第二十三話 柚葉と柚子
匠君の言葉で、この部屋の空気が変わった。柚子の話題から林間学校の事にガラリと変わろうとしていた。しかし、それを面白く思っていない人物が話を戻しにかかる。
「柚子ちゃ~ん」
匠の母が声をかける。
「はいっ」
思わず柚葉が返事をしてしまう。柚葉の膝の上にちょこんと座りうとうとしかけていた柚子。
「あらぁ、柚子ったら安心できる場所を見つけたのね。ふふっ、誰かさんより柚子はとっても素直よねぇ~、柚葉ちゃん柚子をお願いね」
そう言い残して部屋を出た。その事がきっかけで話題が一気に戻ってしまう。
「柚子ちゃん、柚葉の事が気に入ったんだね」
「そうかなぁ?」
「そうだよ!」
果桜と柚葉との会話が、林間学校の事から瞬く間に柚子に引き戻された。
――柚子ちゃんかぁ……、直接、匠君から聞きたかったなぁ
そんな事を思い自分の膝で眠ってしまった柚子を見つめていた。
やっと、会話を柚子から林間学校へと持っていった匠に、そう簡単に安心を与えない(笑)
さぁ、このあとをひな月さまに託します。
どうか、よつ葉の意図がひな月さまに届くように祈っておこう(笑)
ひな月さま、よろしくお願いしま~す。




