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ダンジョンエレベーターガール=D.E.G=  作者: 千ノ葉


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第14話 筋肉にはプロテイン

アラームがなり、はっと目を開けた。

いつの間にかすっかり時間が

経過してしまったらしい。


「さて、午後も頑張りますか」


1階に戻ると神妙な顔をした

冒険者パーティがいた。


「あっ、楓。ちょっと相談なんだけど」


ソフィアが駆け寄ってくる。


「昨日クリアしたダンジョンって、

 まだ再生されてないよね?」

「えっと、ちょっと待ってねーー」


スマホの管理アプリを確認する。

昨日一番最初にクリアされた5階ですら、

あと十数分の再生時間を残している。


「うーむ、ゆっくり攻略したかったんだが、

 明日の朝一に9階を予約することはできるかな」


「あー……ちょっと待ってくださいね」


ソフィアに目線を向ける。


「そうですね。ちょっと改善が必要かもですね。

 基本的にどの冒険者さんもクリア済みの

 ダンジョンには

 入りませんし、無理して難易度の高い

 高層には行きませんからね」


ソフィアは顎に拳を当て、考えるそぶりだ。


「冒険者さんたちは予約システム

 分かってもらえるかしら? 

 行きたい階がいけなくても怒らないかな?」


「うーん。大丈夫だと思いますよ。

 他のダンジョンなんてダンジョンの周りの街で

 1~2週間待って、入ったダンジョンが空なんて

 ザラにありますから」


「え~!?」


楓は驚く。


「むしろ1日待ったらダンジョンを占有し、

 アイテムをすべて手に入れられる権利が

 あるなんて

 冒険者としては

 夢のようなものですから」


「そうなんだ……」


「とりあえず冒険者さん待ってますから、

 予約了承を受け付けましょうか」


ソフィアはそのことを淡々と冒険者に伝えると、

特にクレームもなく、彼らは帰って行った。


「うわ、クレーム言われないんだ」

「ええ。大丈夫ですよ? 

 冒険者はダンジョンの出禁嫌がりますからね。

 特に話題のダンジョンなら」


「なるほどね」


その後もパーティが続くが、

階が被ったりしてしまって中々

うまくマッチングしない。


再生済みのダンジョンも

予約でいっぱいになってしまった。

試しに17階を勧めてみたりもしたが――


「勇者パーティが16階攻略中だろ!? 

 17階なんて死んでしまうわ!」


どのパーティも挑戦するものはいなかった。


「勇者のパーティはみんなの基本なんですよ。

 彼らがクリアできないダンジョンがあれば、

 他のパーティにクリアするのは難しいですから  ね」


「へぇ、そうなんだ」


午後になり、予約が実質いっぱいになり、

冒険者たちもダンジョンに入れないとなり

まばらになってしまった。

手持無沙汰になっているところ、


ピロン


『12階から呼び出しが入りました』


通知が来た。12階と言えば

マッソー3兄弟のダンジョンだ。


「ソフィアちょっと行ってくるから」

「はい。いってらっしゃい」


ソフィアに見送られ、12階のボタンを押す。


扉を開けると冷気と熱気が――


「いやあ、カエデ嬢。

 丁度温まってきたところでしたぞ」


3人の筋肉がスクワットをしてエレベータの前で

待っていた。

上下に動く肉の壁に

頭が痛くなりそうだ。


「クリアおめでとうございます。

 寒いのですぐ帰りましょう」

「そうだな。がははは」


エレベータに4人は詰め込まれ、

1階へと向かう。


「そうだ。カエデ嬢。

 道中こんなものを見つけたのだが、

 これはなんだろうか?」


「えっと、プロテインですね……」


偶然なのか嫌なパーティに嫌なものが

ドロップしてしまったらしい。


「ぷろていんとは?」

「えっと、筋肉をつける栄養がいっぱい

 入った粉ですね。水に溶いて飲みます」

「なんと!」


三人は驚愕の表情だ。


「カエデ嬢!そのことを詳しく

 聞かせてくだされ!」

「ち、近いですっ!」


筋肉にもみくちゃにされそうになる。

不可侵のバリアのようなものがなけれは、

楓は筋肉の壁に潰されていたであろう。


「えっと、食事や運動の前後にすりきり1杯を

 コップ一杯の水で溶いて飲んでください」


「わかりましたぞ。くぅ~。

 いいものを手に入れましたぞ!」


三人は狭いエレベータの中でそれぞれ筋肉を

強調したポーズをとる。


「早く1階についてよぉ……」


楓は嘆くのであった。


矢継ぎ早に8階からも呼ばれるハメに。

こちらも嫌な予感がする。


チンっ


「あ~。もう。エレベータついちゃった。

 ハルといちゃいちゃしたかったのにさぁ」

「ほら、すぐに宿屋に戻るぞ」


ラブラブの空気感を醸し出しながら、

ハルとエルが顔を見せた。


「クリアおめでとうございます~でも、

 他の冒険者さんもいるのでダンジョン内での

 過度ないちゃつきはお控えください!」

「ああ……分かった」

「こわっ……わかったわよ……」


楓の威圧に二人はたじろぐ。帰りのエレベータの中は多少気まずいものだったが

ラブラブオーラを出されるより

マシだろう。



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