12/32
有事にあなたを救うかもしれないサバイバル知識
ある日あるときある山の中、野宿が続いた夜のこと。
イストはグラスの半ばまで入った水とにらめっこしていた。
逆の手に持った水筒を逆さにして振る。縁にたまった雫が一つ、グラスの中へ落ちた。
イストは地面に膝をついた。
「手持ちの水がこれっきりなんて……! 主よ、オレは明日の朝の身支度を諦めるしかないのでしょうか……!」
「水深1㎝ありゃヨユーだよ」
寝支度を済ませたソルが横を通りすぎた。
★☆戦士による節水歯磨き講座☆★
①グラスに水を入れます
②歯ブラシを濡らして歯を磨きます
③歯ブラシの汚れはこまめに布で拭き取ります
④グラスの水で少しずつ口をゆすぎます
★☆おしまい!☆★
「……なんだい今の」
「さあ」
イストは気を取り直して立ち上がった。
「ありがとう、やってみるよ」
「ん」
ソルが近くの石に腰かけた。自分の水筒を傾ける。
とぽとぽとぽとぽ、と澄んだ水がグラスに注がれた。
「…………ソル。その水どこで汲んだんだい?」
「向こうの川だよ」
「そっちを教えてくれよ!!」




