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『あーん』し合うなどという発想はない。
ある日ある時、ある遺跡にて。
ソルたちは悩んでいた。
目の前には黄金でできたフォークがある。食事と言うよりはデザート用のものだろう。繊細な彫刻の施された持ち手は職人技によって限界まで削られており、誰の手にも問題なく扱えそうだ。
上品ながらも無駄のないフォルムは、遠目にはちょっとした槍のようにも見える。
全長は2メートルほどか。
「でけぇよ!」
ウィザが叫んだ。イストが困った顔をする。
「巨人伝説の残る遺跡だからねえ……がんばれば普段使いできるかな?」
「こんなもんで食ったら喉が破れるぞ」
ウィザがげんなりして呻いた。
遺跡を調査する依頼は当たり外れが大きい。
ようやく収入につながりそうなお宝を見つけたものの、こういう微妙な品は安く買い叩かれがちだ。
ソルはフォークを台座から外した。そしてふと思い出した。
「そう言やどっかの大陸じゃ、すげー長い箸で飯食う方法があるらしーぜ」
「へえ、どうするんだい?」
「……なんだっけ……」
ソルは長剣を抜いた。
「3つに折って金塊にすりゃいーか」
「そうだな。持て余すなら分けりゃいいんだよ」
「結論へのプロセスが雑!」




