魔女が恋をした~再会Ⅰ~
自分の二作品目の作品です。また、おそらくこの作品は少し短めのものになるかと思います。つたない文ではありますが楽しんでとんでいただければ幸いです。また、少し遅めの投稿速度になるかと思います。
物心ついた時にはすでに見ていた夢。それはなぜか悲しくしかしどこか懐かしいその夢。
小高い丘の上、男は女の膝に頭を乗せながら星を眺めていた。
「ねえ、XX。」
「どうした、ミア?」
「また、私たち会えるのかな。」
息を切らしながら話す二人の周りには血だまりができ,互いの命がもうそんなに長くないことを互いに悟っていた。
「さあ、だけど必ずまた会えるよ。」
「なにがあってもわたしが必ず迎えに行く。」
そんな話をしながらだんだんと薄れていく。
(願わくばもう一度彼女に…。)
その思考を最後に意識は途切れる。
~日本 ~
アラームの音に起こされる。瞳から涙が流れていることに気付き瞳を拭う。
おぼえのないこの記憶になんど翻弄されたのだろう。
幼いころはこのわけのわからない夢のせいで親にかなり心配されていた。だが馴れとはこわいものでこの頃は不思議ともっとこの夢を見ていたいと思ってしまうようになった。
「弘文、学校遅れるわよ~。」
「…んぁ。今何時ぃ。」
母にそういわれ時計を見ると時計はすでに7時45分を指していた。
「んなっ…やばい遅刻する。」
ベットから飛び起きて寝間着をいそいでぬいで制服に着替える。
「朝ご飯食べる?」
すでに食卓のうえにはおいしそうな湯気をあげているご飯とみそ汁が並べられていた。
「いただきます。」
ご飯をたべながらテレビを見ていると、母さんが急に声をかけてくる。
「あんたもう8時だけど本当に大丈夫なの?」
「ん。」
時計を横目に見るとすでに8時を超えていた。
「本格的にやばい。」
そう母さんに聞かれ時計を見るとすでに時計の針は8時を示していた、家から学校まで自転車で20分はかかってしまうためもう出ないと間に合わなくなってしまう。
「ごめん母さん、もう出なきゃ。」
そういうといそいで玄関からでて自転車に跨る。すると、ちょうど母さんが玄関から出てきて来ていた。
「行ってきまーす。」
「はーい。いってらっしゃーい。」
母さんに見送られながら家を出たあと、気を付けながら自転車を全力でこぐ。
「おーい、ヒロちゃん気をつけていくんだよ~。」
「はーい。行ってきま~す。」
自分の家は閑静な住宅街に位置している。小さい頃からここに住んでいる自分にとってここら辺に昔から住んでいるひととはほとんど顔見知りである。
かれこれ20分ほどが経過しちらほらと同じ学校の制服を着て登校している生徒が増えてきていた。
「お~い!ヒロ~。」
後ろからそう呼ばれて振り返ると親友の斎藤 隆が、こちらに手を振りながらこちらに向かってきていた。
「ああ、隆かおはよう。」
「おう、おはようヒロ。」
そう俺が挨拶をすると隆も挨拶を返してくる。俺は自転車から降りて
「宿題はちゃんとやってきたんだろうな?」
隆がバツの悪そうな顔をする。
「あ~、全然やってない。ごめん、今日もうつさせてくれっ。」
隆はどちらかというと勉強よりもスポーツの方が得意で、実際に隆は体を動かす方が好きで勉強は苦手だ。
「そういやヒロ聞いたか。」
「なんの話だ?」
「なんか今日、転校生が来るらしいぞ。」
「そうなのか?」
隆はあまり裏表が存在しないためいろんな人と仲良くしている、おそらくそこから情報がまわってきたのだろう。
「そうなのかって、本当にお前はこういうのに興味ないよな。」
そう言って隆は少し不満そうな顔を見せる。
「そんな不満そうな顔をするなって。」
そうこう話しているうちに学校の校門が見えてきた。しかし校門の前がなぜか少し騒がしい。
「なあヒロ、なんか校門の前が騒がしくないか。」
「たしかになにか騒がしいな。」
そう思い校門の前を見るが人が多すぎて先の方が見えない。
「おいヒロ、前の方に行ってみようぜ。」
「ちょっ…。」
隆に少し強引に手を引かれて引きずられながら群衆をかき分けながら前の方へとすすむ。
群衆の先頭が見えてくるころ、注目されている人物の顔が見えてくる。
(…なぜだろう、どこか懐かしい感じがする。)
「おっ、見えてきた…。」
そう言いかけて突然隆がとまり手の握る力が弱まる。
「本当にもうなんなんだよ。」
そう文句を言いながら話題の人物の顔を見る。
「…え。」
思わず息をのむ。
「約束通りに迎えに来たよ…XX。」
その瞬間、あの夢の景色が思い浮かんだのはおそらく偶然ではないのだろう。
いつもお読みいただきありがとうございます。もし誤字脱字がございましたら申し訳ございません。
。またこの物語はフィクションでございます。決して間に受けてはいけません。またいかなる実在する組織、団体、国家等とは一切関係ございません。
次回 魔女が恋をした~再会Ⅱ~