第二談 準備期間
白の国 王城
白の国 都市 聖地ラーノル
展開された魔法式は一瞬光をだし、人々が目を開けられるようになったときには、白と青のローブを羽織った者達が立っていた。国民は黙りこみ、国王でさえ、驚いた表情だった。理由は、この魔法は存在は知られていても今回が、初めての試みだったからだ。多くの学者が不可能だと言っていたので、大半の者は諦めていた。しかし、奇跡は起こった。
「……せ、せい…………成功だ~!!!」
「「「ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ「う、うるさい……」ァァァァァァァァァァ「テンション高!」ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーー!!」」」
国民は大歓喜しており隣にいた者や近くにいた者同士で抱き合っている。なかには大泣きしている人もいた。国のトップにいた者も喜んでいたが国王は口を開け、
『静まれーーーー!!!』
国王の言葉は違うようだ。感情無理やり抑え国民は国王の話しに耳を傾けた。
『奇跡は起きた!神は我らを見捨てなかった!信じ祈り続けた結果だ!今度は我らの絆を示そうではないか!』
「「「オオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ「また……うるせえ!!」ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ「エネルギーの無駄じゃないか。」ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」」」
白の国 王城
国が盛り上がっていくなか、使徒一行は玉座の間に連れてこられた。そこに座っていたのは現国王であった。国王は白の冠に白の服とやはり白をベースにしていた。もはや見飽きてしまう。50代のように見えるような顔立ちであったが、太ってはいなかった。
「使徒の諸君!我々は諸君らを歓迎しよう!申し遅れたが私の名は、ミルテン・ラル・エダリアだ!」
(((うっわぁー……テンション高いし上から目線だなぁー)))
メンバーのほとんどがそう思っていた。この世界では当たり前かもしれなくても、日本人からしたら絶対に、アウトであろう。この国王にとって我々はただの使用人と同じように見ているようだ。使徒とは言え、連れてきたのは神であり、手を貸すのは当たり前と思っているようだ。
そして、自分の方が上だと考えているようだ。
「ところで、諸君らの代表者は誰だ?」
言われれてみると、代表者位決めているべきだった。この際なので、ほとんどのメンバーが、あの警察に目線を向けた。それに察したのか、警察は少しため息をして前に出た。
「初めまして、使徒の一人、七瀬灯夜です。」
七瀬灯夜。学校では常にトップクラスの頭脳と成績の持ち主で、警察でも出世できるような人だ。短髪の黒髪が特徴。身長は170後半だ。
「うむ、早速明日には状況の説明などをおこなう。今日は宴会だ!存分に楽しんでよい!それぞれに部屋を用意しておるから、宴会までくつろいでくれ」
王の言葉を後に使用人に案内されながら、各員部屋に移動した。ちなみに、男性には美人のメイドさんを、女性にはそこそこイケメンな執事を付けて行った。ハニートラップか?使徒相手に何がしたいのだろうか全く分からない。
《ここからは主人公の視点も入ってきます》
…………おかしい、何か突っ込みたいが何に突っ込めばいいのかわからない……ま、いっか!じゃあ、自己主張を始めよう。俺の名前は、城兎幸野と申します。え?しろの字とこうの字が違うって?名付け親に言ってくれ。え?完全に白の国と被らせてるだろうって?いやどこがだよ。
そんなことよりとりあえずこの状況にまだ混乱してる。神様の話しを途中で区切ったけど、依頼か……ふむ
ちなみに幸野は大学生だ。身長170後半ぐらい、黒髪で、人望はあったりなかったり……そんな彼にも夢があるが、それはまた別の機会に……
案内されてるけど、辺り一面中世ヨーロッパ……いや魔法があるからかな、少し上か。にしても案内してくれる人すごい美人だな。
こんな人に家事してほしい。
幸野を案内していたのは、クールっぽく、白い、少し銀色に近い髪のメイドさん。モデルになればすぐに人気とれるよ絶対。
そして案内されたのは、ひとつの部屋。
「ほ~、やっぱきれいな部屋。日本人が持つヨーロッパにプラスしたような現代風の部屋だな」
「……それでは私はこれで。何かございましたらそちらに置いてあるベルを押すか、近くにいる使用人をお呼びください。」
そう言ってどこかに行ったメイドさん。はて、てっきりハニートラップ(あれやこれや)をしてくるかと思ったんだけどなぁ~。はっは~、さてはクーデレだな。
どこの世界にも変態はいる。気にしてはいけない。