終わりの始まり
【この世界は退屈です。
だから、私は世界を改変します】
人類の脳裏にそんな声が響き渡った。
【手始めに皆さんに職業を与えます。
この職業というのは会社員などの意味ではなく、剣士や魔法使いといった戦闘方法の区分です。
条件がそろえば転職も可能です】
誰もが足を止めてその声に聞き入った。
まるで意味が分からない、自分は頭がおかしくなってしまったのか。
誰もがそう思った。
【職業を選択してください。
・剣士:剣を使い一撃を重視した者
・騎士:盾を操り防御に秀でた者
・魔法使い:魔法を操る火力を重視した者
・僧侶:回復が可能な者
・盗賊:速さを生かして戦う者
・格闘家:カウンターを狙う者
・冒険者:万能を目指すもの
・踊り子:味方ステータスの上昇を望むもの
・科学者:敵ステータスの減少を望むもの】
脳内からその表示が消えない、人々は悩んだ。
そして、数日が経ちようやく新しいメッセージが脳内に現れた。
【人類全員の選択を確認しました。
今から一時間後、世界は改変されます。
セーフティエリアを除き、モンスターが出現します。
また一部のエリアは空間がゆがみ異界化します。
最初にサービスとして武器と防具を用意しました。
ご活用ください】
人々は思った。
奇妙な感覚から解放されたと。
それは解放ではなく、束縛の始まりだと知る事もなく。