第十八話 子猫の名前
だんだん家が近くなるにつれて、僕の足取りは重くなっていく。
「ねぇ、かわいい?」
「うん!」
「名前つけたの?」
「ううん、匠君がつけてくれてると思うよ」
早く子猫ちゃんに会いたかった。前を歩く匠君と光君が、こそこそ何か話している。
一人の女の人が家の前に立っていていた。
匠君に話しかけたのをぼんやり見ていた。
「あっ、匠のお母さんだ!」
果桜が大きな声をだした。
「えっ? そうなんだぁ」
そしてみんなで匠君の横に並んだ。
「母さん、みんなが子猫見たいって」
匠君が、お母さんに説明してくれている。
「あらあら、柚子に会いに?」
「えっ?」「母さん!!」
匠と柚葉の声が重なった。
「柚子?」
私は思わず声に出ていた。
「光君、果桜ちゃん いらっしゃい」
「おばさん こんにちは」
「匠が子猫を飼い始めたって聞いて」
匠のお母さんと果桜と光が話している。それを見ていたら
「母さん、同じクラスの松岡柚葉さん」
そう言って私を紹介してくれた。
「初めまして。松岡柚葉です」
「いらっしゃい。あらぁ、ウチの子と同じ名前なのね」
「えっ?」
「ウチの子猫、柚子って言うのよ。可愛いでしょ。さぁ、どうぞ見てやって」
そう言って玄関を開け、柚子ちゃんのいるお部屋へ案内をしてくれた。
知りたかった子猫の名前を意外なところから知ることになりました。 このあとの匠sideが楽しみです。
by 菜須 よつ葉
次回は(匠side)です。




