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よくあるこぼれ話  作者: 鈴乃


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13/32

『あーん』し合うなどという発想はない。

 ある日ある時、ある遺跡にて。

 ソルたちは悩んでいた。

 目の前には黄金でできたフォークがある。食事と言うよりはデザート用のものだろう。繊細な彫刻の(ほどこ)された持ち手は職人技によって限界まで削られており、誰の手にも問題なく扱えそうだ。

 上品ながらも無駄のないフォルムは、遠目にはちょっとした(やり)のようにも見える。

 全長は2メートルほどか。


「でけぇよ!」

 ウィザが叫んだ。イストが困った顔をする。

「巨人伝説の残る遺跡だからねえ……がんばれば普段使いできるかな?」

「こんなもんで食ったら(のど)が破れるぞ」

 ウィザがげんなりして(うめ)いた。

 遺跡を調査する依頼は当たり外れが大きい。

 ようやく収入につながりそうなお宝を見つけたものの、こういう微妙な品は安く買い叩かれがちだ。

 ソルはフォークを台座から外した。そしてふと思い出した。

「そう言やどっかの大陸じゃ、すげー長い箸で飯食う方法があるらしーぜ」

「へえ、どうするんだい?」

「……なんだっけ……」


 ソルは長剣を抜いた。

「3つに折って金塊にすりゃいーか」

「そうだな。持て余すなら分けりゃいいんだよ」

「結論へのプロセスが雑!」



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