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聖女は逃げ出した  作者: 氷桜 零
第1章
26/33

のんびり


大きな仕事が終わって、今はアルの部屋でゴロゴロしている。

アルもしばらく休暇らしい休暇をとっていなかったので、しばらく仕事を休むみたい。

わたしに付き合って、一緒にゴロゴロしてくれている。


寝て、起きて、一緒に食堂でご飯を食べて、部屋でゴロゴロ。

一緒にぬいぐるみで遊んだり、絵本をたくさん読んでくれた。


こんなに一緒にのんびりするのは、久しぶりな気がする。


アルと一緒ならどんなことでも嬉しいけど、こうやって一緒にいる時間の方が、ずっと嬉しい。


「……魔物に囚われてしまったお姫様が言いました。『お逃げください、勇者様。あなたの命は、ここで終えてはいけません。これから先、何千、何万という数えきれないほどの人々を救うあなたが、ここで倒れてはいけないのです!』それでも勇者は引かなかった。勇者は言った。『ここであなた1人救えない私に、この先、何千、何万という人々を救えるはずがない。あなたを救ってこそ、この先に未来があるのです。』と。」


今読んでくれているのは、勇者とお姫様の絵本。

魔物に国を滅ぼされて、唯一の生き残って囚われの身になってしまったお姫様と、魔物を倒すために旅をしてきた勇者。

けれど強い魔物に全然勝てなくて傷ついていく勇者と、それを見守るしかないお姫様の会話。


お姫様は自分だって怖いのに、相手の命を守るためにこんなことを言える。

「心が強いんだなぁ」って思った。


勇者もそう。

自分の命が危ないのに、それでも助けることを諦めずに戦っている。


初めてこの絵本を読んだときは、この2人の気持ちが理解できなかった。

どうして自分の命を優先せず、相手のことをだけを考えられるのか。


何度も何度も読み返して、それでもわからなかったのに。

でも、今なら彼らの気持ちが、少しわかる気がする。


きっとアルは危険な目に遭うようなことはしないけど、もし、アルが危ない目にあったとして、わたしの命一つでそれを助けられるとしたら。

今のわたしは、躊躇わずにこの命を使うと思う。

ううん、絶対に使う。


だってこのお姫様のように、この勇者のように、わたしにとってのアルは、わたしの命よりも大切な人だから。


仮令この先、わたしに愛する人ができたとしても、わたしの何よりも一番大切な人は、きっとアルだ。

それだけは、ずっと変わらない。

何かが変わったとしても、絶対に変わらない唯一。


絶対に揺るがないわたしの柱、それがアルだ。






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― 新着の感想 ―
こうなってくると年齢差が絶妙だよねw 今はロリだけど10年経ったら……
いいっすねぇ…… 一歩間違うと共依存まっしぐらっぽいけど……
そして聖女の加護を受けたアルは勇者になって魔王から世界を救う旅に! 魔王がいなそうではあるけど!
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