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彼と蛙は大海を知る  作者: ちぇこいぬ
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初めまして。

初めてです、文章書くの。

文章を初めて書いた幼稚園児くらいの作品のつもりで読んでいたきたいです。

更新はマイペースすぎるので怒ってください。

ちなみに、私はハッピーエンド厨です。


 暗く、寒いのが当たり前だった。


 僕の大切なモノは知らぬ間に、時には目の前で去っていく。

 消えていく。

 

 

 死んでいく。





 


 ーーー浅い眠りから目が覚める。

 日が昇る前、特に一番冷える時間。

 木製のボロボロの家から外に出る。まだ外は薄暗く、虫や鳥の鳴き声が申し訳程度に聴こえてくる。

 

 毎日この時間に起きて、村の他のみんなが起きてくる前に()()をしなければならない。

 村のみんなはあまり僕のことをよく思っていないみたいだから。


 そして今日もその日その日の生きるためのモノを求めに村の裏手にある森にいそいそと入っていく。

 幸か不幸か、僕の家は村よりも森に近いおかげで早起きジジババの村人と会うこともない。


 森の恵みもあまり採りすぎると村の人に怒られる為、あまり人が立ち入らなさそうな場所を中心に採取していく。


 そうやって作業にしながらいつも考えることがある。過去のことと、この先のこと。


 ―――過去。 

 両親は早くに死んだ。母は自分を産んだ時に。

 父は魔物から僕を庇って。

 助かるはずの傷だったけど、村の人たちは助けてくれなかった。


 それでも父は死ぬその時まで、村の人たちのことを悪く言うことはなかった。

 

 「こうやって村に住まわせてくれるだけでも、とてもありがたい事なんだよ。」

 

 父はことある毎にそう言っていた。

 

 理由は、分かってる。

 混ざりモノだから。僕が。

 母は人間で、父は―――魔族。


 魔族は総じて肌が黒いことが多い。父もそうだ。村の人たちは人間だから、その人達と並ぶとその異様さがよりわかる。


 魔族は基本的に、人族にとっては有害だ。名の通り魔族は魔力が多い。

 人族はそもそも魔力に開花するかどうかも怪しい。魔力の才能のない人族にとって、魔族から溢れる魔素は苦しいそうだ。


 そんな人族と魔族の父の間にいたのが母だ。

 魔法の才が凄まじく、魔族の父と出会ったのも魔族領との小競り合いに母が参群した時だった。


 母は遊撃部隊として周辺を巡回していた。

 母の魔力の性質は、特に敵意察知能力に優れていたらしく、伏兵を警戒すべく戦場近くの森の中で弱り切った父を見つけたのが二人の出会いらしい。


 

~~~~~~~~~~

 

 「驚いた。生命の探知をしたから来てみたら魔族じゃない!それに私に気づいていながら殺意も敵意も無いなんて。あなた本当に魔族?」

 「フン……お前も、変な人族だ。魔族である私を見ながらなぜさっさと殺さない?」

 

 弱り切った魔族は木に寄りかかっており、近づいてくる存在には気づいていたがそれに顔も上げず返事をする。


 「ちょっとーー!!クリスティーナ様!?急に単独で行動したかと思えば!!こちらに居られましたか!!森においてどこに敵が潜んでおるかもわからないのに不用意に1人でこうど……な、魔族!」

 

 瞬きも許さぬほどの速度で魔族に肉薄しその首を切り落とさんと振られた刃はその首と刃の間の半透明の()によって止められていた。


「―――剣を納めなさい。副団長。命令です。」

「……ッ!」


 副団長。彼は今回参戦している軍の中でも屈指の実力者である自負があった。正直魔法使いであるクリスティーナ部隊長にも、迫撃戦なら負けまいと。

 だが、わからなかった。自分の後ろにいる部隊長が発動した魔法の瞬間を。

 理解したくなかった。自分の剣速を超える魔法など。それは自分を殺せるという事実だから。


 「人族のくせに、俺を殺すのを阻み、そして恐ろしく魔法も巧いか。フッ、ますます変な人族だ。ハハッ……」

 

 緊迫した空気をさも気にせず、乾いた笑いでのんきに(ひと)()ちる魔族に副団長を下がらせたクリスティーナが改めて向き直る。


 「言ったでしょ?あなたからは敵意も殺意も感じないって。だから、私の仲間になりなさい。」


 「は?」


 その場にいた遊撃部隊の全員と死に体の魔族の気持ちが一致した瞬間である。

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