第十話 あぁ~わかった!!
――嫌な予感は最悪の状態で当たらなくて良かったけど、結局は副班長って。
何が大変だっていうとこ゚の班が課外授業までの期間は続くって事。それに期間前の準備や何やらで結構な回数で放課後に呼び出されて他のクラスの人たちと準備しなくちゃいけない。レクリエーションとか何とか……よく分からないけど、課外授業ではイベントが有るらしい。その事前の係を各クラスから出ている班長と副班長がする。
僕らのクラスは三十四人。他に三つのクラスが有って学年だと百三十人位になるのかな。その人数分を計算しながらいろいろと揃えていく。
「はぁ~……」
僕は目の前に置かれている印刷物の前で大きなため息をついた。現在、学校の職員室に近い場所にある会議室で、[旅のしおり]と呼ばれるものを作るため、スケージュールやイベントの内容、各クラスの班長などの名前が印刷された大量の紙の前で、自分のクラスから選ばれた人たちで黙々《もくもく》と[纏めては留める]という作業を繰り返していた。
「大きなため息ねぇ……」
隣で同じ事をしている果桜が僕の顔を見ながら話しかけてきた。
「だってさ……これだよ? そりゃあため息も出るよ」
僕は目の前の束になっている紙を見ながらまたため息をつく。
「結構楽しくない?」
「どこが?」
僕は少し呆れつつ返事を返しながら横を見る。隣の果桜は見る限り楽しそうに同じ作業を繰り返していた。
すると――
「あぁ~わかった!!」
僕のかをを見た果桜は閃いたみたいな顔で見返し、僕の背中をバシバシと叩いてくる。
「痛い痛い!! やめろ。何が分かったんだよ?」
手を止めて果桜のその後の言葉を待った。
「えぇ~匠がどうして今つまらないのか……だよ」
――ドキッ
僕はその言葉に少し焦りに似たような感情が胸の内に沸き起こった。そして、それを悟られない様に少し大きめな声を出した。
「な、何のことだよ」
「あぁ~隠してる隠してる。私には分かっちゃうんだよ。匠が考えてる事……」
「だから何だよ」
少し寂しそうに下を向いた果桜は声を小さくしてその先を答える。
「ゆず……柚葉ちゃんがいないからでしょ?」
「え!?」
考えてなかったという事はないけど、まさかここで果桜から言われるとは思っていなかったから動揺する。
「ふふふ……なんて顔してるのよ。ほら話してないで手を動かしてよ。終わらないと帰れないんだから」
「え!? あ、うん……」
その後はお互い話すこともなく、それまでやっていた事の繰り返し。目の前にある紙の量はどんどんと減って行って終わりに近づいてきた。
「やっぱり匠は柚葉の事が……」
「え!? なに?」
小さくボソッとこぼした果桜の声に反応した。
「え!? 今の聞こえた? ううん!! 何でもないよ。うん……。何でもない……」
そういうと他のクラスの人と話を始めた果桜。
僕はそのまま何も聞くことが出来ず、ただただ目の前の紙に集中した。
お読み頂いている皆様に感謝をm(__)m
今回はちょっと核心を突かれる匠くんです(笑)
こういう年代って男の方があんまり自分を出すって事が苦手なような気がします。だからそれが出せる子が憧れだったり、逆に苦手だったり……
自分は前者だったかな?
懐かしい時代です……
by 藤谷 K介
次回は(柚葉side)です(*^^*)




