体質の違い
戦士と魔導師の旅に加わって早数ヶ月。
イストには疑問があった。
互いの性格もなんとなく理解し、宿の三人部屋をとることも日常的になってきた。
にも関わらず、彼ら二人との間に見えない壁があるように感じる。
「悪い、具合悪ぃ。今日は一人部屋で頼む」
そう言って、体調を崩した仲間が別室へ消える。
珍しいことではない。
多くの場合は二、三日寝ていれば治る。長引けば医者を頼むこともある。
もう一人の仲間が差し入れに出入りすることはあるが、基本的に入り浸るということはない。
そしてイスト自身は、病人の部屋に入れてもらえない。
「ソル、入っていいかい? ウィザに水を飲ませたほうがいいと思って」
「サンキュ、渡しとく」
「ウィザ、ソルの具合はどうだい? 果物を切ってきたんだけど」
「悪いな、食わせとく。お前はもう寝てろよ」
そう言ってドアは閉められる。
少なからず病人と接しているにも関わらず、戦士と魔導師が互いの風邪をうつされた姿を見たことはない。
おそらく体質が違うのだろう。人それぞれに免疫は違う。かかる風邪も違う。
大変結構なことだ。
が。
「どうしてオレは出入り禁止なのさ! 仮にも旅仲間を看病しちゃいけないのかい!?」
「てめえは両方引き取る上に橋渡しするだろ!!」
「一個の風邪が三周したの忘れたのかよ」
「オレの免疫のバカ!!!!」




