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三者三様・2
ある日ある時ある村に、旅の魔導師が訪れていた。
彼が町を歩いていると、一人の少女が縄跳びをしていた。
少女はとても楽しそうに遊んでいたが、なぜか4回跳ぶごとに縄を置く。
魔導師が事情を聞くと、少女は答えた。
「この村ではあらゆることを5回やってはいけないのです。5は不吉な数字なのです」
魔導師は言った。
「6回キメろ」
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ある日ある村ある宿に、旅の戦士が滞在していた。なんの変哲もない宿屋だったが、どのドアの前にもやたらと呼び鈴が置かれていた。
玄関、客室、トイレの個室。
事情を聞いた戦士に宿の者は答えた。
「この村では10回以上のノックは災いを呼ぶと言われているのです」
「俺でもキレるわ」
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ある日ある村ある道場に、旅人たちが見学に来ていた。
敷地の中心には巨大な鉄の像があった。年代物のようだが、あちこちがひどくへこんでいる。
不思議に思った神官に案内係が言った。
「開祖はこの像に9999999回目の拳を打ち込んだとき、素手でゴーレムを倒す力を得たのです!」
「えっすごい!」
「つっこめよ」
「鉄を9999999回も殴れる拳がすげーんだよなあ」




