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聖女は逃げ出した  作者: 氷桜 零
第1章
32/33

番外編 誕生日


今日は特別な日。

なんといっても、今日はわたしの誕生日!


わたしは、わたしが生まれた日がいつなのか知らない。

だいたいこのくらいの時期に生まれたって言ったのを、アルが覚えててくれたみたい。

それで、今日を誕生日に決めてくれた。

本当の誕生日は今日じゃないかもしれないけど、それでもいいの。

今日からは、今日が誕生日になるから。

きっと、今日は特別な日になる。


昨日はワクワクしすぎて、寝るのが遅くなってしまった。

でもアルがポンポンしてくれたら、すぐに寝れたけど。

アレって、何の魔法だろう?

きっとアルだけが使える、特別な魔法だよね。


今朝はいつもより可愛い服を選んだ。

いつもは動きやすいものを選ぶんだけど、今日は特別だから!

フリフリの可愛い服を着たわたしを見たアルが、服に合わせて可愛く髪を結ってくれた。

リボンと髪飾りをつけて、まるでお姫様になった気分。

アルって、本当になんでもできるよね。


今日の予定は、朝ごはんを食べたら、アルとお出かけ。

お芝居を見て、買い物をして、お昼からは誕生日パーティーをしてくれるんだって。

誕生日パーティーって、どんなものかな?

すごく楽しみ。


すれ違うたびに皆んなが「おめでとう」って言ってくれる。

その度に「ありがとう」って返すの。

言われるたびに嬉しくなって、この気持ちをどうしたらいいかわからなくて、アルにぎゅーって抱きついた。

アルは声を上げて笑いながら、頭をポンポンしてくれた。


今日見るお芝居は、昔からこの国にある物語なんだって。


昔はもっと人間が弱くて、魔物にたくさんの人が殺されていた。

けれどある若者が立ち上がって、この辺りを縄張りにしていたドラゴンを仲間と一緒に倒した。

その仲間の1人に聖女がいて、不思議な力で人々を守って国を豊かにした。

ドラゴンを倒した後、若者は仲間と国を作って聖女と結婚した。

それが初代国王と王妃になった、と言う話。


聖女がこの国で特別扱いされる理由の一つを、知ることができた。

わたしは聖女だったけど、聖女について何も知らなかったことに気がついた。

わたしは少しずつでも前に進みたい。

だから聖女についても、少しずつ知っていきたいと思う。


午後からのパーティーは料理人さんが頑張ってくれて、とても豪華なお昼ご飯だった。

ご飯も美味しかったけど、わたしの一押しは3段ケーキ。

フルーツが宝石みたいにキラキラしてて、食べるのがもったいなく思っちゃった。

いっぱい食べちゃったけど!!


皆んなから、一つ一つプレゼントをもらった。

本だったり、リボンだったり、刺繍道具だったり。

とっても嬉しかった。

もちろん、アルからもプレゼントをもらったよ。

新しいぬいぐるみと、絵本と、服と、アクセサリーと……

たくさんもらって、皆んなが呆れてた。


でもやっぱり何より嬉しいのは、皆んなとアルと、こうして笑い合うことができるってこと。


「ユフィーレ、生まれてきてくれて、ありがとう。」


アルのこの言葉が、一番心をざわつかせた。


生まれてくることができて、アルと、皆んなと出会えてよかった!






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― 新着の感想 ―
魔王はいないみたいだけど、ドラゴンいた! アルパパはドラゴンスレイヤーになって国王なるのか!(ならない)
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