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プロローグ

ちょっと思いついた日常傍観者系ファンタジー

とりあえず定期更新できるように頑張っていきたいと思います

 突然だが、流されやすい人と聞くとどんな人を思い浮かべるだろうか?

 

 おそらくだが、大体の人は周りの人の意見にすぐに影響されるようなそんな人を思い浮かべるはずだ。


 では流されやすい体質の人といわれたらどうだろう?


 おそらくだがこれは答えられる人はいないのではないだろうか。


 なにせ流されやすいというのは間違っても体質なんてものになるはずがないからだ。


 そう、そんな体質はあり得ないはずだった。あの日までは・・・


-------------


 3月末、俺は春から始まる大学生活の準備をしていた。具体的には実家からは遠い地方の大学というのもあって1人暮らしのための部屋を借りなければならなかったのだ。


 そしてその日、割と安くて大学にも近いという好条件の部屋が見つかって喜んでたところで俺は占い師の爺さんに出会った。


 普段なら特に気にも留めないのだがその日は違った。占い師の爺さんが声をかけてきたのだ。


「ちょっと、そこの若いの。」


「・・・?」


「お前じゃお前。その青いTシャツのおぬしじゃ。」


「・・・俺?」


「そのじゃ、おぬしじゃ。ちょっとこっち来い。」


「・・・開運のお守りだのなんだのっていうのはいりませんよ?」


「わしを詐欺師だのインチキ祈祷師だのと一緒にしないでくれんかの。別に金とるわけじゃない。いいからこっちきなさい。」


「はぁ、面倒くさいなぁ。」


「何が面倒臭いじゃ。わざわざ親切心で呼び止めてやったというに。」


「唐突に声をかけてくる怪しい老人が親切心で声かけてくるなんて思いませんよ。んで、何の用ですか?今呼び止めたっていいましたけど。」


「いやなに、おぬしになかなか愉快な相が見えておったのでな。それを教えてやろうと思っただけじゃ。もちろん料金はいらん。」


「・・・ますます胡散臭くなりましたね。」


「そう思うんじゃったら別に聞かんでもええぞ。あとで後悔することになっても知らんがの。」


「そういう言い方されるとなぁ・・・。まぁいいや、ただなんでしょう?」


「もちろんじゃ。こんな愉快なものを見せてくれた礼みたいなもんじゃからのう。」


「愉快なもの・・・」


「そうじゃ。おぬしにはわしが今まで見ことがないほど愉快な相が出ておる。」


「どんな相なんです?」


「ふーむ。まぁ一言で言うと騒乱の相じゃの。しかも愉快なことにおぬしはその騒乱に巻き込まれん。」


「は?騒乱の相なのに巻き込まれないんですか?」


「そうじゃ。騒乱はおぬしを中心に周りでかなり大量に起こるはずじゃが、おぬしはそれにほとんど巻き込まれん。おそらく関わることすら稀のはずじゃ。」


「なんですかそれ・・・。」


「だから愉快じゃといっておる。おそらくおぬしは周りで起こる騒動に関わることなく、かといって全く知らんところで起こるでもなく、ただひたすらに眺め続けることになるじゃろう。おそらくじゃが価値観が大きく変わることにもなるはずじゃ。」


「あのですね、あなたの言ってることが事実だとしてもですね、さすがに傍から眺めてるだけみたいな悪趣味なことはしないと思うんですが。いくら俺でも解決に力を貸すぐらいは絶対にしますよ。それができないなら関わらないで見ないふりするでしょうし、あなたの言うような状況にはならないと思うんですが?」


「残念ながらそれは無理じゃの。おぬしは力を貸すことも見てみぬふりも絶対にできん。」


「なぜですか?」


「その騒乱はおぬしが力を貸せるようなものではないからの。そしておぬしは流されやすい体質をしておるからの。一切かかわらず無視というのもまた無理じゃの。」


「いや、俺は別に流されやすくは・・・。って、体質!? 流されやすい体質(・・)ってなんですか、体質(・・)って。」


「それはその時になってからのお楽しみじゃの。まぁあれじゃ。最終的にいい感じに落ち着くと思うからそれまで楽しむことじゃ。きっとかつてない体験ができるじゃろ。」


「なんですかお楽しみって、もうわけがわかんないですよ・・・。」


「ほっほっほ。」


「どんな体験するのか聞いても構わないですか?」


「構わんがこっからは金が必要じゃぞ。ただなのはここまでじゃ。」


「また気になるところで・・・。」


「ちなみにわしは設定料金高めじゃ。おそらくおぬしの今の手持ちでは足りん。」


「なっ!?」


「素直にあきらめることじゃな。これからのジェットコースターのような人生楽しむとよいぞ。」


「・・・くっそ。やっぱり聞くんじゃなかった。ほんとろくでもない。」


「人生そういうもんじゃ。」


「あなたに言われたくはありませんね。まぁいいです。一応憶えておきますよ。あなたの言葉。」


「そうするとよい。占いは当たるも八卦当たらぬも八卦と言うしの。」


「当たらないでほしいものですね。では。」


「うむ。ではの、若いの。」


 そうしてその日俺は占い師と別れた。以来その占い師を見たことはない。

 今思えば俺は子の時もっとまじめに話を聞いておくべきだったのだ。少なくとも再会できるようにどこにいるのか聞くなり、約束を取り付けるなりはしておくべきだった。

 その後の大学生活で俺はその占い師の言った通り、騒乱に巻き込まれ、流されやすい体質という意味をいやというほど知ることになるのだから・・・。

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