番外編 わたしの部屋
わたしは今、とっても怒っている。
ううん、違う。
とっても悲しんでいる。
だって、だって……
アルが「部屋を別々にしよう」なんていうから!!
思わず、「アルなんて、きら……い、じゃないけど、知らないもん!」って言って、飛び出してきてしまった。
だって、アルと離れるなんて考えたことなかったし、考えたくないもん。
でも本当は、アルの負担になってるのかな?
アルに、迷惑かけちゃった?
……グスン
わたしが泣きながら廊下を歩いているものだから、ミスティに連絡がいったみたい。
ミスティが迎えに来てくれた。
ミスティに抱っこしてもらいながら、ミスティの部屋にお邪魔した。
ミスティの部屋は調合室のすぐ前。
ここ一帯は、ミスティのテリトリーなんだそう。
ミスティにお茶を入れてもらって、一息ついた。
その頃には、涙も止まっていた。
「で、どうしたのよ?そんなに泣いちゃって。」
「アルが……部屋を別々にしようって……」
「あー……(確かに年齢的にはそうだけど、精神年齢を考えるとねぇ……)」
「もしかして、アル、嫌だったのかな?迷惑かけた?」
「それは絶対にないわね。天と地がひっくり返ってもあり得ない。」
「そう……なの?」
「ええ。」
ミスティが断言するなら、そうなんだろう。
嘘をついている様子もないし、ミスティだから信じられる。
でも、じゃあ何で、アルはあんなこと言ったのかな?
「これは私の推測だけど、ユフィーレちゃんは9歳になったでしょう?」
「うん。」
9歳になった。
皆んなが、特別な誕生日パーティーをしてくれた。
大切な思い出。
つい、先日のこと。
「10歳になると、一部では、大人と同じように扱われるようになるの。つまり、子どもだけど、純粋に子どもとして見られなくなる。」
「うん。知ってる。家のお手伝いしたり、弟子になったりするんでしょう?」
「そうそう。ユフィーレちゃんは、9歳。もうすぐ立派なレディの年齢なのよ。部屋を別々にするってことは、一人前として扱っても大丈夫って証何だと思うわよ。」
「一人前……立派なレディ……」
「そう。ユフィーレちゃんは、どう?立派なレディになりたくない?」
「なりたい!アルにも、皆んなにも、頼ってもらえるような一人前に、なりたい!」
「ふふっ。じゃあ、決まりね!ギルマスのところに行きましょ。きっとヤキモキして待ってるはずだから。」
「うん!」
ミスティの言う通り、アルは部屋の前で腕を組んでウロウロしていた。
「アル!」
私の声にすぐ反応してくれる。
「ユフィーレ!ごめんな……やっぱり……」
「わたしも、ごめんね。あのね、わたし、部屋が別々でも大丈夫だよ。」
「え……」
「わたしは立派なレディになるの。アルや皆んなに頼ってもらえるような、一人前のレディに!だから、大丈夫!」
「え……あ……いや、そんなに急がなくても……まだ一緒に……」
「大丈夫!」
「う……(何だろ?俺から言い出したことなのに、すごく寂しいんだが!?)」
「アル?」
「い、いや。わかった。部屋は隣が空いてるから、そこにしよう。……寂しかったら、いつでも来ていいからな?な?な?」
「うん!ありがとう、アル!」
わたしの気持ちを大事にしてくれるアルは、やっぱり大好き。
大好きの気持ちを込めて、アルにぎゅーっと抱きついた。
本当はここで完結にしようと考えていました。
ただ、予想以上に読んでくれて応援してくれている方たちがいてくれたので、ここでお別れも寂しいなと思いまして。
まだまだユフィーレの成長とか、アルの過去とか、書きたいことがあったので、引き続き書き進めることにしました。
第2章まで、少し時間をもらうかもしれませんが、これからも、よろしくお願いします!
また、別作品も投稿していますので、よかったら読んでみてください!




