第二十話 匠君の家
「あらぁ、柚子いいわねぇ~」
匠君のお母さんが、子猫に声をかけながら飲み物を持って部屋へ入ってきた。
「さぁ、どうぞ」
「ありがとうございます」
「いただきます」
光や果桜は、慣れているようでフレンドリーに返事をしている。
「さぁ、柚葉ちゃんもどうぞ」
匠君のお母さんに、いきなり名前を呼ばれて声が裏返るかと思うくらいびっくりした。
「あっ……ありがとうございます」
「いいぇ、ゆっくり柚子の相手をしてあげて」
「はい」
光君と果桜は、用意してもらった飲み物やお菓子を前にして、お喋りしながら盛り上がっていた。
「ゆず~~」
果桜が、普段言わないような言葉をいうので、驚いて果桜を見ると
「えっ? いやだぁ。柚葉じゃなくて猫のほうなんだけど?!」
「ミャア~」
「ゆず~~! うーーん可愛い!」
果桜は子猫を撫でながら、柚葉の顔をみて笑う。
「果桜、わざとだろ?」
光が果桜に問いかける。
「嫌だなぁ~、そんなわけないじゃない」
果桜はイタズラな笑みを光に返し子猫を抱き上げた。
遂に、柚子との対面。
なんですが、またまた匠のお母さんの存在に圧倒されてしまいました。あんちゃん、回収よろしくお願いします。
by 菜須 よつ葉
次回 匠sideです!!




