが、ここまではゲートというものですぐに来られるそうです。ゲート?


「んーと、『ど○でも○ア』みたいなのかな。これが各都市にあるんだけど、固定されててプレーヤーなら誰でも使えるの」


「私にも使える?」


「うん。でも、本人が行ったことのある場所にしか行き先にできない」


「あー……行き先選択ができない」


「そゆこと」


 他の人にゲートで連れていってもらう方法もあるらしいのですが、そうするといくつかのクエストが発生しなくなるので、オススメしないとのこと。

 確かに隠れクエストを探してる身としては、発生しないのはデメリットしかありません。


「私もまだできないし」


「そっかー、それってどこにあるの?」


「ここ」


「へ?」


「だから、ここ」


「ふぇえ?」


 ゲートは死亡時の復活地点を兼ねているとのこと。つまり、この場所がゲートです。


「まさかの」


「あはは、『どこ○もド○』と違って、入るときは小さいけど、出るときには広いんだ。ここは正確には出口」


 入り口はあそこ、と、広場の傍らにある白い建物が指差されました。

 そこは丸いミニチュア神殿のような感じで、円形の屋根をいくつかの白い柱が支えている小さな建物がありました。6~7人入ればいっぱいになりそうなその建物には、それ以外の何もありません。中に入れば、天井に描かれた魔法陣が見えるそうですが。

 公園にある四阿だと思ってました……。


「そんな役割が……」


「他の町でも同じ形の建物があるから、覚えておいてね。その前にある広場が復活地点」


「わかった」


 話しているうちに、私たちよりレベルの高そうな人たちが白い建物の中に入り、しばらくしてスッと消えました。ああやって別の場所に移動するみたい。面白いな。



 ずっと見ていたら、夢中になっていたみたいで、すぐ横を通り抜けた人に反応するのが遅れてしまいました。


「アシャさま~~~~!! なのだっ♪」


「ふぇ!?」「は、わぁ!?」


 すぐ横を通り抜けた人は、そのまま叫びながらアシャに突撃しました。何事!?


 見ると、そこには赤い髪をツーテールロールにして、眼鏡をかけた紅い衣装のお姉さんがいました。アシャが抗議しています。


「こら。もういい加減急に飛び付くのやめろ」


「いやー、ここまで来たら継続すべきなのだ」


「いや、連れがいるときは危ないからやめてほしい」


 そこにさらに、背が高くて筋肉もりもりのお兄さんがやって来ました。髪は茶色、瞳は緑でカッコいい顔をしています。 鉄の鎧を着ていますし、剣士さんとか直接戦う役目の人なんでしょうね。

 筋肉のお兄さんはすまなそうな顔でアシャに謝りました。


「すまん! ゲートから出た瞬間までは、しっかり掴んでたはずなんだが」


「いや、もう本人のせいだと分かってるんで」


 掴んでた、というのはこの、ものすっごくアシャにスリスリしてる赤い人のことでしょうか? なんかアシャ、剥がそうと懸命なのですが。

 ちょっとムカついてきました。


 が、それも彼女が無邪気な表情で振り向くまでのことでした。


「あ、そっか、この子がアシャさまの親友なのだ?」


 赤い人が、とても人懐こい顔とキラキラした瞳でこちらを見ています。その瞳は緑。真っ赤な髪と衣装の中で、宝石のようにひときわ輝いています。

 それを受けて、アシャが私を紹介してくれました。


「ああ。月詠だよ。月詠、こっちの髪がくるくるしてるのが、ミディラクア。こっちの大きいのがその兄でモァモトだよ」


 赤い人がミディ、ラ、クアさん、おっきいお兄さんがも……まー……もあもと? さんと言うらしい、のですが……は、発音が難しい。


「ミディラクアなのだ! ミデラって呼ぶのだ♪」


「モァモト。って発音しにくいから、俺もモトって呼んでくれ」


「月詠です! ミデラさん、モトさん、よろしくお願いします!」


 良かった! 呼びやすい名前を指定してくれて良かった! アシャもそうだけど、なんでこう呼びにくい名前なんだろう?


「前のゲームじゃ、他の人と同じ名前が使えなくってね。シンプルな名前じゃ通らなかったんだ」


「だから、命名サイトを使って、適当な名前を作ってその中から選んだのだ」


「滅多に被らないから、他でもそのまま名乗ってるんだよ」


 顔に出ていたのか、理由を教えてもらえました。そういうのがあるのか……


 ミデラさんは、リアルだと私の一つ下、モトさんは二つ上の兄妹なのだそう。本当の兄妹でゲームしてる、って楽しそうでいいな。


「女の人のアシャさまもカッコ良かったけど、男の人のアシャさまも綺麗で素敵でカッコいいのだ~♪」


 けれど、こう、アシャに貼り付いてるのは気にくわないです。なんかモヤモヤする。


 見た目はスラッとした金髪美形のアシャと、それより少し背の低い赤い髪の美女はとてもよく似合います。モヤモヤ。


 でも、ミデラさん……年下だし、ミデラちゃん? は無邪気にこんなことを言います。


「綺麗でカッコよくて素敵なアシャさまの隣に、キレイで可愛くてキュートな猫天使の月詠ちゃんがいると、すごい映えで素敵すぎてクラクラするのだ〜〜♡」


「おまえ、もうちょっと抑えろ」


 ため息をつくモトさんを見ながら、なんだかモヤモヤが止まらない胸を押さえたのでした。





お読みいただきありがとうございました。


ストックなしで更新しましたので、またいつ更新できるかわかりません。


誤字報告お待ちしております_(´ཀ`」 ∠)_

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